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表情

以前、それまで大切にしていた友人と2年くらい会わずにいた時期があります。
大切な友人と2年間も会わずにいたことを不可解に思われるかもしれませんが、「会わなかった」のではなく「会えなかった」のです。

そのころ病気の症状が重くなり、人に会うのが恐くなり、この大切にしていた友人にすら会うことができなくなりました。

人に会うのが恐い。
約束するのが恐い。
約束の日が近づくにつれて、楽しみどころか憂鬱感が増してくる。

その間、約2年間は誰とも会わず、家から外へ出ることも稀という生活を送っていました。
気分が落ち込むと暴食をしたり、危険な行為をしたり、
とても悲惨な生活でした。

その後、少しずつ症状が改善し、真っ先にこの友人に会いました。
その時にその人が言った言葉。
「正直言って、あのころのあなたは悲壮な表情をしていた。
それに比べると今はとても良い表情をしている」。

心の状態は顔に現れます。
最近は無理矢理笑う「笑い療法」というものもあるようです。
可笑しくもないのに大声で「ワッハッハ!」と笑う。
私は受けたことはありませんが、受けた人の話では、最初は抵抗があったが、次第に笑えるようになり、気分もすっきりしたそうです。

病などで辛い状況にある時には無理矢理笑うことなどできる訳もありません。
しかし、少しでも症状や気分が改善してきた時には何か楽しくなれる材料を探してみようと思います。

「心は表情に現れる」の裏返し。
「表情が心を作る」こともあるかもしれません。