マガジンのカバー画像

落とし噺の話

69
落語と本格的に出会ったのは高校生のとき。 国語の先生の「落語はいいぞ。古典がいい。新作はダメだ。」という言葉がきっかけで聴き始めました。 それ以前にもテレビで寄席番組を見る機会が…
運営しているクリエイター

記事一覧

落語のお話 【前座さんの所作】

寄席での前座さんの所作。 特に、ホール落語会ではなく定席寄席で。 演目が終わるごとにササ…

まさこん
3週間前
14

落語のお話 【青菜】

落語「青菜」を聞くたびに思うこと。 「青菜」はなんだろう? 入院中の病院の「青菜」はほう…

まさこん
3週間前
3

落語のお話 【芸は一期一会】

最近目にした文。 「芸は一期一会。たまたまその人と同じ時代を生きることができて、なおかつ…

まさこん
4週間前
2

落語のお話 【大工調べ】

「大工調べ」という落語があります。 物語の概要はこんなところです。 大工の与太郎が家賃1…

まさこん
1か月前
1

落語のお話 【小三治さんのこと3】

ある「柳家小三治独演会」でのこと。 一席目を聴いていて、なんだかとても心地よく感じたこと…

まさこん
1か月前
5

落語のお話 【小三治さんのこと2】

小三治さんの師匠である先代小さんは亡くなるまでの、何年間でしたか、毎回、紀伊國屋寄席のト…

まさこん
1か月前
4

落語のお話 【小三治さんのこと1】

私が最も長く、従って、多く観た噺家は柳家小三治さんです。 地理的に行ける会はすべて行っていた時期があります。 「地理的に」です。 「時間が許す限り」ではありません。 私の信条の一つ。 「時間は作るもの、できるものではない」 これまで熱中してきたものに対してすべてこの信条に従ってきました。 小三治さんもその一つです。 「行く時間があれば行く」のではなく「行く時間を作る」。 落語に限らず、もう何十年も前から多くの催しの切符は何ヶ月も前に取らなくてはなりません。 「半年先の

落語に関心がなくても【うるさい】

最近、といってももう数十年になりますが、寄席や落語会に行かなくなった理由はいくつかありま…

まさこん
3か月前
1

大吉原展

上野の東京藝術大学大学美術館で開催されている「大吉原展」を見てきました。 多くの落語の噺…

まさこん
3か月前
4

落語に関心がなくても【な〜んにもないけど】

ある高座で柳家小三治さんがこんなことをおっしゃっていたことがあります。 小三治さんはたま…

まさこん
3か月前
1

落語に関心がないあなたへ!【8千万円預かったらどうします?】

【千両みかん / 神田青果市場】 夏の暑い盛り。 ある呉服屋の若旦那が寝込んでしまう。 医者に…

まさこん
1年前
5

落語に関心がないあなたへ!【名作中の名作のお話です!】

毎年12月になると途端にやる人が増える名作中の名作の落語「芝浜」。 「誰も彼も」という感じ…

まさこん
1年前
5

落語に関心がないあなたへ!【搗米屋を知ってますか?】

「搗米屋」 「つきごめや」と読みます。 文字通り、米を搗いて精米する商売で、長くて重い杵を…

まさこん
1年前
2

落語に関心がないあなたへ!【今、なんどきだい?】

もうだいぶ前のことですが、「今、なんどきだい?」という言葉が流行ったことがあります。 今の言葉で言えば「今、何時?」。 この言葉の出どころは「時そば(ときそば)」という落語なんです。 今日はそのお話。 屋台を引いて夜の街を歩くラーメン屋のチャルメラの音を最後に聞いたのはいつのことでしょう。 衛生上の問題もあるし、屋台のラーメン屋はもういなくなってしまったのかな? 江戸の街にはラーメンはありませんでしたが、そばを売り歩く商売がありました。 「二八そば(にはちそば)」「夜泣