見出し画像

デジタルマーケターが押さえておきたい店頭の基本Vol.3(店頭デジタルサイネージ編)

みなさん、こんにちは。
ソーシャルメディアマーケティングに強い会社『トライバルメディアハウス』の杉山です。

今回もデジタル・ソーシャルメディアマーケターがちょっと知っていると日々の業務やクライアントとの打ち合わせにも役立つ情報をお届けしたいと思います。

店頭における定番強化

2020年3月頃から現在に至るまで、新型コロナウイルスの大流行によって店頭販促を取り巻く環境は大きく変化しました。来店頻度を下げるためにチラシの配布を制限したり、そもそもの店頭誘導のためのキャンペーンが自粛されたり、食品メーカー様で大きな痛手となっているのはマネキンさんによる試食・試飲販売を実施することが難しくなったことかと思います。
※マネキン:店頭で商品の説明や試食販売、実演販売などを行う販売員さんのこと(語源はマネキン人形からみたいです)

そんな中で最近(去年くらいから)言われているのが定番の再強化です。
定番とは・・・改めておさらいをしておきますとスーパーなどのお店は下記の図のようにそれぞれレイアウトされています。

図:スーパーの各場所の名称

まずは出入口から店舗をぐるっと回るのが主通路。ここには生鮮産品(野菜・果物、肉類、魚類)が配置されています。
その主通路を横断するような形で中通路があり、さらに各カテゴリーへつながる通路が副通路になります。主通路、副通路に面している棚の末端部分がエンド棚と呼ばれる目玉商品や特売商品などが52週テーマなどに従って展開されるような棚となります。そのエンドとエンドの間にあるのが定番棚となります。

定番売場の定義
■13週以上、商品構成(棚割)を維持する売場
■13週以上、売り続ける、継続集荷する商品が定番商品

MD NEXT参照

コロナ過で定番の強化が何故必要なのか・・・

前回の記事でもご紹介しましたが、コロナ過における生活者の購買行動は、「短時間」で「計画的」になるべく「まとめて」買い物をするスタイルに変化してきています。
これまでのISM的な考え方では、客動線を長くし、滞在時間を延ばすことで目に触れる商品点数の増加→接触商品の増加→買い上げ点数の増加を狙っていたわけですが、そのような買い物スタイルを嫌がる生活者が増えてきているわけです。
ですので流通小売側は商品がわかりやすく、買いやすい棚割りやレイアウトにすることで生活者の利便性を向上させ、再来店につなげる方向にシフトしています。

「定番の強化」と言っても様々な方法がありますが、今回はその中の一つである「デジタルサイネージ」について解説したいと思います。
一口に「デジタルサイネージ」と言っても近年では様々な形状、仕様のものが展開をされていますが、今回は定番売場に設置する「デジタルサイネージ」に関してです。

デジタルサイネージのコンテンツってちゃんと見たことありますか?

皆さんに質問です。スーパーなどのリアル店舗へお買い物に行った際に、棚に取り付けられているサイネージで流れているコンテンツを立ち止まって最初から最後まで見たことはありますでしょうか?
たぶん皆さん答えは「いいえ」だと思います。私もそうです。

こう言ってしまうと「デジタルサイネージって意味ないのか」と思われてしまいますが、そうではありません。
これまでたいていのコンテンツはCMをそのまま流していたり、店頭での視聴に最適化されていないレシピ動画が流されたりしていました。
生活者の売場および棚前の滞在時間は計画購買性の高い商品で数秒、指向性の高い商品でも数十秒です。その中で30秒尺のCMを見るでしょうか。

デジタルサイネージを上手に活用するためには

・コンテンツのどの部分を切り取っても商品情報が生活者に届く
・店舗特性に合わせてカスタマイズする
・商品カテゴリー特性に合わせてカスタマイズする
必要があります。

「コンテンツのどの部分を切り取っても商品情報が生活者に届く」

というのは、やはり生活者がそのサイネージの前を通り過ぎるのは1秒から2秒くらいです。そのタイミングでどんな商品なのかがわからなければ興味を持ってもらえずに通り過ぎてしまいます。

「店舗特性に合わせたカスタマイズ」

ではGMSなのかSMなのか、それともドラッグストアなのかホームセンターなのかでも違ってきますし、駅前立地、住宅街立地なのどの商圏によっても生活者の買い物スタイルが違いますのである程度のカスタマイズが必要です。

「商品カテゴリー特性に合わせたカスタマイズ」

は上述したように計画購買性の高い商品なのか、それとも嗜好性が高く生活者が棚前で悩むような商品なのかによっても短時間で訴求するのか、しっかり商品説明を伝えるのかなど区別する必要があります。

最近では短尺にカスタマイズされた、レシピ動画などもよく見かけるようになりましたね。生活者はお買い物中、自分の買いたいもの以外の情報はなかなか目にも耳にも入ってきません。ですので、売場に流入してきた”その1‐2秒”が勝負だと言えます。

以前、お菓子売り場に設置したデジタルサイネージの視聴数値が爆伸びしたことがありました。
その要因はこどもたちでした。これは本当にたまたまですがそのデジタルサイネージが設置された棚の目の前が子ども菓子売り場で、サイネージで流れていたコンテンツがアニメコンテンツだったからなのです。(笑)

定番強化において、デジタルサイネージを上手に活用することで、定番売場への流入が増え、立ち止まり、そして非計画購買の誘発など催事や大陳、特売などに頼らず売り上げの確保をすることも可能になります。
近年では5インチや7インチ型のデジタルサイネージは価格がかなり低価格化してきていたり、エンド用やシェルフ取り付け型など様々なタイプのデジタルサイネージが展開されています。

プライスレール取付型のデジタルサイネージ(Wi-Fiネットワーク接続式)

また、これまではコンテンツをUSBなどで差し替えするタイプのものが多かったのですが、Wi-Fi接続することでコンテンツをCMS管理することができ、リアルタイムでコンテンツの切り替えなどをすることもできるサイネージも増えてきております。

しかしながらまだまだデジタルサイネージには可能性やポテンシャルがあると思っておりますので、ただCM流すだけ~や全国一律同じコンテンツ~などといったことではなく、しっかり施策として展開することで効果が絶大に上がるのではないでしょうか。店頭などのデジタルサイネージは我々デジタル・ソーシャルメディアを扱うものにとってもコンテンツとしては共通するものがあると思いますので、是非店頭での使われ方などを頭に入れておくと、デジタル上で制作したコンテンツを店頭で活用できる機会も増えるのではないでしょうか。

今回は「店頭のデジタルサイネージ」について書いてみましたが、今後も引き続き我々デジタル・ソーシャルメディアマーケターが知っておくべき店頭の基本をお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

是非スキや記事に対するご感想やご意見等のコメント、記事の保存をよろしくお願いいたします!

Twitterではマーケティングの話から日々の話題までを気ままにつぶやいておりますので、こちらもぜひフォローよろしくお願いします!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?