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スタグフレーションの危機

こんにちは。

 スーパーに行って、「なんか値段が高いな」と思う方が増えたと思います。
原油高によるガソリン価格の高騰がニュースに取り沙汰されています。
 さらに小麦やじゃがいも、調味料から魚類、果物まで値上げのニュースは幅広くされています。

 なぜ、景気が悪いのに物価が上昇するのでしょうか?

「スタグフレーション」とは?

 まず、タイトルにもある「スタグフレーション」とは何でしょうか?

スタグフレーション・・・「stagnation(停滞)」と「inflation(物価上昇)」を掛け合わせた造語。景気後退で失業率が高い中で、物価が上昇する経済現象。通常、「景気が良くなると消費が活発化し、物価が上昇する」または「景気が悪化すると需要が減少し、物価が下がる」といった経済現象になるが、それと異なる現象である。

簡単に言うと、スタグフレーション=不況+インフレーション

スタグフレーションは、一度突入すると抜け出すのが難しい。通常の景気後退であれば、金利を下げることで支出や消費を刺激することができる。しかし、スタグフレーション中に金利を下げるとインフレを悪化させる、また最悪の場合、通貨が暴落するとハイパーインフレーションが起きる。

ハイパーインフレーション・・・国際会計基準の定めで3年間で累積100%以上の物価上昇と定義づけられている。例:ジンバブエでは2000年ー2009年の間に発生した。2008年レートで見ると1ジンバブエドル=約0.0000000000086円(86×10^-13円)/ 1米ドル=12兆ジンバブエドル

スタグフレーションの懸念

過去のスタグフレーションの分析から、すたぐフレションを引き起こすファクターとして、原油価格の急騰や欠陥のある経済政策、金本位制、供給ショック、労働力不足などを挙げられる。

世界的なロックダウンの影響から2020年4月にはマイナス価格に陥ると言う異常事態になったWTI原油先物価格ですが、その後は急速に回復基調に転じた。2021年12月23日1バレ73.76ドル(8,444.78円)とパンデミック以前である2年前に比べて約40%増しとなっている。

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高騰の原因は、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成されるOPECプラスが供給を抑制しているからです。原油価格の高騰は、ガソリンや軽油だけでなく、原油は貿易船や飛行機で輸出入される農作物などの価格も引き上げます。

インフレを抑制するためには原油価格を安定させる必要があるが、増産要請を拒絶しています。

さらに、この状況に追い討ちをかけているのが供給ショックです。巣篭もり需要や経済活動の再開を受けて、需要が急激に拡大しているにもかかわらず、生産能力が追いついてない。原因は石油燃料などの原料不足や感染リスクからの労働力不足が挙げられる。

米国連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和を縮小、利上げ開始には慎重な姿勢も見えるが、前倒しになる可能性もあります。もし、現状スタグフレーションと仮定するならば、この時期の利上げは大きなリスクを伴うことになるかもしれません。

金本位制・・・金を通貨の価値基準とする制度。各国の中央銀行が発行した紙幣と同額の金を保有し、いつでも相互に交換することを保証する。1929年の世界恐慌後、相次いで廃止され中央銀行の管理のもと自国の経済に見合った貨幣を発行する管理通貨制度へと移行している。

WTI(West Texas Intermediate)・・・米国の代表的な原油。原油価格の代表的な指標となっている。

先物取引・・・将来の売買について、現時点で価格や数量を約束する取引。現時点では売買の価格や数量などを約束だけしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行う。前もって売買の価格を決めておくことができるので、価格変動する商品の売買につきものの価格変動リスクを回避できるという利点がある。

量的緩和・・・金利を下げる代わりに、お金の量を増やす金融政策の手法。中央銀行が金融機関が保有する国債などを買い取る形で、金融市場に資金を大量供給します。


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