見出し画像

日本のIKEAに必要なのは、地域にひらいた日常的にものづくりの楽しさが体験できる空間だ!

今までのIKEAは、僕らの何を成長させえくれたのか?(愛故に問う!)

mosakiはIKEAが大好きで、よく船橋店へ散歩がてら行きます。毎年10回以上は行っているかなぁ。まぁ、そこでは純粋に製品を見回りもするし、素材としての製品を見て、いろんなことを考えさせられること自体が、面白いわけです。で、今回は、新しい事務所と屋台のプロジェクト用にと、いつものようにたどり着きました。

平日の昼間ということもあって、エントランスロビーも2Fの展示ゾーンも人はまばら。でも、2Fのレストランゾーンに着くと、結構な人なんです。南船橋店は、まわりに団地も多いので、主に子連れのママさんたち、それにランチのために立ち寄ったサラリーマン系の人たち、そして少数のわれわれのような変な働き方をしてる家族や夫婦でワイワイとしているわけです。

そして、久し振りにミートボールをほおばりながら、ここにいる人たちって、ほとんどの人がIKEAの製品には触れずただ食べて帰るんだよな、その後、店の中を見てまわっている間も、果たしてこの中で何割の人たちが、IKEAの製品を上手く使いこなせているんだろうか、と思った。

そして、出口を出てあることにさらに気付いたんです。IKEAは、ここに来るさまざまな人々を、実は全く成長させてくれていないじゃないか!? ものづくりの楽しさも、家を改造する楽しさも、デザインについての知識も、何も得られないまま、来る人たちは、入口から出口まで自動的に運ばれ、そして家に帰ってる。考えてみれば自分たちも、IKEAの製品そのものは好きだけど、思ってるほど、IKEAによって何かがレベルアップしているってことは、ないのかも。このことに気付いて、少しぞっとしたわけです。

んじゃ、何がIKEAには必要なの?(おせっかい)

そのためには、何が必要か!? それはきっと、ものをつくる楽しさを実際に手を動かして体現できる仕組みとスペース(施設)が必要だと思ったのです。こんなスペースは海外には必要ないかもしれない。日本よりは、DIYが日常にあり、デザインリテラシーが高いですからね。しかし、IKEAのような店は難しいと言われる日本だからこそ、必要というわけです。

例えば、ファブラボ鎌倉や先日、蒲田にオープンしたカマタブリッヂ(上写真)などは、まちにひらいた1階に拠点を構えている工房で、そこにはさまざまな道具があって、とりあえずつくりたいものは何でもつくれる。きちんとファシリテートしてくれる人もいるので、まちを行き交う市民も、本当にふらっと立ち寄ることができる雰囲気がある。そこでは、市民のものをつくりたいという欲求を上手く昇華しながら、さらにコミュニティとしても成熟させていってしまうというウルトラCが起きているわけです。

そんなことを思いながら、ふとエントランスロビーの空間に目をやると...

やっぱり、空間に余裕がありすぎるでしょっ! 

店の顔とも言うべきこの余白の使い方に、何の意思もないっしょっ!

っていうか、さまざまな工具を自由に体験、使用できる、Fab的なものがあればいいっしょっ!

と、突っ込みまくってしまうわけです。エントランス脇に、日常的にDIYできるスペースがあって、基本はフリーで、工具の使い方なんかもスタッフの人が教えてくれて、別に商品に直接結び付かないことでも、そこで知恵や体験を与えることにトライできればいい。IKEAの人は無茶な話だよと言うかもしれないけど、広告を打つか、こういう施設かを天秤にかけたら、後者という選択肢もアリだと思うのです。

ポートランドで見かけた、家を構成するあらゆる廃材を売っている「リビルディングセンター」。こんな施設が付随していたら超エキサイティングじゃん!

IKEAが日本国民のDIYに底上げ教育を担います!

こういう方向に振り切れれば、僕らの日常にIKEAが入り込んできて、ものづくりや家や暮らしを改造する楽しさが、ぐっとリアリティを増していくと思う。きっとこれまでは、そういう意気込みなんて、もちろんIKEAにはない。たまに週末にワークショップをやっていますよ、とおっしゃるかもしれないけど、それは場所も頻度もほとんど意味が無いものです。本当は、日本の各段階の教育が、カバーすべきとこなんだけど、それも期待できないから、そこを一手に引き受ければそれはそれで面白いことになるんじゃないでしょうか、と思った次第で。

それに、どの店舗も、以外と完全な商業地というよりは、住宅地が控えるエリアに出店しています。半径1キロほどの周辺地域と、どのような関わりを構築していくかも、各店舗には大きな課題。そんなとき、このDIY体験常設のスペースが、一役買ってくれるだろうし、そんなものができたら、20キロ離れた僕らも毎週のように東京からIKEAへ通ってしまうことでしょう!

最後に今回IKEAで購入したのは、小さな屋台のようなワゴン。早速、田中は棚板と取っ手を金色に変えてしまいました。

多くの人に少しでもアクティブに生きるきっかけを与えることができればと続けています。サポートのお気持ちをいただけたら大変嬉しいです。いただいた分は、国内外のさまざまなまちを訪ねる経費に。そこでの体験を記事にしていく。そんな循環をここでみなさんと一緒に実現したいと思います!