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Review of the Year 2022_Masaki Morihara

2022年は、進展もあれば我慢も多い濃い1年でした。
主にお世話になった方や自分の周りの方々に向けて、ありがとうの気持ちを込めての振り返りです。今年も1年間大変ありがとうございました🙇‍♂️

1.建築学科について

2021年に復学をした建築学科では、学業や制作に毎日追われながらも建築を作る、そしてデザインをする技術的な土俵にようやく立ち始めた段階です。

早稲田の建築デザイン教育が自分に合っているのかどうか確信は掴めませんが、毎日非常に刺激的な学びをすることができています。大学のアトリエやスタジオはもはや自分の寝床であり、生活の一部となっております…笑
建築は10代からずっとやりたかったことでもあり、設計や製作をしている時は自分にとってとても幸せでありながら苦しい時間です。
ようやく来年学科を卒業予定ですが、建築学科は卒業してから赤ちゃん脱出なのでまだまだこれからです。

建築関連の学びや制作などはこちらの週間レビューnoteページを今年からはじめ、23本!も継続的に書くことができました。メンタルのリズムを整えるのために始めたのですが、考えの整理や振り返りとしてこれはかなり自分にとって良い習慣でした。

2.学びや活動について

また、今年は新しい素敵な友人や大人の方々や会社、そして技術と深く巡り会えた年でした。(年月順)

MESONさん
・11月頃〜6月頃まで在籍させていただきました。
・WIREDにてソフトウェア化する都市──サイバーとフィジカルが空間融合する先に待つことを読み、未知なる建築や都市の匂いを感じて、なんのバックグラウンドもなくその場で衝動的にアポイントメントをしたことを覚えています。
・主に国交相のPlateauのプロジェクトなどに携わらせていただき、超都市として、これからの建築とXRの可能性を探究させていただきました。
・先日建築家の磯崎新さんが亡くなりましたが、彼の著書に触発され、これからの東京という都市の意味性や、バーチャルーフィジカルを横断し、レイヤー化した日常性をいかに構築するか、または身体拡張と建築空間は個人的にも大きなテーマであり、今後も建築と絡め、これからも活動する予定です。楽しみ!
・僭越ながら、XRと建築について個人的な考え方をレクチャーをさせていただいたりしました🙇‍♂️

■巻組さん
・巻組には1年弱、かなり長く携わらせていただいています。主に巻組の運営するシェアハウスブランドRooptの立ち上げやオペレーション、事業計画などをサポートさせていただいています。
・東日本大震災の被災地である石巻の会社であり、東京生まれ東京育ちの自分にとって石巻という街が持つ記憶や住む人の感覚が新しく、レジリエンスの強さを含めてすごく大好きな街です。ぜひ一度皆さんも訪れてほしい!
・また巻組にいる理由として、「底なしの世界に建築という底を作ること」としてのこれからの流動的な住まい方、人権的で公共的そして平等のための住まい空間や都市空間というものが日本という国で、または世界で日に日に犯されている感覚思っており、そこに対しての草の根的なアンチテーゼをできないかな…という意味合いもあります。住まいはプロダクトではなく、力強いバナキュラー性に回帰するとも思っています。
・特に今年いろいろな側面で顕著になった社会不安(戦争や気候変動や倫理性など)の顕在化などと住まいや都市の影響はこれからも少なくないと考えています。こちらのテーマも引き続き張っていきます。

条件の矛盾を統合的に解決することから、新しい建築の姿、そして社会を信じて、あらゆる技術性を保持しつつ待機することだったのではないだろうか。立場はそれぞれ違うけれども根っこではそれが共有されて、建築がかたちづくる社会の素地が徐々にでも社会に回復していくこと。そうして底なしの世界に建築という底を作ることが託されていたはずではないか。

・巻組では、コーポラティブハウスの現代的実装版のDAO型シェアハウスも始動しています🙆‍♂️こちら取り組みとして面白いのでぜひ!

ADDReCさん
・アシスタントとして、今年は本当にたくさんの機会や経験をいただきました。力や技術力のなさに悔しい気持ちになったりすることも多々ありましたが、総じて自分にとって、「建築」という業界での闘い方や挑み方、仲間や共通の目的の作り方を毎日のように教えていただいているなと思っています。
・また、自分よりも何段以上もプロとしてできる方々に囲まれ、自分のできることや自分の小ささに悩みハングリーになることも、またADDReCさんのこの環境ありきだなと思っています。
・話しながら、一緒に働かきながら学ぶことばかりなので、まとめるためにこんな備忘録noteも書きました!来年もお世話になりつつ頑張ります。

■Green innovator academy
・ひょんなことからGreen innovator academyに採択され、福島の被災地や原発への視察や、先端的な脱炭素の取り組みを半年学び、水素エネルギー推進を進める岩谷産業の取締役会の方々にプロポーザルを届けることができました。水素エネルギーの工場や搬送施設も見学させてもらえたりもし、建築をバックグラウンドに外に出ていくと、もっと建築にできることってあるな〜建築設計で解決できそうなものあるな〜と感じます。水素エネルギー×建築は引き続き仲間と一緒にプロジェクトまで仕上げたいなと思っています。

■その他
他にも、今年もたくさんの方々や委託のプロジェクトに携わらせていただきました。1人でいるとアトリエや作業場に引っ込んで考え込んだり、本を読んだり、ものを作っていたくなってしまう自分を、外に引っ張り出してもらったり、気が合いそうだからと紹介していただいたり、時にはアドバイスをいただいたり…
どれもこれも23歳の今の自分にとって変え難い経験で、もらった分をちゃんと大きくなって、自分で返して行かねばならないと思っています。
来年もどうぞよろしくお願いします。

4.2022年の感想

やはり、2022年は世界の流れがどんどんと悪化していること、それを今の自分の年齢で、新しい時代に突入しようとしていることがとても気がかりです。今年はウクライナとロシアの戦争から、ずっと自分の知らない場所で世界が想像以上に動いているのだろうと思いながら平和な日常を過ごしてきました。「新しい戦前」なんて言葉や「台湾有事」なんて、ニュースでも絶対に聞きたくないなと思ってしまいますが、もはやそのような時代になるのだろうと覚悟をするしかないのかも…と感じています。

結局のところ、22世紀までのこれからの社会で生きるというのは現在が最も安寧で、そして未来はどうしようもなく人間にとって過酷にならざるを得ないんだろうと思う。気候変動か国家間の戦争、感染症などの個人の理由や選択ではない要因で死ぬ可能性の方が明らかに高いのだろう。
そのような、これからを見据えて、何に対して人類として命を使うべきなのかを考えるのは苦しいが、その苦しさに向き合わねば人間である意味や若さの意味はないのかもしれないとすら思う。

そのような時代に生まれてしまったのだから、この状況で「22世紀に向けて、建築には何が可能なのか?デザインにできることとは何か?」を探し続けるしかないのだろうと。今までのように、安寧にそして平和に文化を構築し生み出していくような建築の時代にはならないのだろうと。最悪の状況も想定して、建築やデザインを心を込めてやっていかねばならないのだなと感じています。ある意味礒崎新さんが年末に亡くなったのは象徴的な出来事なのかもしれません。

全く関わることのない領域を自分で横断したり、多様な人と自ら関わったりしながら、自分の身体が認識できる世界や、感動できるものをももっともっと広げないといけない。Botとしての人間でも、鉄の檻や法の奴隷でもない人間的な存在を目指さなくては建築はAIによる自動化でこれからは済んでしまうので、人間による建築というものを作れるように、自己の感覚を磨いて行かねばと。

そして、今こそ、吉坂隆正の平和のための建築こそ、建築やデザインの主題なんじゃないかななど。この辺りは来年の自分の主題であり活動の根幹になると思います。

私が建築を自分の専門に選んだ一つの理由もそこにあった。
人々が相争うのは、お互いに相手を理解し信じ合えないからだと思え、理解させ信じさせるには実証するのが一番確かで早道だ。
建築はその国の、その時代の感情と知性と、即ち芸術と科学とを、物質を通じて一つの体系にまとめたものだと思い、国々のそれを、各人のそれを、かくかくと説明し感得させることによって理解と信頼のたすけとなるであろうと考えた。

吉阪隆正 1950年

2022年もありがとうございました!来年は実作をたくさん作る年にします。文章よりもモノを作りますので、2023年もよろしくお願いします!

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