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「ステマ」「ステルス」広告の”今”と問題点

初めに

消費者にとって、一見、広告か否かがわからないような「ステマ」「ステルス」広告が、ようやく日本でも本格的に議論されるようになってきましたので(注※)、最先端の議論が必要だと思い、昨年2021年5月24日付けで訳出した「米連邦取引委員会(FTC)の委員長声明(2020/2/12)」を、今回公表してUPすることにしました。

拙訳:ロヒット・チョプラFTC委員長声明


FTC委員長声明(2020/2/12)=PDF=私・紀藤正樹弁護士の日本語仮訳

この声明は、FTCが、現行2009年「推奨および体験談の広告への使用に関する指針」 について、2020年2月12日付で、「広告における推奨表現および体験談の使用に関する指針に対するコメントのリクエスト」(16 CFR Part 255: Guides Concerning the Use of Endorsements and Testimonials in Advertising; Request for Comments )と題するパブリックコメントを求めた際に、ロヒット・チョプラ委員長 が公開した「推奨表現指針の審査についてのロヒット・チョプラ委員長の声明」(Statement of Commissioner Rohit Chopra Regarding the Endorsement Guides Review )として、FTCのサイトに、公開されたものです。

今、何が問題となっており、何がFTCの現行「推奨および体験談の広告への使用に関する指針」について足りないのか、そして現行指針の改正方向についての参考、ひいては日本における広告表現の在り方一般の参考にもなると思い、訳出してみました。

日本語を読んでもらうと、”今”の焦眉の問題が、ステマ、ステルス広告主の問題を飛び越え、広告の場を提供しているとも評価できるインターネットのプラットフォーム企業(フェイスブック、インスタグラム、グーグル、 YouTube、TikTok)の問題、そしてネット上で大きな影響を与える”インフルエンサー”の問題であることが、よくわかると思います。

参考:

・現行の米連邦取引委員会FTC「推奨および体験談の広告への使用に関する指針」=日弁連仮日本語訳(2013/1/17) = (Guides Concerning Use of Endorsements and Testimonials in Advertising 2009年10月15日公布、2009年12月1日施行)

ステルスマーケティングの規制に関する意見書-日本弁護士会2017/02/16

FTC「Advertisement Endorsements=推奨公告」のHP(英語)

・プラットフォームに対する処分例=2017年12月27日 アマゾンジャパン合同会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
=「消費者庁は、本日、アマゾンジャパン合同会社に対し、同社が供給するクリアホルダー、ブレーキフルード及び甘酒に係る表示について、景品表示法に違反する行為(同法第5条第2号(有利誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。」

注※

アフィリエイト広告等に関する検討会=2021/5/28設置 第1回(2021年06月10日)、第2回(2021年07月16日)、第3回(2021年08月30日)、第4回 (2021年10月01日)、第5回(2021年11月26日)、第6回(2022年01月28日)

アフィリエイト広告等に関する検討会報告書-2022/2/15

景品表示法検討会=令和4年3月16 日(水)に第1回を開催する。以後、月1回程度開催し、令和4年中を目途にとりまとめを行う。


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