リリとロロ 「匂いのゆくえ」について
この作品は「羽化」と同時進行で書き始めたが、再考に再考を重ね、難航したためこのタイミングでの投稿になった。
結果、かなりコンパクトになった。
長々と苦悶について綴るための作品でもなければ、誰かの参考書になるための道筋を遠回りして辿る作品でもないと思っていた。
ましてや形而的な作品なんて、リリとロロのテーマにそぐわない。
短絡的に言うと少年誌のように「オレたちの闘いはまだ始まったばかりだ!」って終わり方でなければいけないと思っていた。
(あれの元ネタの元祖って何なんだろうね)
ご存知の通り、現在ベースの糸玉は調香師になるべく研鑽を積んでいる。
その背景にある作品として啓示することは烏滸がましく、いくらバンドの脳でありコンポーザーである僕でも禁忌であると感じた。
この作品自体、入念に調香について糸玉に質問をした。
だが勿論、作品はフィクションであり糸玉の意識が反映されているかは知り得ない。
ただ、一話は僕の体験が盛り込まれていて、喫茶店も地元に実在した。
印象に残る実のある会話として記録していたため、会話の内容も概ね間違ってはいない。
全てがフィクションというわけではなく、ここに記していないだけで所々、僕の記憶や記録が保持されているのは、このリリとロロの楽しめる一つのポイントではないだろうか。
先にはなるが、この作品に準えて来年2月3日に弾き語りのイベントを企画している。
聴覚と嗅覚、そしてイベント会場では美味しい料理まであるので味覚まで楽しい夜になることは間違いない。
イベントタイトルは「匂いのゆくえ」。
この匂いの行末は当日、あなた自身で確かめてほしい。
正木諧「匂いのゆくえ」
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