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【新しい国からのアーティスト】

みなさんこんばんは、Masakiです。TwitterXの方で、こんな事を書いたのだけれど…


最近どこかでも言ったんだけど、本当に世界のコンテンポラリー系では最近、アジア欧米諸国以外の、いわゆる発展途上国や小さな国々、民族系の作家が本当に上がってきている。今回のベネチアビエンナーレでもそうだ。

例えば黒人が黒人のヒストリーをテーマに作品を作るとか、LGBTQがそのテーマでやるとか、そのあたりが終わっちゃって“マイナー諸国”の「民族文化」みたいなものがテーマの作品が新しいと評価を受けているようにも思う。

昨今発展途上国で一ヶ月500円で生活しているみたいな人がたくさんいる様な国でも、都市部は超発展していて、高所得者もいてその国出身なんだけどアメリカの美大出ている作家みたいなのも目にする。

別の視点から見ると、アートマーケットが次なる国を探している側面もある。例えばアフリカやインド、メキシコなんかがそうで、IT系などが注目してて経済成長が見えると、そこには勿論スタートアップ系や大手企業などが人物を派遣して、高所得者が住む様になる。そうすると勿論高所得者用の住居やコンドミニアムができあがり、つまりは「新しい壁」が出来上がるわけだから、「新居にアート作品でもどうですか?」ということでギャラリーがそこに注目する。

となると必然的に現地の作家の発掘が進む。

新規制が欠かせないコンテンポラリーの世界では、今まで欧米中心の文化やアイデンティティが消費されてきたけれど、今こうして世界が広がって、今まで聞いたことの無かったような国々のアイデンティティや文化をバックグラウンドとした作家が、グローバルアートマーケットの中で「新しい」と評価されている様な気がする。

これは見方によるとプリミティブな気もするんだけれど、ゴーギャン的な事もあるしこれはこれで評価されて当然な事なのかなと思う。

Spaceの番組で、ベネチアビエンナーレの金獅子賞について取り上げたのですが、そこでも話をしました。


先住民系の作家

先住民系というワードになんの精度もないので勝手に大雑把な言い方をしていますが、ここ最近でちらほら見る様になった発展途上国出身や、金獅子賞を取った二組も、マオリ族、アボリジニにルーツがある(コンセプトがある)作家でした。

何で最近こういう作家が目立つようになったのかなと思っていくつか考察をしてみました。

上の投稿でも説明しましたが…
現代におけるアート/美術というものは基本的には西洋美術というものがベースになっています。現在でいうところの欧州に大部分の歴史があって、起源は洞窟絵画から数万年前にさかのぼり… ギリシャ・ローマ時代があって、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、イギリス、ドイツなどなど国々が形成されて、宗教絵画、貴族絵画と時代が流れ形態は変わるにつれて変容しました。

アメリカが現代美術の中でポジションを得ているので、アメリカの美術が歴史が長いように見えるかもしれませんが、実際は日本の美術の歴史の長さとあまり大きな差はなく、1800年代から。そしてナチスドイツの退廃芸術や戦争をきっかけに欧州から亡命する作家が増えたのが1900年代頃。

何が言いたいかというと、ずっとずっと欧州で培われたものが大きな流れになって、アメリカや中国、日本など先進国を始めとする国々に波及していったような形ですね。
これまで美術の形は様々で、こういうのがいい!いやこうがいい!とアンチテーゼを繰り返してきたわけですが、時代性や、歴史、文化などを色濃く反映させてきました。

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ドイツを中心に活動を続けるContemporary Artist(現代美術家)の Masaki Ha…

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