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志望動機の作り方

こんにちは。自己紹介をします。某大手IT企業の新卒一年目のペーペー社会人です。

実は最近時期もあってだと思いますが、様々な場所から就活についていろいろと質問を受けます。自分もちょうど去年の今頃就活をやっている身でしたから、思い出すこともありながらいろいろな相談に乗っていたわけです。

そこでふと気が付いたことがあります。「みんなが悩んでることってだいたい志望動機の作り方だなあ」と思ったんです。

もちろんガクチカの書き方だったり、そもそもやりたいことが見つからないであったりいろいろな相談を受けました。しかしですね、ガクチカに関しては書き方のフォーマットがいろいろな場所で出回っていたりしますし、やりたいことに関しては憧れる会社や業界がある人が多いので、困っている人は多くありません。

なので、今回は私が考える志望動機の作り方というものを紹介してみたいと思います。あくまで、社会に出たこともない、人事もやったこともない学生の考えるものですので、至らない点は多々あると思いますがご容赦ください。

1.志望動機の構成

結論から言います!志望動機は以下の4つの要素で構成するといいと思います!

行きたい業界の抽象化

②自分の過去の経験の抽象化

③1と2の共通部分の提示

④業界内でその会社を志望する理由

この4つだけです!とはいってもこの4つをきちんと考えるのが難しいのですが、、、笑ではそれぞれについて順を追って説明していきます。

2.多くの就活生がつまずくポイント

私の下に送られてくる志望動機に関する相談は、大抵が論理的な志望動機の作り方がわからないというものです。実際私が就活をしていた時もそうでした。私自身は2社の内定を得たのですが、正直なところ入社を決めた方の会社の面接やESではあまり志望動機を作りこめていなかったなと思っています。一方、もう一つ内定を得た会社で話していた志望動機は、全く異なるものを話していたのですが、絶対にロジックを崩されない自信がありました。前者はいまだによく内定をくれたなと思っています。

一般的に、論理的で面接官を納得させることのできる志望動機とは過去の経験に基づいた志望動機であると言われています。それについては様々な記事やお話があるので、ここでは割愛しますが、概ねそれについては正しいと思います。

では、過去の経験→志望動機という流れでロジックを作れば納得される志望動機が作れるということになりますね!

ところが、皆さんここでつまずくのです。自分もそうでした。どう悩むのか?

ズバリ!

「志望動機に繋がるような過去の経験がない😭」

わかります!めちゃくちゃわかります!例えば、私は総合商社を受けたんですが、「何かを売り買いした経験も事業経営みたいなことをした経験もないなあ、、、」と思いました。デベロッパーを受けた時も「街づくりに関わる経験なんてなくない?」と思っていました。

なので、例えばデベロッパーの志望動機を「街づくりがしたいから」にすれば、その理由を問われたときに答えられなくなります。逆に抽象度を高めて、「社会に貢献したいから」とかにすると「うちじゃなくてよくない?」という疑問が面接官にわいてしまうわけですね。

私はこれにきちんと答えられる志望動機の構成を就活中に見出すことが出来ませんでした。その結果、運よく内定先の会社からは内定を頂けたものの、他の企業では志望動機の部分での面接官の納得度がどうしても薄いと面接中から感じていました。案の定、超人気のトップ企業からの内定は得られませんでした。

最近、就活支援をすることが増えて後輩の就活の様子を見るなかで、もう一度この答えを探すことにしました。

そこで、今の内定先とは別に内定を頂いたとある企業の志望動機を振り返って、そこでは何が評価されたのかを考え直していました。

その時、ふと気づいたのです。どんな企業にも通用する再現性のある志望動機の作り方が存在するということに。

このことに気付いている人もいると思いますし、そうでない志望動機で内定を得ている人もたくさんいると思いますが、それは元々能力が高い人です。私が考える限りでは、この方法を使えば誰でも合格水準の志望動機が作れるはずです!

3.抽象化のやり方

ここからは具体的な説明に入ります。

まず一つ例を出します。例えば、鉄鋼業界に行きたいA君がいるとしましょう。

A君は志望動機を考えています。正直な志望理由は安定していて福利厚生がよさそうだからです。しかし、そんなことはESに書けないし、面接で話せるわけがありません。

A君は過去の経験と結びつけて、鉄鋼業界への志望動機を考えようとしました。しかし、鉄に関する経験をしたことなどありません、、、

困ったなあ、、、

さあ、ここで私がA君ならどうするか!?

それは抽象化です!!!

???となっていることでしょう。順を追って説明します。

抽象化とは、簡単に言うと具体的なものからその次元を引き上げて、より漠然とした概念にするということです。余談ですが、この抽象化という考え方は就活において非常に重要になってきますから、しっかりと意味を掴んでおいてください。

先ほどの鉄鋼の話を考え直してみましょう。

鉄鋼業界を志望するに当たり、鉄にまつわる経験を用いて志望動機を組み立てようとしたが、なかなか思いつかないという状況でした。

ここで抽象化を用います!

「鉄鋼業界」→「鉄を扱う業界」→「鉄は世の中の様々なありとあらゆる製品に使われている」→「世の中の様々なものの基礎を作るものが鉄で、それを扱うのが鉄鋼業界」→「鉄鋼業界とは表に出ない社会の基礎を支える業界」

ここまでが鉄鋼業界の抽象化です。要するに「世の中の縁の下の力持ち的な業界だなあ」というくらいのイメージを今の思考の流れで持っておけばよいのです。

ここまでよいでしょうか?抽象化のイメージはつきましたか?

さあ、次は自分の過去の経験を抽象化してみましょう!

4.自分の経験の抽象化

ここまできたらだいぶ自分の経験と結びつけやすくなったのではないでしょうか。

ここから先でやることは、過去の経験の中から縁の下の力持ち的な役割をした経験を探すことです。それには就活で最もよく問われる自己分析というものが深く関わってきます。

ここで一つ大切なことを言います。自己分析には二種類あるということです。一つは自分の本音ベースの自己分析。もう一つは内定を取るための自己分析です。この記事では後者の話をします。しかし、どちらの方が大切とかではありません。どちらも大切です。前者の話はまた別の機会にします。後者の方は内定までの最後の一押し、特に就活本番までの期間が短くなった時に必要なものです。

話を戻しましょう。企業を抽象化し、それと結びつきそうな過去の経験を自己分析を用いて探すというところまで話しました。

またここで具体例を出しましょう。先ほどの鉄鋼業界のお話の続きです。

鉄鋼業界を「縁の下の力持ち」的な企業であるということまで抽象化しましたね。

というわけで、探さなければならないのは縁の下の力持ち的な経験ということになります。そうすると今までの就活でやってきた自己分析が急に内定に直結して見えてくるわけです。

例えば、、、私の経験を「縁の下の力持ち」に寄るように書いてみます。

私は小学生の時からずっとサッカーをしてきました。その中で特に高校時代に最も充実したサッカー生活を送っていました。高校二年生の春、私は先輩と共にインターハイ予選に出場していました。1年以上一緒にサッカーをしてきた先輩方は大学受験を控えているため、その大会で引退する方がほとんどでした。実質的には、先輩方の引退試合であったわけです。

その大会では結局、地区大会の決勝に敗れ、敗退したわけですが、私は人生の中で一番と言っていいほどの悔しさを感じ、普段ほとんど出ない涙が出ていました。

しかし、その一年後、自分の引退試合は二回戦であっさりと敗退したのですが、悔しさを特に感じることもなく、涙も出ませんでした。自分自身の結果にはあまり執着できなかったのです。

振り返ってみると、サッカーをしていてもゴールという自分自身の結果よりも、チームメイトのゴールをアシストすることに喜びややりがいを感じることが多かったのです。

これらを抽象化すると、「サッカーで先輩の引退試合で涙が出たり、アシストにやりがいを感じた」→「自分自身の結果よりも、他者に貢献することにやりがいを感じた」→「自分が表に出るのではなく、縁の下を支えるような役割にやりがいを感じる」というロジックになるわけです。

どうでしょうか?少し自分語りになってしまいましたが、どのような論を展開するか理解できましたでしょうか?

きっとこれを読む皆様も様々な経験をされてきたと思います。どんな小さな経験でもよいのです。とにかく面接官が納得してくださればそれでよいのです。そのためにはここまで話してきたような論理を積み上げることが大切です。

例えばですが、上記の経験を一部改変してエンタメ業界の志望動機にすることも出来ます。詳細は省きますが、エンタメ業界を「頑張っている人を応援する業界」という風に抽象化すると、私の先ほどのサッカー経験を「サッカーで先輩の引退試合で涙が出たり、アシストにやりがいを感じた」→「自分自身の結果よりも、結果を出そうとしている人を応援する、支えることにやりがいを感じる」という風に改変してしまえば繋がります。

こうして考えてくると、志望動機はそんなに難しくないと思えてきたのではないでしょうか。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか?この部分でつまづいている就活生が多いように感じたのでこの記事を書いてみました。

今回は長くなりすぎてしまうので各企業を差別化するお話はまた今度にしたいと思います。また、最初に企業を抽象化する部分で一社だけを抽象化してしまうのも一つアリだと思います。しかし、各業界の、特に大企業は規模感も事業内容も似ているため、いきなり差別化した抽象化をするのは難しいと思います。業界の圧倒的一位の会社であるとか、事業内容や社風がすごく独特であるとかの場合はいきなり各企業の抽象化に突入できるかもしれません。しかし基本は、まず業界の抽象化から入りましょう。

以下、私自身ではないですが、相談に乗った方で会心の出来の志望動機の方がいらっしゃいますので掲載いたします。

私は未来に残る価値創造をしたい。アメリカ留学時に〇〇という観光地を訪れた。一人の男によって作られたポップアートが作者の死後も人気を博している姿を目にし、私も後世に残る価値創造に携わりたいと強く感じた。私はデベロッパーとして持続可能な街づくりに貢献し、時代を超えてより多くの人に価値を残し続けるという夢を持っている。また私は冬インターンに参加し、○○のように、その時の収益性にとらわれすぎず、住みよい未来を作り出すために新たな挑戦を後押しする風土が貴社にあることを実感した。留学中に様々な挑戦を通して楽しく成長できた経験から、挑戦できる環境で働くことに魅力を感じている。

いかがでしょうか?皆さんも彼の論理展開をしっかりと追ってみてください。

あえてここでは解説しませんが、ここまで読んでくださった方ならなぜ私がこれを絶賛しているのかがわかると思います。

ちなみにこの志望動機の作り方を徹底すると、

①自分だけの志望動機が書ける、話せる

②誰でもどんな経験からでも志望動機を作ることが出来る

③頭がよさそうに、きちんと考えて準備してきたように見える

というのがメリットだと思います。


以上が今回の志望動機の作り方になります!!長くなりすぎてしまってごめんなさい、、、

各企業の差別化は別の記事でやろうと思います!

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