私の現在地について
はじめに
息子が世を去ったのは、2023年5月17日、満23歳でした。
おおよそ一年が過ぎ・・・・それは私にとって10年が過ぎたような濃密な期間でしたが・・・・時折、今の私がどんな状態かに関心を寄せてくださる方もいるので、今の現在地について言葉にしておこうと思います。
悲嘆
米津玄師さんのLemonの歌詞を引用します。
「夢ならばどれほどよかったでしょう 未だにあなたのことを夢にみる
忘れた物を取りに帰るように 古びた思い出の埃を払う
戻らない幸せがあることを 最後にあなたが教えてくれた
（略）
きっともうこれ以上 傷つくことなど ありはしないとわかっている」
今の悲しみを言葉で表現するならば、この一節です。
あまりにも大きな悲しみがあり、大きな大きな後悔と、海を作るほどの枯れない涙があるのです。
「マントラ瞑想」との再会
2017年、熱海で開催されたIIT（非暴力コミュニケーションの国際集中合宿）の時に出会ったダケアヤナさんから、「マントラ瞑想」というものを習ったことがありました。
私は、息子の死の翌日、なぜか突然、「マントラ瞑想」の事を思い出し、当時の録画を引っ張り出して、日々唱えるようになりました。
それは直感的なものでした。
息子の死後、妻や娘が悲嘆に暮れるなか、私が心を折るわけにはいかないという必死な状況がありました。
マントラ瞑想が、悲嘆の濁流の中、浮き輪のような役割を果たしたのです。
私はその後、ダケアヤナさんの主宰するHeart of Soundで、心のヨガの
「指導者養成講座 200時間コース」を受講し、結果的に、心のヨガ講師として全米ヨガアライアンスRYT200の資格を持つに至りました。
ラマナ・マハルシの著作
マントラ瞑想を日々続ける中で、いろんな体験がありました。
やがて、その体験を言語化するものとして、「ラマナ・マハルシ」の著作にハッとするようになりました。
もし苦しみが存在しなければ
どうして幸福への欲望が起こり得るだろうか
もしその欲望が起こらなければ
どうして真我探求が成就しようか
「なぜ、誰にこの苦しみが起こるのか」もしこのように問いただせば
「私」が心や体とは別のものであり、ただ真我だけが永遠の存在であることをあなたは見いだすだろう。
そしてそれが永遠の至福なのである。
喩えていうなら
空を見て、雲があることに気づく
その雲の一つを、「私」であると、普段は考えている
しかし、実際は、空そのものである
マントラ瞑想を始めて 4～５か月の頃に、突然、「私」とは幻想であった、見ているそれが本来だ、という気付きが訪れました。
あなたは神であり、私であり、たまたま現世では分かたれた魂として、エゴを生きる。
あなたが悲しむとき、その悲しみがあなただけのものであるはずはない。
あなたが喜ぶとき、その喜びがあなただけのものであるはずはない。
全体性
私は幻であった、すべての命は、世界は、もともと分かたれていなかった。
ここで初めて、NVCの精神性と再び出会ったのです。
つまり、すべては神であるとわかると・・・わかる私などいないのですが・・・Robertの言っていたことも、聖典に書いてあることも、NVCの精神性も、すべて紐解かれていくのです。
なので、成人発達理論に違和感があるのや、NVCのKDや28スキルに気がかりがあるのは、人をエゴと分離へ導いてしまうからです。
人生の転換
振り返ってみると、これまでの人生は、「何かをなしたい」「学びにより少しずつでも改善していきたい」と繰り返してきました。
それは、絶えることのない探求であり、修行、なにかの「欠乏感」に突き動かされてきたのです。
息子を亡くした今、輝いているのは、「改善の日々」ではなく、「愛と遊び」のひとときです。
自分の思い描いていた未来が、決して手に入らないことがハッキリとわかるようになった今、これからは「愛と遊び」をテーマとして生きていこうと実践をはじめています。
魂の約束
妻と結婚したきっかけは、妻がお腹に彼の命を宿したから
NVCの学びに傾倒したのは、彼が不登校になったから
そして、今の境地に至ったのは、彼の死があったから
人生の転機は、彼がもたらしたものです
「悲劇とは恩寵である」
喜びも悲しみも、彼が私に贈ってくれたのです
息子とは、今世における、魂の約束をしてきたのでしょう
最後に
真我の前で、自我のダンスを踊る
自分を含む、すべての生きとし生けるものに優しく
何が起きても、それを愛そう、遊ぼう
音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。おいらの言っていることはわかるかい？踊るんだ。踊り続けるんだ。何故踊るかなんて考えちゃいけない。意味なんてことは考えちゃいけない。意味なんてもともとないんだ。
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