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たいそう前のことだ。

思い立って、ぼくがその河川敷に腰を掛けたとき、ぼくはビールの罐を片手に、このままあなたとこの川に消えてしまいたい、と激しく願っていた。

夜は更けて、昏かったはずが、川はその時まばゆく光っていた。

不意で、思いも寄らない情動であった。
その川も、あなたも、ひょっとしたらぼく自身も、今やぼくから遠くに去ってしまい、その shot は今もしばしばぼくの夢に現れ、そのたびにぼくを鮮やかに狼狽させる。

決して不快な目覚めではない。

*

ぼくには、記憶がない。
さらりと書いたが、おそらくは極度のストレスとベンゾのオーバードースの影響だろう、と勝手に思う。
――こんなに生々しくて、詩的でない話はヤなもんだけど。

連続的な記憶を失った代わりに、数えられるほどの shots から、過去数年のぼく自身を引き出す。そのような歪なやり方で、何とかこの世界と折り合っている。

力が入らないこの人生に慣れるように、忘れ続けるこの人生にも、ぼくはすっかり慣れた。

慣れれば、それでよい。

(いつか死に、それにもまた、同じようにぼくは慣れるだろう。)

*

川縁でのあの一瞬が、ぼくを生かしている。
いかに苦しいさなかであったとしても、あれは二度とぼくに戻らない、強く烈しい何かだった。

生を愛おしく思えれば、それがすべてなのだ、と、ぼくはそのようなものに縋る。

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