シュロス

#10 予想外!?への対処法

こんにちは!
毎週水曜日開講の【キャリアデザイン学超入門】へようこそ!
以前確認した「キャリアの語源」を踏まえた、代表的な研究者のキャリアの捉え方紹介第5弾!
今回は人生における「転機」に関する、シュロスバーグの理論を5分くらいで読めるようにまとめました。

目次
1.転機の捉え方
2.転機への対処
3.さいごに
4.参考文献

1.転機の捉え方

みなさんにはこれまでの人生の中で「転機」と思う出来事はありますか?

人は誰でも生きている限り「転機」を繰り返していくことになりますが、この「転機」の捉え方や対処に関する研究を行ったのがシュロスバーグです。


まず、「転機」とは何かということですが、彼は以下の3つに分けました。

①何かある出来事が起きること=イベント
進学する、結婚する、出産するなど

②予想していたできごとが起きなかったこと=ノンイベント
進学できなかった、就職できなかったなど

③それによって起きる環境などの変化
進学できなかったことで予備校に通うようになるなど


このような転機が訪れたときに、人生役割人間関係日常生活自己概念が変化すると言われています。こうした変化にはもちろん、プラスの効果とマイナスの効果があって、捉え方によって人の幸福感を左右します。


なのでキャリア転換時には、このマイナスの影響をいかに最小限にするか変化を客観視し冷静に捉えいかに適切に対処するか、が課題とされています。


2.転機への対処

では、どのように転機を対処していけばよいのでしょう。

まず、転機をうまく乗り越えるられるかどうかを左右する重要な要素として、彼は以下の4つをあげています。

過去経験
これまでのキャリア転換時にどのような経験をしたか

対処行動
適切な行動ができるか、ストレスへの対処ができるか

自律感
自分の人生をコントロールできると捉えているかどうか

認知
転機を肯定的に捉えているかどうか

そしてその転機をサポートするシステムとして、①公的機関や民間団体②経済的支援・物理的条件③人間関係の3つをあげています。つまりこの3要素(に関する情報)が豊富な人ほど転機への対処はうまくいく、ということになるでしょう。


そしてシェロスバーグは対処として2つのステップを示しています。

1つ目は「4S点検」と呼ばれるもので、①Situation(状況)、②Self(自己)、③Support(支援)、④Strategy(戦略)の4つの自分の資源について点検をし、自分にとってのキャリア転換の意義について考えることが必要とされています。詳しい説明はここでは省きますが、資源それぞれが気になる方は調べてみてください。

そして2つ目、4S点検をもとに具体的な戦略を立て、実行するということを通してうまく人生の転機によって起こる変化に対処しようというのが彼の理論なのです。


3.さいごに

ざーっとシェロスバーグの理論についてまとめてきました。

・転機は「イベント・ノンイベント・それによる環境変化」に分かれる
・転機の対処には「過去経験・対処行動・自律感・認知」の要素が大きく影響する
4S点検をした上で戦略を立て行動するという2ステップの対処方法

ということが分かりましたね!


シュロスバーグの理論は、クランボルツの「計画的偶発性」理論と重ねて、何が起きるか分からない人生を生き抜くためのマインドを育む重要な理論だと思います。

人生には思い通りになることもあれば、そうでないこともあります。

転機が訪れたときに様々な感情を持つ自分の気持ちを受け止めたうえで、日々ポジティブに行動していければ、大きく人生の幸福感を損なわずに済むのではないでしょうか。


今日はここまで!

次の定期投稿は金曜日【Vivid Books#7】です。
それではまた。


4.参考文献


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