shift innovation #27 (i.lab hack 3)
今回、i.labの「サステナビリティのリ・デザイン」をテーマとしたミニ・ワークショップに参加しました。
【概要】
サステナビリティに関して、環境問題の深刻化と社会的機運の高まりにより、生活と仕事の両面に強い影響を与えていますので、慣れ親しんだ、身近な製品やサービスであっても、サステナブリティの観点から、今後、その存在が受け入れられなくなる可能性があります。
今回のミニ・ワークショップでは、身近なものとして「ポテトチップ」「子供の靴」「ライト」を対象に、サステナビリティを考慮することによって、リ・デザインすることに挑戦します。
ミニ・ワークショップでは、i.labが収集した「サステナビリティ100」というサステナビリティの観点で優れた事例から活用できる要素を抽出した上で、「ポテトチップ」「子供の靴」「ライト」について、機能・意匠・流通・素材の側面からリ・デザインを図ります。
【勝手にリ・デザイン1】
shift innovation #25 (ワークショップ(i.lab編1)では、サステナビリティを、「ポテトチップ」×「ウェルビーイング」という視点により捉えることによって、創出したアイデアのコンセプトは、「美味しいけど食欲が減退するポテトチップ」であり、アイデアの内容は「ボリュームたっぷり、味変用チーズたっぷり、『食べるな危険』ポテトチップ」となります。
そして、リ・デザインした内容は、「サステナビリティな体にするため内容量を少なくする」というように物理的に食べる量を抑止するのではなく、「あえて内容量は多くするものの、背徳感により食べる量が少なくなる」というように心理的に食べる量を抑止することによって、サステナビリティな体にします。
【勝手にリ・デザイン2】
shift innovation #26 (ワークショップ(i.lab編2)では、サステナビリティを、「ポテトチップ」×「フードロス」という視点により捉えることによって、創出したアイデアのコンセプトは、「フードロスを回避できるオリジナルポテトチップ」であり、アイデアの内容は「あまった食材で作る後付けオリジナルパウダー・プレーンポテトチップ」となります。
そして、リ・デザインした内容は、「企業が完成した商品を作り込む」というように完成品を提供するのではなく、「消費者が自分好みの味を作る」というように未完成品(プレーン)を提供することによって、企業と消費者が価値共創します。
【「サステナビリティ100」の事例を活用したリ・デザインの要素】
今回、「サステナビリティ100」の事例を活用したリ・デザインのアイデアとして、サステナビリティを、「ポテトチップ」×「フードロス」×「プラスチックごみ」という視点で捉えた上で、新たなアイデアを創出することとします。
i.labが収集した「サステナビリティ100」というサステナビリティの観点で優れた3事例およびその他の2事例に基づき新たなアイデアを創出しました。
そこで、サステナビリティの観点で優れた事例である「びん保証金」「Too Good To Go」「回生ブレーキ」、その他の事例である「ネスレ紙パッケージ」「オフィスグリコ」に関して、サステナビリティの観点で活用できる要素および読み替えた内容について説明します。
【「サステナビリティ100」の事例を活用したリ・デザイン3】
はじめに、i.labから提供された「サステナビリティ100」の事例(指定の15事例)に関して、サステナビリティに関わる要素を抽出しました。
次に、サステナビリティに関わる要素のうち、題材であるポテトチップに関連する「フードロス」の視点に基づき、関連する3つの事例を抽出しました。
3つの事例とは、瓶の返却により保証金を付与する「びん保証金」の事例、飲食店が選定した食品を低価格で購入できる「Too Good To Go」の事例、運動エネルギーを持続させることにより、無駄なくエネルギーを利用できる「回生ブレーキ」の事例となります。
そして、3つの事例に基づき、「フードロス」の視点より連想したコンテクストとは、「飲食店が選定した食品を低価格で購入できる」「瓶の返却により保証金を付与する」から「指定した期限までにポテトチップを食べ切らないと保証金が課せられる」というコンテクストを連想(読み替え)しました。
また、「運動エネルギーを持続させることにより、無駄なくエネルギーを利用できる」から「連帯責任制による共同購入により全てのポテトチップを消費できる」というコンテクストを連想(読み替え)しました。
これらの連想した内容から、「連帯責任制による共同購入により、指定した期限までにポテトチップを食べ切らないと保証金が課せられることから、全てのポテトチップを消費することによって、フードロスを削減できる」というアイデアを創出しました。
ここで、ポテトチップを共同購入する上で、ポテトチップの配送を1ヶ所にすることを考えたことから、「オフィスグリコ」の事例を想起したことによって、配送に伴う排気ガスを削減できるのではないかと考えました。
また、創出したアイデアの中で想起した「指定した期限」から、指定する期限を短期間に設定することにより、油分があるポテトチップであっても、パッケージを紙にすることができるのではないかと考えたことから、「ネスレ紙パッケージ」の事例を想起したことによって、プラスチックごみを削減できるのではないかと考えました。(紙パッケージ使用の実現可能性は不明)
これらのことより、「共同購入による連帯責任制に基づき、ポテトチップを指定された期限までに食べ切ることによって、フードロスを削減できると共に短期間でポテトチップを食べ切ることを前提とすることにより、紙パッケージを使用することによって、プラスチックごみを削減できる一括共同購入システム」というアイデアを創出しました。
【「サステナビリティ100」の事例を活用したリ・デザイン3の内容】
「サステナビリティ100」の事例を活用したリ・デザインのシステムとして、サステナビリティを、「ポテトチップ」×「フードロス」×「プラスチックごみ」という視点で捉えることにより、新たなアイデアを創出しました。
【まとめ】
サステナビリティに対する視点や捉えるべきコンテクストが変わることによって、様々なサステナビリティなアイデアが創出されました。
サステナビリティを「ウェルビーイング」という視点より捉えることによって、カロリー高めのポテトチップをたくさん食べることを回避する上で、あえて美味しいけれどもカロリーが高いチーズをたくさん後乗せします。そして、背徳感を持たせることで、ポテトチップの消費量を抑えるように誘導し、サステナビリティな体を維持することによって、ウェルビーイングな生活ができます。
サステナビリティを「フードロス」という視点より捉えることによって、家庭にあるあまった食材を減らす上で、あまった食材を特製パウダーメーカーによりパウダー状にした上で、プレーンポテトチップにふりかけます。そして、あまった食材をあますことなく利用することによって、フードロスを削減できます。
サステナビリティを「フードロス」「プラスチックごみ」という視点より捉えることによって、購入したポテトチップのフードロスを削減させると共にプラスチックごみを削減させる上で、連帯責任が伴う共同購入システムを構築すると共に紙パッケージを使用します。そして、連帯責任により他の人に迷惑をかけないよう、購入した全てのポテトチップが消費されると共に短期間の消費(賞味)期限を設定することにより、紙パッケージを使用できるようにすることによって、フードロスを削減できると共にプラスチックごみを削減できます。
これらは、プロダクト自体によるサステナビリティ、プロダクトに関連するものによるサステナビリティ、そして、プロダクトに関する流通システムによるサステナビリティによって、ポテトチップにおけるサステナビリティをリ・デザインしましたが、リ・デザインしたアイデアは、アイデアの一つに過ぎず、新たなアイデアを創出するためには、サステナビリティに対する視点や捉えるべきコンテクストの違いを意識することが重要ではないかと考えます。
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