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さとうのおつかい

さとうを買ってきてくれる?

実家で暮らす10代の私であれば、台所で見慣れている白い砂糖を買ってくるだろう。料理にハマった20代の私であれば、コクを出してくれる三温糖を選ぶかもしれない。沖縄で暮らす30代の私であれば、黒糖も選択肢に入る。

誰かに言われた言葉からイメージできるものはたくさんある。経験を重ねることでイメージできる選択肢が増える。

さとうのおつかいで相手が上白糖を買ってきてほしいとイメージしていたとしても、目の前で煮物の準備をしていたら三温糖が正解かもしれない。たとえ煮物の準備をしている風景が目に入っても、実は来客用コーヒーに使うグラニュー糖という可能性もゼロじゃない。


ということは「さとうを買ってきてくれる?」と言われたら「確認」する必要がある。これを無視して「分かった、行ってくる」でおつかいに行ったらミスにつながる。

さとうの種類がいくつもあることを知っていたら、頭の中にこの言葉が浮かぶ。

何のさとうを相手は欲しいのか。

相手のリクエストに応えるためには頭に浮かんださとうを限定させる必要がある。自分がどう行動をすればいいかの「質問」がコミュニケーションとして大切なこと。

阿吽の呼吸はそもそもないと思っている。あるとすればそれは特殊能力に近い気がする。仕事で起こるミスの大半はこのコミュニケーションを抜きにした「きっと○○だろう」がきっかけで行動してしまったが原因になる。

わたしは職業柄、相手の発した言葉の本意を知りたくなる。仕事であれば事細かに質問をしていって、限定させていく。プライベートでは「細かすぎ!」で怒られる。

さとうのおつかいはコミュニケーションのいい練習になる。

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