changemaker #12 探究学習(課題発見4-まとめ「利害関係者」)
想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があり、今までとは異なる課題を発見した上で、課題を解決するだけではなく、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決する必要があります。
【利害関係者による視点】
今までとは異なる課題を発見し、課題を転換する上で、検診を受診する赤ちゃんにおける「利害関係者」の視点から捉えることにより、様々な事象を捉えることができます。
これらのように、長時間待たされる母親の視点から母親同士、来院していない父親の視点から会社、共働きしている両親の視点から両親以外を捉えるなど、「利害関係者」という視点から事象を捉えることにより、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換することができることとなります。
【「母親同士」「父親」「両親以外」】
例えば、「事象の『ペイン』だけを捉えるのではなく、『ゲイン』も捉える」の事例の場合、赤ちゃんを病院へ連れて行くのは大変であるという「母親」による視点に対して、来院の母親が子育てについて相談し合っているという「母親同士」による視点を捉えることにより、「コミュニティスペースを病院内に設けることが難しい」という「母親同士」における新たな課題を捉えることとなります。
そして、「母親同士」における新たな課題により、「コミュニティスペース」というリアルから「コミュニティサイト」というバーチャルへと、新たな視点で捉えることによって、「来院の母親」から「全ての母親」へと、新たな「利害関係者」による今までとは異なる視点で捉えることで、「すべてのお母さん同士がいつでもどこでも子育てについて相談し合えるコミュニティサイトの開設」という解決策を生み出すこととなります。
「事象の『見えるもの』だけを捉えるのではなく、『見えないもの』も捉える」の事例の場合、病院で見えている「母親」による視点に対して、病院では見えていない「父親」による視点から事象を捉えることにより、「お父さんは育児休暇や看護休暇を取得することが難しい」という「父親」における新たな課題を捉えることとなります。
そして、「父親」における新たな課題により、父親という「特定の社員」から「全ての社員」へと、新たな「利害関係者」による今でとは異なる視点で捉えることによって、「他の社員は業務に負荷がかかり不満に思う一方で、育児休暇をとる社員(お父さんやお母さん)は負い目に思うなど、両者にとって良いものではない」という新たな課題を捉えることで、「休暇の理由を問わず長期休暇を取得することができる『サバティカル休暇制度』を積極的に企業が導入する」という解決策を生み出すこととなります。
「事象を『当然のこと』だけを捉えるのではなく、『当然でないこと』も捉える」の事例の場合、インタビューをした「母親」による視点に対して、「共働きしている両親」による視点から事象を捉えることにより、「特にお父さんは看護休暇を取得しづらく、病院へ行くことができない」という「共働きしている両親」における新たな課題を捉えることとなります。
そして、「共働きしている両親」における新たな課題により、「共働きをしている両親」から「赤ちゃんの祖父母」「ベビーシッター」「保育園の保育士」へと、新たな「利害関係者」による今までとは異なる視点で捉えることによって、「両親共に病院へ行くことができない場合、赤ちゃんは検診を受診できない」という新たな課題を捉えることで、「両親以外が赤ちゃんを病院へ連れて行き検診を受診させる代行サービス」という解決策を生み出すこととなります。
【課題起点・利害関係者起点】
今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えるためには、「マインドセット」で説明した「課題」を起点に捉えるのか、「課題発見」で説明した「利害関係者」を起点に捉えるのかにより、事象の捉え方が異なることとなります。
例えば、「課題」を起点に捉える場合、「病院で待つ」「病院へ行く」「検診を受診する」に対して、「病院で待たない」「病院へ行かない」「検診を受診しない」など、「課題」を起点に捉えることにより、解決策を生み出すこととなります。
一方で、「利害関係者」を起点に捉える場合、「母親」「父親」「共働きしている両親」に対して、「母親同士」「会社の全ての社員」「両親以外」など、「利害関係者」を起点に捉えることにより、解決策を生み出すこととなります。
これらは、「利害関係者」を起点に捉える場合は、「課題発見フェーズ」を主軸に捉える一方で、「課題」を起点に捉える場合は、「課題転換フェーズ」を主軸に捉えるなど、どのフェーズを主軸に捉えるのかの違いにより、事象の捉え方が異なることとなります。
いずれの視点で捉える場合であっても、「赤ちゃん」「両親」「祖父母(家族)」「保育士」や「会社」など、「利害関係者」の視点で捉えることにより、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換することができることとなります。
【まとめ】
これらのように、「赤ちゃん」「両親」「祖父母(家族)」「保育士」「医師」「看護師」「病院関係者」「病院」「企業」「自治体」「国」など、「利害関係者」という視点で事象を捉えることにより、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。
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