changemaker #11 探究学習(課題発見3-「当然」「当然でない」)
想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があり、今までとは異なる課題を発見した上で、課題を解決するだけではなく、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決する必要があります。
【課題発見(休暇を取得できる・休暇を取得できない)】
例えば、「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という課題を捉えたとします。
「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」という課題と捉えた場合、「長時間待たずに済む予約制の検診」、「病院へ行かずに済むリモートによる検診」という想定内の解決策となります。
病院の待合室で検診を待っているお母さんにインタビューをすると、「今日は主人が仕事のため休めないので、私が看護休暇を取って、赤ちゃんを病院へ連れて来た」という回答があり、共働き夫婦の場合は、両親のどちらかが病院へ連れて行く必要がありますが、「特にお父さんは看護休暇を取得しづらく、病院へ行くことができない」という課題を捉えることとなります。
【課題転換(両親・両親以外)】
赤ちゃんの様子を一番知っている両親が、赤ちゃんを病院へ連れて行くのが一番良いのですが、「赤ちゃんを病院へ連れて行くのは両親である」という事象を固定観念であると捉えることによって、「両親共に病院へ行くことができない場合、赤ちゃんは検診を受診できない」という新たな課題を捉えることとなります。
そこで、「病院へ両親が連れて行く」から「病院へは両親以外が連れて行く」へ転換することにより、
両親以外である赤ちゃんの祖父母、ベビーシッター、入園している保育園の保育士などにより病院へ連れて行くという代行サービスがあれば、問診などはリモートで両親が対応することもできますので、「リアル」から「バーチャル」へ転換することによって、「赤ちゃんを病院へ連れて行き検診を受診させる代行サービス」というように、検診に係る課題を捉えた解決策、また、固定観念に基づく課題を捉えた解決策とは異なる解決策となります。
【課題発見・課題転換・課題解決】
「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」という顕在化した課題ではなく、現状をインタビューする中で、「特にお父さんは看護休暇を取得しづらく、病院へ行くことができない」(課題発見)という潜在化した新たな課題を発見します。
そして、顕在化した新たな課題に対して、「両親共に病院へ行くことができない場合、赤ちゃんは検診を受診できない」(課題転換)というように、新たな課題に転換することとなります。
その結果、「赤ちゃんを病院へ連れて行き検診を受診させる代行サービス」(課題解決)というように、転換した新たな課題を解決するなど、想定外の解決策となります。
このように、想定外の解決策を生み出すためには、事象に対して、今までとは異なる視点により、新たな課題を発見し、今までとは異なる視点より、新たな課題に転換し、そして、今までとは異なる視点(技術)により、課題を解決するなど、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があります。
【創造的思考(アブダクション)】
アブダクションにおいては、特定の事象に対して、法則を適用することにより、仮説を形成するなど、正解のない課題(事象)に対して、独自の問い(法則)を適用することによって、独自の解答(仮説)を導き出すことが重要となります。
【まとめ】
これらのように、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決するなど、「病院へ両親が連れて行く」から「病院へは両親以外が連れて行く」、「リアル」から「バーチャル」へと転換し捉えることにより、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。
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