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changemaker #10 探究学習(課題発見2-「見える」「見えない」)

「changemaker」では、探究学習を通して「パラダイムシフトを起こすことができる『チェンジメーカー』を育成する」ことを目指しています。
これは、VUCAという不確実性の高い社会において、環境が大きく変化しているにもかかわらず、今までと同じ課題今までと同じ視点で捉えたり、今までと同じ課題今までとは異なる視点で捉えるだけでは、想定内の解決策しか生み出すことができず、パラダイムシフトを起こすことはできないと考えています。
そこで、環境が大きく変化している中で、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題今までとは異なる視点で捉えることにより、想定外の解決策を生み出すことができる「チェンジメーカー」を育成する必要があると考えています。


想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があり、今までとは異なる課題を発見した上で、課題を解決するだけではなく、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決する必要があります。


【課題発見(見えている・見えていない)】

例えば、「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という課題を捉えたとします。

赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」(事象)

「一層のこと検診を受診しないというのはどうか」
途上国では検診を受診していない」(法則)
「日本では検診は受診するものである」
「日本における赤ちゃんの生存率より本当に検診を受診する必要があるのか」
「途上国では不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っている」
「どうして不衛生な中でも検診を受診することなく健康に育っているのか」
途上国では不衛生であることもあり免疫力が高い」(仮説)
「日本は衛生面に配慮しすぎるため免疫力が低下している」
「どうすれば日本においても途上国と同様の環境を作ることができるのか」
衛生面のレベルを低下させることにより免疫力を高めることができる
「予防接種的な発想を活用できるのではないのか」
「あえて菌(常在菌)を投与することにより免疫力を高めることができる」

「未病のための免疫力を高めることができる常在菌の入った薬」

赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」という課題と捉えた場合、「長時間待たずに済む予約制の検診」、「病院へ行かずに済むリモートによる検診」という想定内の解決策となります。

しかし、病院の待合室の前を観察していると、「赤ちゃんを病院へ連れてくるお父さんがいない」ということに気付くなど、目の前に見えている「お母さん」ではなく、目の前には見えていない「お父さん」を捉えることにより、「お父さんは育児休暇や看護休暇を取得することが難しい」という課題を捉えることとなります。


【課題転換(特定の社員・全ての社員)】

「お父さんは育児休暇や看護休暇を取得することが難しい」という課題は、お父さんだけではなく、お母さんであっても育児休暇や看護休暇を取ると、「他の社員は業務に負荷がかかり不満に思う一方で、育児休暇をとる社員(お父さんやお母さん)は負い目に思うなど、両者にとって良いものではない」という新たな課題を捉えることとなります。

そこで、「結婚している人」、「子供がいる人」など、特定の社員のみ育児休暇や看護休暇などの休暇を取得できるというのではなく、全ての社員が気兼ねすることなく、公平に休暇を取得することができるようにするため、育児や看護などの特定の理由に基づく法定の休暇だけではなく、「休暇の理由を問わず長期休暇を取得することができる『サバティカル休暇制度』を積極的に企業が導入する」というように、目の前に見えている課題をそのまま捉えた解決策、また、特定の社員に対する課題を捉えた解決策とは異なる想定外の解決策となります。

※「サバティカル休暇」は一般的にはワークライフバランスを目的に企業が制度導入しています。


【課題発見・課題転換・課題解決】

赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」という顕在化した課題ではなく、現状を観察する中で、「お父さんは育児休暇や看護休暇を所得することが難しい」(課題発見)という潜在化した新たな課題を発見します。

そして、顕在化した新たな課題に対して、「他の社員は業務に負荷がかかり不満に思う一方で、育児休暇をとる社員(お父さんやお母さん)は負い目に思うなど、両者にとって良いものではない」(課題転換)というように、新たな課題に転換することとなります。

その結果、「休暇の理由を問わず長期休暇を取得することができる『サバティカル休暇制度』を積極的に企業が導入する」(課題解決)というように、転換した新たな課題を解決するなど、想定外の解決策となります。

このように、想定外の解決策を生み出すためには、事象に対して、今までとは異なる視点により、新たな課題を発見し、今までとは異なる視点より、新たな課題に転換し、そして、今までとは異なる視点により、課題を解決するなど、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があります。


【創造的思考(アブダクション)】

アブダクションにおいては、特定の事象に対して、法則を適用することにより、仮説を形成するなど、正解のない課題(事象)に対して、独自の問い(法則)を適用することによって、独自の解答(仮説)を導き出すことが重要となります。

changemaker #10
事象
赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である

法則
お父さんが育児休暇や看護休暇を所得する

仮説
「全ての社員が満足することができる制度を導入する」

解決策
「休暇の理由を問わず長期休暇を取得することができる『サバティカル休暇制度』の導入」

changemaker #9
事象
赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である

法則
お母さん同士がゆっくりと子育てについて病院内で相談し合う

仮説
「コミュニティスペースを病院内に開設することによりお母さん同士が子育てについて相談し合う」

解決策
「すべてのお母さん同士がいつでもどこでも子育てについて相談し合えるコミュニティサイトの開設」

changemaker #2
事象
赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である

法則
途上国では検診を受診していない」

仮説
「途上国では不衛生であることもあり免疫力が高い」

解決策
「未病のための免疫力を高めることができる常在菌の入った薬」


【まとめ】

これらのように、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決するなど、「目に見えている」から「目に見えていない」、「一部」から「全部」へと転換し捉えることにより、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。


#1 探究学習(思考方法1-論理的思考・創造的思考)
#2 探究学習(思考方法2-創造的思考方法)
#3 探究学習(思考方法3-固定観念顕在化)
#4 探究学習(思考方法4-固定観念脱却)

#5 探究学習(マインドセット1-無意識的思考パターン)
#6 探究学習(マインドセット2-飛躍的思考)
#7 探究学習(マインドセット3-俯瞰的思考)
#8 探究学習(マインドセット4-懐疑的思考)

#9 探究学習(課題発見1-「ゲイン」「ペイン」)
#10 探究学習(課題発見2-「見える」「見えない」)
#11 探究学習(課題発見3-「当然」「当然でない」)
#12 探究学習(課題発見4-まとめ「利害関係者」)



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