changemaker #9 探究学習(課題発見1-「ゲイン」「ペイン」)
想定外の解決策を生み出すことにより、パラダイムシフトを起こすためには、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があり、今までとは異なる課題を発見した上で、課題を解決するだけではなく、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決する必要があります。
【課題発見(ゲイン・ベイン)】
例えば、「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象を捉えたとします。
「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」というペインをそのまま課題と捉えた場合、「長時間待たずに済む予約制の検診」、「病院へ行かずに済むリモートによる検診」という想定内の解決策となります。
しかし、病院の待合室の前を観察していると、「病院に来院したお母さん同士が子育てについて相談し合っている」という場面が見受けられたことから、「お母さん同士がゆっくりと子育てについて相談し合えるスペースがない」というペインとは相対するゲインを課題と捉える(今までとは異なる課題を発見する)ことにより、「お母さん同士が子育てについて相談し合えるコミュニティスペースの開設」というペインをそのまま課題と捉えた解決策とは異なる想定外の解決策となります。
【課題転換(リアル・バーチャル)】
「お母さん同士がゆっくりと子育てについて相談し合えるスペースがない」という今までとは異なる課題を解決することができない場合、「お母さん同士がゆっくりと子育てについて相談し合えるコミュニティスペースを病院内に設けることが難しい」という新たな課題を捉えることとなります。
ここで、新たにコミュニティスペースを設けることができない場合、病院内だけで相談し合うのではなく、病院以外でも相談し合える、また、その病院に来院しないお母さんも含めて相談し合えるなど、コミュニティスペースという場からコミュニティサイトという場というように、「リアル」から「バーチャル」へ、そして、「来院のお母さん」から「全てのお母さん」へ、ペインに相対するゲインを異なる課題に転換し捉える(今までとは異なる課題を発見した上で、課題を転換する)ことにより、「すべてのお母さん同士がいつでもどこでも子育てについて相談し合えるコミュニティサイトの開設」というペインをそのまま課題と捉えた解決策、また、ペインに相対するゲインを課題と捉えた解決策とは異なる想定外の解決策となります。
【課題発見・課題転換・課題解決】
「赤ちゃんを毎月病院へ連れて行くのは大変であり、さらに病院で長時間待たされるのは嫌である」という事象において、「病院で長時間待たされるのは嫌である」、「毎月病院へ連れて行くのは大変である」という顕在化した課題ではなく、現状を観察する中で、「お母さん同士がゆっくりと子育てについて相談し合えるスペースがない」(課題発見)という潜在化した新たな課題を発見します。
そして、顕在化した新たな課題に対して、「お母さん同士がゆっくりと子育てについて相談し合えるコミュニティスペースを病院内に設けることが難しい」(課題転換)というように、新たな課題に転換することとなります。
その結果、「すべてのお母さん同士がいつでもどこでも子育てについて相談し合えるコミュニティサイトの開設」(課題解決)というように、転換した新たな課題を解決するなど、想定外の解決策を生み出すこととなります。
このように、想定外の解決策を生み出すためには、事象に対して、今までとは異なる視点により、新たな課題を発見し、今までとは異なる視点より、新たな課題に転換し、そして、今までとは異なる視点(技術)により、課題を解決するなど、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉える必要があります。
【創造的思考(アブダクション)】
アブダクションにおいては、特定の事象に対して、法則を適用することにより、仮説を形成するなど、正解のない課題(事象)に対して、独自の問い(法則)を適用することによって、独自の解答(仮説)を導き出すことが重要となります。
【まとめ】
これらのように、今までとは異なる課題を発見し、課題を転換した上で、課題を解決する上で、「ペイン」から「ゲイン」、「リアル」から「バーチャル」へ転換し捉えるなど、今までとは異なる課題を今までとは異なる視点で捉えることができる「チェンジメーカー」になることができると考えます。
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