クラブDJの空間支配的リズム論
この記事はDJを知らない人でも面白い内容だが、DJをやっている者に読んでもらいたい。
はじめに、DJを知らない人にDJについて説明しよう。
DJとは
DJ(Disc Jockey)とは、選曲した既存の音楽を再生機器で音を出す人のことを言う。
一般に、大会でスクラッチなどのテクニックを競うバトルDJや、ロックバンドでドラムなど様々な音を鳴らすバンドDJ、クラブでBGMとなる音楽を流すクラブDJがある。
僕はクラブDJに該当する。基本的にクラブやDJバーなどでクラブミュージックを選曲し、DJをする。曲を停止させずに次の曲に違和感なく繋げ、その場を盛り上げる。
既存の曲を使うが故に
「DJってただ既存の曲を流してるだけなんじゃないの?」
といわれることがある。
もちろん、既存の曲をながしている。
だが、ただ流しているんじゃない。
DJはその場、その客層、その流れに合わせた曲を自己表現を混ぜながら選んでいるのだ。
音楽をただ流すだけじゃなく
DJは選曲に美を見出す、いわば選曲家なのである。
音楽は空間を支配する
音楽は場の雰囲気を作りだし、気持ちまでもを揺るがす。
アップテンポな曲を聴けば気持ちは昂るし、哀しげな曲を聴けば切なくなる。
気持ちと音楽は同期するのだ。
そこに国籍や人種、母国語は関係ない。
その現象が多くの人間に発生すると、気持ちが空間として知覚できるようになる。
特にBGM(Back Ground Music)は気づかない間に人間の感情を操る。
巧いDJはBGMで人間の感情からフロアの空間までを掌握し、聴いている者を自らの世界に落とし込む。
下手なDJというのも説明しておこう。
基本的な操作や繋ぎができていても、やはり場を理解せず、自分の流したい音楽だけを流し、客が踊れないDJは好かれない。そのうえ、聴く耳も持ってくれない。
好きな曲を流して自分だけ気持ちよくなる、所謂オナニーDJというものだ。
空気を読まないDJは即ち、空間を理解できていない。
オナニーDJをこれ以上増やさないためにも、空間を把握する能力を身につけてほしい。
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