夜道を歩く、ハルジオンを聴きながら
学生時代、静岡のキャベツ農家で住み込みのアルバイトをしたことがある。そこにはタイから日本の農業を学びに来ている研修生が2人いて、僕は彼・彼女たちと一つ屋根の下で共同生活をしていた。
およそ1ヶ月、早朝から日が暮れるまで働いた。当時の僕は、農業に触れるのも初めてだった。タイの人たちと寝食を共にするのも、もちろん初だった。
すべてが新しい体験で、矢のように過ぎた時間だったが、いまもときどき思い出すのは、一人で夜道を歩いている場面だったりする。息をつく間もない仕事を終えて、夕食