現代アート視点で観る、心躍るNFT9選
こんにちは!
インターネットと現代アートが大好き『まさき(中田真貴)』 です!
ビープルのNFTアートが75億円で落札。そんな衝撃的なニュースからNFTブームは到来しましたが、現在「冬の時代」と言われているNFT。
しかし、現代アート視点で観るNFTはとても挑戦的かつ刺激的で心躍る作品が多く存在します。
NFTとは?
要は「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」の事です。
心躍るNFT【9選】
※1〜7で紹介するNFTは『超複製技術時代の芸術: NFTはアートの何を変えるのか?』 で展示されている一部のNFT作品になります。
1)レア・メイヤーズ
ジェフクーンズの作品を3Dデータにして無償で公開。
作品の真贋証明書をNFTとして販売。
3Dプリントなどで印刷して物質は手にいれられるが、NFTの真贋証明書を持っているかどうかで物質の真贋が変わる。
物質の真贋がNFTによって変化する面白い事例。
下の画像はジェフクーンズ
2)ダミアン・ハースト
NFTを1作品約20万円で抽選販売。1年後所有者はNFTをそのまま保管するか、現実の絵画と交換するか選択。
NFTを選ぶと絵画は焼却 1万人中4,851人がNFTを選択 (販売当初の価格で10億円以上の絵画を焼却)
絵画かNFT、どちらに作品の価値があるか所有者に問うた面白い実験。
【2024年4月現在の価格状況】
現実の絵(5149枚):260万円以上で取引
NFT(4,851個):2.5ETH(69万円)で取引
3)チームラボ
作品は誰でもダウンロード可能。
そしてダウンロードした全ての作品が本物。ただし作品の文字を自由に書き換えられるのはNFT所有者のみ。
誰かが文字を書き変えるとダウンロードされた全ての作品も同期して書き換えられる。 同じ言葉を入れても2度と同じ状態を表示することはない。
NFTを作品の所有ではなく、改変権にした面白い取り組み。
作品のダウンロードURL↓↓
4)鎌谷徹太郎
NFTの所有者が変わると作品のイメージも変化するアルゴリズムが組み込まれている。
また対となる絵画も存在。5,000匹のハエの死骸を下地にしている絵画。
10年後画面が少しずつ崩れ、描かれた絵もひび割れハエの死骸がポロポロと出てくる。
【NFT】:永遠に朽ちることは無いが、所有するたびに変容し続ける
【絵画】:図像は変わらないが、時間と共に物質的に朽ちてしまう
NFTを絵画と対にすることで固有のイメージは永遠に所有できないという表現を強調している。
5)藤幡正樹
購入者が増えるほど0円に近づく逆オークション形式のNFT。
通常オークションでは欲しい人が増えると青天井式に上がる価格。
デジタルデータという無限に複製出来る特性と、複製されたデジタルデータを本物と意味づけられるNFTの特性を上手く活かした実験。
100万円からはじまり、最終的な購入価格が1,096円まで下がった。
6)Ukraine DAO
ウクライナとロシアの戦争を契機に立ち上がった「ウクライナDAO」
ウクライナ国旗をNFTとして販売。
共同入札のオークションにかけられ、8億円で落札された。(3271人の入札者) その後ウクライナNPOに寄付されたが、寄付の理念に反した使い方がされアーティストとウクライナ政府は関係を絶った。
このNFTは寄付した暗号資産で実際に軍事物資が購入され「世界初の暗号戦争」を象徴するものとなった。 NFTが現実社会を変えるインパクトを残した事例。
7)AssangeDao
国際的な内部告発サイト「WikiLeaks」創業者アサジンを解放するために立ち上がったDAO。
アフガニスタンやイラクでの戦争に関する機密ファイルの公開に起因したスパイ容疑で逮捕されたアサジン。 そのアサジンが収監された日数を示すデジタル時計をNFTにした。
このNFTは共同入札型のオークションで60億円を調達。
匿名の人々が国境を超えて結束し、暗号通貨にっよって国家に対抗しうる超国家的な権力を生み出したNFTとなった。
8)ジェフ・クーンズ
月に展示する彫刻をNFTにリンク。
現在詳細は不明だが、判明している内容もある。
・月面への着陸許可を得たアート作品は今回が初めて
・作品はそのまま月面へと残り永久展示
・彫刻は3箇所に置かれる
地球、月面、メタバース
NFTのに関しては「月に展示する彫刻とリンク」としか情報がない。
月にある彫刻の状況に応じて作品が変化するなど、地球にいながら月にある彫刻を感じれる作品を期待したい。
9)ランダム・インターナショナル
NFTの視覚的特徴は、持ち主のウォレットの中身に応じて変化する。(他のNFTコレクションを持っているか等)
また、1人の所有者が長く持ち続けるほど、そのNFTは希少で精巧なものに変化するようにプログラムされている。
この仕組みにより、所有者はアートワークの変化に参加することができ、NFTの長期保存を促すことができる。
投機目的のNFTにおける典型的な行動を覆すことを目指す取り組み。
番外編
ここからは私が現在取り組んでいるNFTプロジェクトを紹介させてください。
FAKE
NFTは「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」。しかし多くのNFTマーケットプレイスでは偽物のNFTが溢れかえっている。
果たしてこの偽物のNFTは何の鑑定書を付けているのだろうか?偽物ということを証明してくれているのだろうか?それとも本物に見せるための装飾品なのか。
現実のアート作品にも同じことが起こっている。約510億円で売却された、ダ・ヴィンチ最後の作品『サルバトール・ムンディ』の偽物疑惑。利益受益者による陰謀だったのか?他にも数多くの偽物が本物として出回っているとされるアート業界。
これは偽物でも鑑定書が存在すれば本物同様の価値が出るという証明ではないだろうか。
現在のアートの価値とは、利益受益者が証明書(鑑定書や権威者のお墨付き)を出しただけの幻想的価値ではないのか。
今回の『FAKE』は偽物の作品に証明書をつけ、幻想的価値をつけようとする試みである。
選定されている作品『Leonardo』『Balloon』『Cross』『AI』は、全て偽物疑惑、既製品の模倣、人が制作していないなど、『FAKE』にまつわる題材をAIによって画像生成した。
最後に…
今後も『現代アート』『NFT』『テクノロジー』そして『私のNFTプロジェクト状況』についてつぶやきますのでTwitter( @nakadamasaki )のフォローぜひお願いします!
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