OKRの教科書が教えてくれないこと

OKR!

いまのスタートアップを中心に広まっているもの、それはOKR。
メルカリはじめ”OKR”と言う名の手法を導入しているスタートアップは少なくありません。

元々はアメリカ発の仕組みで、スタートアップに親和性のある仕組みですね。本もUSの翻訳版から、日本での解説本も何冊も出ています。

OKRの代表的な特徴は
・野心的な目標(とその裏付けとして評価に使わないこと)
・優先順位付け
・アライアンス(会社目標との連携・整合性)
・短期での振り返り
・・・
などでしょうか。

特にスタートアップで重要なポイントは野心的な目標でしょうか。60-70%くらいの達成度でちょうどよいというくらい高い目標を掲げ、そこにフォーカスする・・
これはその通り効果的と思います。

ですが、

教科書が教えてくれないこと

この教科書の通り導入しようとすると、どうするか考えないといけない大きなポイントが1つ。OKRは野心的でわくわくする目標に挑戦するために、達成度を評価に使わない、がセオリーです。
評価に使わない、ということは、給与の決定にも使いません。

従来の目標管理などでは使っていましたよね。目標を達成したらB評価で、昇給が3%で、とかボーナスが2ヶ月分出て・・・など。

OKRを導入すること自体はOK。さて導入しましょう、教科書通り評価に使いません・・・じゃあどうやって評価決めるの?給料はどうなんの??

教科書はここ、ほとんど教えてくれません。アメリカ型では、現場のマネジャーが決めればいいじゃんみたいなシンプルなことしか言ってくれません。これはおそらくアメリカの企業では元々現場の人事権限が強くて、給与決定に影響力があったものの延長線上なのでしょう。

一方日本では現場のマネジャーは、評価を「A」とか「C」とか付けるだけで部下の給与を直接決めることは少ないでしょう。いきなりメンバーの給料をいくらにするか決めるのはなかなかに難しい。

じゃあどうすんの?

ということでざっくり2方向があります。
(聞く限りなんですがどっちパターンの会社もありますね。どっちが主流ってこともなさそう)
1.評価と給与のためになんか別の制度を使う
2.OKRの結果を評価に使う

1のパターンはOKRのメリットを活かせますが。一方で評価は評価で別にやるので二度手間!煩雑です。結構というか超というか面倒です。
2は従来の目標管理制度っぽい運用になるので、メリットもデメリットも目標管理に近づきます。制度は一本で分かりやすいし運用しやすいのですが、当然保守的な目標を立てがちになります。

ここにどちらの方が良い、というものはなく、会社の状況によってどちらの選択肢でも取りうるでしょう。同じ会社でもフェーズによってベターな手段が変わってくるとも思います。
完全なイメージでは1の方が小さい会社で使いやすく、規模が大きいと2の方がやりやすい気がします。人事的には2の方がやりやすいですけど・・

OKRは誰でも同じように使える”パッケージ商品”ではなく、自分の会社にあった形を考えて使う手法、といえそうです。自分でも常に考えて使っていきたと思います。

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