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衛生管理者第二種試験 〜勉強よりもハードルは複雑な手続き、これぞ国家試験〜

衛生管理者とは会社が50人を超えたら必須で資格取得者を社内に置かないといけないという、多くの会社で必須の資格です。その割に衛生分野のせいか、まあ地味というかなんというか・・それで飯が食えますかというと食えないし、会社での優遇の程度もあまりない。むしろ必要だからと会社に受けさせられるケースが多いのでは?というもの。

試験の方は試験の方で馴染みの薄い衛生分野の法令や知識がでてきて、まああまり興味を惹かないだろうなあと感じてしまう試験です。

かくいう私、試験勉強は決して苦手ではない方で人事系キャリアでもあるので常に視野には入りつつ早10年・・という相当放置した上でのようやくの受験。

ただこの試験、躓いたのは勉強そのものよりもその手続き。試験会場の遠さは知ってはいたのだが、それ以外にも・・・何ならこの試験の大変さの半分は手続きです

1.手続きと受験会場

①申込み資料を申込み

申込み、国家資格なので当然紙での申込み。では申込書はどうやって入手するの・・?
申込書を送ってもらう申込みが必要です。
(直接おいてある場所に行けばもらえる模様。ただ都内に1箇所とかそういうレベルだった)

返信用封筒を入れて郵送します。切手を買いに行くのと郵送しにいくので郵便局へ2回。
それからWebsite、安全衛生関連の各種国家資格の案内がまとめて載っているためか見づらい・・
https://www.exam.or.jp/exmn/H_shikaku502.htm

②試験申込み

申込書が届いたら記入して、添付資料などと併せて提出します。
ただ添付資料が重い・・そして分かりづらいです。
学歴や実務経験などで細かく受験資格が決まっており、四年制大卒だと実務経験が1年必要でした。
そして各々に証明書が必要です。

学歴→卒業証明書(!)。卒業証書ではなく卒業証明書です。学校に頼んで発行してもらうやつ。たまたま以前取得したものが余っていたので使えたので良かった・・・これは結構めんどくさいことになるかもしれません。なお卒業証書のコピーでもOKなのですが、なんとコピーの裏に、会社から「嘘じゃない」的な証明を書いてもらう必要があり。なんだそれ。
実務経験→指定の様式に、1年(学歴によります)の実務証明を会社に書いてもらう必要があります。冷静に考えると衛生関連の実務1年って簡単ではないのでは?人事でも色々領域がありますし。
特に私は転職してたので以前働いていた会社に事情を話して発行してもらわないといけませんでした。こちらも人によっては手続きに時間がかかります。
受験料の払込→受験料は2023年6月から8800円に値上がりしました。私は値上がり直前の6800円時代に受けましたが、まあまあ高いです。当然ネット決済などはできないので郵便局で支払い。
受験料支払いで郵便局3回目、申込書発送で郵便局4回目。

なお試験の日数は平日ですが月何回かあるので頻度は多いです。
日程は希望を出せますが、直近のものだと満席になってるケースがあるので多少余裕持って申し込んだ方がよいです。私は受験の1ヶ月前頃に申し込みました。

③受験

勉強は一旦おいておいて、試験だけ。
試験会場は千葉県市原市。内房線の五井駅という初耳な駅から専用のバス(!)で20分。行きも帰りもすし詰めのバス。電車も含めると都内から片道2時間の小旅行でした。
ちなみに試験会場周辺にはコンビニすらありません。
ランチを食べる場所がないので、事前に済ませるか駅近くで買っていくかしてください。
※ちなみに出張試験というものがあって、年1回だけ都内で受験することができます。タイミングが合う方はこちらで!

この往復4時間と、試験時間3時間のために有給を使いました。7時間じゃん、と。
ただし試験は1時間で回答し終わったので結果的には5-6時間程度ですみました。
合格点をちゃんと取れる程度に勉強してる方はだいたい1時間程度で済むような印象です。試験開始後1時間立つと退席できるのですが、3−4割くらいが出ていっていました。

受験の際には留意点が1つ。
会場に免許申請の書類が置いてあるので忘れずに持って帰ってくること。
落ちるかも、と思う方は再受験の申込書があるのでそちらも持ち帰ってきてください。
試験に集中しすぎていると忘れるかもしれませんのでお気をつけて!

④免許申請

1週間ほどでWebsite上で合格発表がありますが、その後ハガキで結果が届きます。
不合格の場合だけ点数がわかるようです。
合格の場合も点数教えて欲しかったんですけどね、、

そしてここで終わらず、ここから改めて免許申請をしないと免許をもらうことはできません(まだこの時点では衛生管理者ではない)
受験の際に持ち帰ってきた書類に記入して送るのですが、こちらは収入印紙が必要です。
収入印紙の購入で郵便局5回目、書類準備して送る際(簡易書留)に郵便局でトータル6回。
長かった・・・
これで免許が送られてくるのを待つだけ。(今ココ!)
長かったプロセスもようやく終わるはずです。
→免許申請から約2週間で免許が届きました。ようやく終了!
最初の書類申請から免許受け取りまで約3ヶ月でした。

2.試験勉強

難易度のレベルは「勉強しないと受からないが、社労士みたいな他の人事系資格に比べる大幅に楽」程度です。
事実、合格率は約50%。https://www.exam.or.jp/exmn/H_gokakuritsu.htm
半分くらいの人が受かります。

ただこれ、最初に問題を見ると難しいからびっくりするんですよね、、
全然わからない、やべー受かるかな・・と思ったものです。
でも大丈夫。最初の印象よりも点数は取れます。

私は以前衛生管理者第二種のテキストを読んだことがあったので今回は問題を解く方がいいかなと思い、簡単なテキストがついた一問一答式の問題集からはじめました。結果的にやりやすかったと思います。
※使った問題集「第2種衛生管理者 一問一答 パーフェクト900問」

この際、間違えることが多いのですが全然気にしなくて大丈夫です。深く考えずに問題をやり続けて覚えていきましょう。似たような問題が多いのでだんだん覚えていくはずです。

それをやり切ったら過去問です。過去問は必須です。何はなくとも過去問はやってください。
なぜなら、というか私は試験1週間前に過去問集をやるまで知らなかったのですが、過去問から選択肢をちょっとだけ変えての出題が多いんですね。。知らなかった・・・・
社労士みたいな試験とは違うんですね。よく考えたら月に何回もやり続けてるからそんなに頻繁に問題がまるごと変わったりできないんでしょうね。。

ただ傾向は変わっていくので過去問はなるべく最新のものを買ってください。法改正もあるので古い問題はだんだん意味がなくなってしまうのです。過去問を4,5年分やると大体の問題が分かるようになります。理解してるというより単に問題と答えを覚えていくのですが、それで大丈夫です。
※過去問題集は何種類も出ていますが回答に解説がついていればどれでも良さそうです

まとめると、こんな感じです。
☓:時間をかけてテキスト読み込み→覚えてから問題・・
○:過去問とその解説!テキストは参考資料

使った書籍
・「この1冊で合格! 村中一英の第2種衛生管理者 テキスト&問題集」参考書籍程度です
・「第2種衛生管理者 一問一答 パーフェクト900問」これをメインでやっていました
・「詳解 第2種衛生管理者過去6回問題集 '23年版」直前は過去問必須です。最新の過去問をやってください

過去問は90%以上正答できるようになっていたので試験に落ち着いて向かうことができました。
ちなみにテキストもあったほうが良いとは思います。ちょっと古い本でしたが1冊持っていたので試験日にパラパラめくって問題になっていない情報も見ていたのですが、たまたまそこから出た問題があったので無駄ではなかったです。

3.トータルの必要時間とコスト

時間に関してはトータル50時間くらいかかりました。
ただし、勉強は40時間ほど、書類作成など手続きで10時間くらいなイメージです。手続き2割・・

勉強はネットで60時間くらいという情報がありましたが、それくらいやれば合格点に行けそうです。
ただうまくやればもっと少なくても合格はできそうです。

金額は1.5-2万円弱といったところです。
・受験料や免許申請の費用、切手などが約1万円。
・交通費が2500円ほど
・テキストが3冊で4000円ほどでした。

50時間と約2万円、それに1日の有給を使って得た免許、有効期限は無期限とのこと。
そう考えると安いもの??
皆さんも受けようかな・・・と思ったら是非手続きと試験会場のハードルを乗り越えて取ってみてはいかがでしょうか?


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