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大豆畑の自警団@マウア(ブラジル)

大豆の植え付けの時期になると、農家は除草剤を沢山買って用意しますが、そのモンサント社の高価な除草剤「ラウンドアップ」を狙った強盗団が頻繁に来るようになりました。
今は「ラウンドアップ」の特許が切れて、「グリフォザート」という安いジェネリック除草剤になっています。

強盗団はまず農場主の家に押し入って金や銃器、腕時計やカメラ、ついでにトラクターも奪っていくので、日本人会が当番で夜回りをすることになりました。

「怪しい者は撃っていい」という警察署長の許しをもらった家長たちは、ピストルやライフル銃を車に積んで夜間のパトロールを始めました。
大きな農家は、住宅地の周囲をフェンスで囲んで、監視カメラやアラームを設置し、中にドーベルマン犬を放しました。

日本人が警戒して夜回りをしている、という話が広がるとプロの強盗団は来なくなりましたが、代わりに近くの町の不良がピストルを持って来るようになりました。

そのころ(2000年頃)はもう日本人の所有する農地がマウア郡の耕作地の7、8割を占めるようになり、隣接している郡の農地まで買い占めるようになっていました。
マウアはパラナ州の南北をつなぐ幹線道路沿いにありましたが、道路の40Kmぐらいの両側は12家族ほどの日本人の所有でした。
結局その12軒にはみな強盗にやられ、私も蜂蜜を売るために道路沿いに住んでいたので、米国の同時テロのあった年に、三人組のピストル強盗に押し入られました。

インドネシアの華僑や南アフリカのオランダ人農場が、現地人から焼き討ちされた事件がありましたが、北ブラジルの大農場でもたまに起きるので、マウアでもそんな事が起きないよう、心配する長老もいて、なるべく派手な生活をしないように注意しています。

※拙宅に来たのは三人組で、二人が隣町の不良で、一人がマウアにいる手引き役でした。9.11のテロがあった2001年、私が59歳の時でした。

【今日の名言】
為さざるは勇無きなり。為して成らざるは、智無く信無きなり。
 幸田露伴

★編集協力★
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