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ZOOMのガヤはどうすれば?Vol.3 ZOOM上の新しいガヤ2.0とは?

全3回のシリーズでZOOM上でのガヤについて考えています。

第一回は、「アメトーーーク!」のガヤ芸人から、ガヤとは何か考えました。

第二回では、ガヤを因数分解し、何が原因でZOOM上でのガヤが難しくなるのか考察をしました。

さて、第3回では、次世代型のガヤ。「ガヤ2.0」について考えていきたいと思います。

年長者向けの次世代型のガヤを考える上で大切な要素「テレビ感」

前回、ガヤには「自然さ」が本質の真正ガヤと「不自然さ」が本質の仮性ガヤがあるとお伝えしました。仮性ガヤは真正ガヤに対して従属的な関係にあるので、真正ガヤを増やすことが先決です。そこで、「自然さ」が本質の真正ガヤの新しい形を提案します。ただ、これから提案する2つのガヤには、一つの哲学が貫かれていることを先にお伝えします。それは、「テレビ感」です。
スクリーン上の「自然」とは何か。自然"感"は、「多数」で「有用」な状態だと感じられるものだと考えて、スクリーン上で「多数」観測し、「有用」と感じられたものを想像してみます。それは、携帯で取った動画でもなく、You-tubeで流れている動画でもなく「テレビ」です。たしかに、10代~20代はテレビの視聴時間は短くなっているので、他のところから自然感を得ることができるかもしれませんが(後で紹介します)、年長者は間違いなく「テレビ感」は大切でしょう。
そこで、テレビ感を演出するためのガヤを2つ紹介します。

まとめガヤ

これは、テレビで言う「テロップ」です。テロップは、「ここ、みてほしい!」という所で流れたり、まとまっていない話を少しまとめたりする役割で現れます。これをZOOMでやるのです。実際のまとめガヤをみてみましょう。

20:04:53 開始 m : "マス"メディアから"パーソナル"メディア ←まとめガヤ
20:05:06 開始 T : 頑張らなくていい、助けてって言っていい。←まとめガヤ
20:05:09 開始 k : すごく良い話。問題を一つの方向に必ずしも向かわせなくていいと思う。
20:05:23 開始 Y : 寄り添ってくれるメディア。←まとめがや

これは、これからのメディアのあり方がテーマのイベントでのチャットなのですが、まとめガヤ職人がたくさんいました。キャッチーな言葉でまとめてくれて聴き応えを感じました。また、少し聞き逃しても「今、どんな話がされている」というのがなんとなくわかりました。この「少し聞き逃しても流れについていける」というのは有り難く、空気をただ壊してしまうようなコメントが少なくなるのです。

効果音ガヤ

これは、テレビでよく流れる効果音を自分で行うものです。結論から言うと、少しテクニックが必要となります、僕が実際にやったやり方をお伝えしますね。まず、手元に携帯を用意して、Simple Samplerというアプリをダウンロードします。そのアプリに自分の入れたい音をいれます。

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それができたら、ここが一番大切なのですが、携帯の音がでるところを「パソコンの音を入力するところに向ける」のです。ここができていないと、効果音が相手に届かなくなります。

さて、こうして、ためしに取ってみた動画がこちらになります。

いかがでしょうか?メリハリがついて、少しだけ魅力的にも見えるではないでしょうか?笑 

ただ、何回も取り直しました。
まず、BGMの音量調整が難しいです。音量は若干修正されるようなので、BGMの入りと終わりを大きくして、話している時は小さくなるように工夫をしています。
また、ボタンを何回か押し間違えました。慣れたら簡単ですが、慣れるまでが難しいですね。

ぼくは、使ってみてオススメしたいなと思いました。ただ、忍耐が必要です。最初が、面倒くさいですし、慣れるまでに時間がかかります。

若者向けの次世代型のガヤを考える上で大切な要素「ニコニコ動画感」

年長者がスクリーンをみた時に自然にイメージをするのは「テレビ」のみですが、若者はもう一つ自然にイメージできるものがあると思います。それは「You-Tuberの生放送」あるいは「ニコニコ動画」の、「コメント可能な動画メディア」です。他にもありますが、視聴者のコメントが雪崩のように流れるメディアに若者は親しみがあるのではないでしょうか?そこで、自然な形で「コメントが雪崩のように流れるくらいに増やす」施策を2つ考えました。

参加者同士での盛り上がりガヤ

実際にあった参加者同士の会話や連携をみてみましょう。こちらも、さっき上げたメディアについて取り上げたイベントで実際にあったコメントを編集して公開しています。

20:06:31 開始 雄 : 大きい主語という表現はわかりやすいですね
20:07:12 開始 た : 大きい主語をラベルとして張ることで、課題を特定化して、政策までつなげる
20:07:32 開始 吉 : 大きい主語はレッテルをはり、差別を生む。だけど、重点的にそこに注力するために大きい主語は必要 (←連携)
20:07:44 開始 T : 今日はチャット欄での会話が充実していて、いい意味で忙しいです。2倍楽しい
20:07:48 開始 ma : 議論が行われるための大きい主語か煽動を効果的にするための大きな主語か
20:09:22 開始 m : →Tさん。楽しいですね笑 (←対話)
・・・・
20:15:24 開始 T : t師匠、大変だと思います。ありがとうございます。(議事録取っている人への感謝
20:15:35 開始 Y : 「みんなやってる」とか「みんな言ってる」というのは子供の頃から使ってるかも、、みんな、、、という大きな主語
20:15:37 開始 た : メディアは、リアルかバーチャルか
20:15:38 開始 m : t師匠いつも大感謝です。(議事録取っている人への感謝
20:16:33 開始 雄: 「孤独とメディア」とはちょっとずれるかもしれませんが、SNSってその上でどういう位置付けになると思いますか?
20:16:55 開始 S : だからスマホに依存しちゃうのか
20:16:58 開始 m : ほしいときにいつでもつながれる」
20:17:20 開始 吉 : このイベントは孤独がいやされるかな?うーん。孤独がいやされるというか、単にたのしみになってる
20:17:21 開始 T  : 「みんな」ってついつい使っちゃいますよね>Yさん (←対話)
20:18:19 開始 吉 : 孤独をいやすのは一人では背負えないから、社会がある
20:18:30 開始 Y : 一人でいても何かに夢中になれてれば孤独を感じない気がします。孤独を忘れさせる何かがあれば。
20:18:47 開始 m : 吉さん→染み入りました。。。
20:18:53 開始 T  : それは互助会的な作用がありそうですね>mさん (←対話)

チャット内でのコミュんケーションだと、内輪感もないので、参加者同士の会話が行いやすくなります。また、会話が成立することで、チャット自体が楽しくなり、チャットの使用率が上がるのです。ぼくもかなりコメントしましたが、途中から特定の参加者同士での結託を感じました。例えば、「m」は僕なのですが、気がつけば「T」さんとツーカーの仲になったように感じました。

ぼやきガヤ

サラッと流せるような感想を連投しているスタイルのガヤです。微妙な数だと気になりますが、雪崩のようにコメントが押し寄せたら、別に気になることはありません。実際にみてみましょう。

17:28:26 開始 あ : bbbbb
17:28:38 開始 hi: いい写真
17:28:42 開始 東 : よき
17:28:45 開始 金 : おもしろかったです
17:28:49 開始 m : 支援延長たすかります
17:29:08 開始 齋 : 色かわいいです
17:29:12 開始 東 : 辺さんかわいい
17:29:14 開始 m : いろかわいい
17:29:18 開始 m : Hさんもかわいい
17:29:23 開始 m : ぽぽちゃんもかわいい
17:29:32 開始 東 : みんなかわいい
17:29:36 開始 ta : ぽぽちゃん(犬)は寝てます
17:29:44 開始 m : くぅん
17:29:50 開始 ta : ぴえん
17:29:53 開始 東 : ぽぽちゃんて名前かわいい

5秒に1コメントくらいの勢いで、犬と飼い主に対して「かわいい」のシャワーが降り注いでいます。これは、ただただ盛り上がっている感があって、模範的なチャットガヤですね。簡単なので、ガヤ入門者はここから入るとよいかと思います。

ZOOM上でのガヤに大切なことはリアルにある

3回のシリーズでガヤについて扱ってきましたが、いかがでしょうか?
ガヤについて考える中で、結局、大切なのは「イベントの当事者になる」でした。相手はカメラを通した世界しか見えないので、ぼくたちは気を緩めてしまいがちです。みなさんもZOOM上でのイベントに参加しながら内職をしたことがあるのではないでしょうか?見られている感じがしないので、都合がいい時だけ参加したくなってしまうのです。そういうスタンスでイベントに参加すれば、これまで紹介した技術は何にも役には立ちません。

だから、イベントの設計側は、参加者にイベントを一緒につくる当事者になってもらう様に設計を考えることが大切になります。その方法については、ぼくも今考えている途中なのですが、、、例えば、参加者に議事録をチャットに書いてもらってみたり、参加者の質問を拾い上げ、それを面白い話に発展させたり、そうした、参加者の「コミットメント感」をリアルよりも出していくことが大事なのだろうと、30以上のZOOMイベントに参加や企画の形で携わってきて思います。
また、参加者の側も、参加者が盛り上がらないと、登壇者のテンションは上がらず、話も面白くないものになっていきます。例えば、大学の授業に出たことがある人はよくわかると思いますが、学生が先生の話を聞かないから余計に先生の話が面白くなくなっていくような悪循環が起きていますよね。
それが、視聴者の態度が悪いと起きてしまうのです。「参加者」のほとんどが「視聴者」になってしまったら、オンラインのイベントは徐々に面白くないものになってしまいます。

スクリーン上でもお互いに誠実なコミュニケーションを取ろうとすることで、よりよいZOOM上での出会いが生まれるはずです。結局、道具を扱うのは私たち人間なのですから、ZOOMが私たちの生活に与える影響は、私たちが選ぶことができます。一緒によりよりオンライン生活をやっていきましょう!

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