【連続ツイートまとめ】昨日の続き #高知焚書

(この記事はtwitter @Sydecas.Inc での連続ツイートまとめです。一部誤字脱字を修正しています)

図書館には図書館ごとの独自の価値基準があるべきだし、資産価値と利用価値は違う、みたいなことを昨日のnoteに書いたが、この具体的な事例をあげる。

高砂染のことで関わっているのだが、姫路に「河合寸翁顕彰会」なる会がある。その名のとおり、姫路藩の伝説的家老・河合寸翁の功績を讃え、顕彰する会だ。

河合寸翁は、藩の莫大な借金を、倹約のみならず産業振興することで藩の財政を立て直した。高砂染も、明珍火箸も、竜山石も、姫路木綿も、すべて彼の足跡。

しかし、姫路が戦争で焼けたことにより、寸翁に関わるまとまった書籍は、2冊しか存在しなかった。当然、姫路市民の大部分も、彼のことを知らなかった。

顕彰会の皆さんは、彼の足跡を一つ一つあたり、何年もかけて、彼の功績MAPを作り上げた。そして、それは現在市内の小中学校の全生徒に配布されている。

配布されたMAPは、顕彰会の持ち出しで、0円。つまり、現在のところこのMAPに資産価値は全くない。だって0円で誰でも持っているもの。

しかし前述のとおり、河合寸翁の功績について、こんなにまとまったものは現在他にない。小中学校に関わりのない大人が読むにはどうしたらいい?

ここはもちろん、図書館の出番だろう。資産価値は0円かもしれないが、この資料の利用価値は大きい。こういうのものこそ、地元の図書館に入るべきだ。

「古本屋で何円で売れるか」でしか、資料の価値を測ることができない人はきっとこういうのだろう

「そんな0円の紙屑を図書館に置いておくべきではない」


まあそんなわけで、「古本屋で何円で売れるか」と、資料の利用価値は違う軸にあることを、僕は強調しておきたい。


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