【マーベル映画の歩き方・第四回】「マルチバース」

「アベンジャーズ / エンドゲーム」の感動を少しでもたくさんの人と分かち合いたい!!!という切なる動機からスタートした、「初心者のための『マーベル映画の歩き方』」。

今回は、「マルチバース」について。

さて、マルチバースとはなんぞや…
わからない言葉は辞書を引きましょう。

マルチバースとは…
ユニバース(宇宙)のユニ(単一)をマルチ(多重、多数)に置き換えた造語。宇宙は我々が存在する宇宙だけでなく、別に、または無数に存在するかもしれないという仮説に基づく。
(デジタル大辞林より)

ドラゴンボール超観ていた大きなお友達には大変わかりやすい説明ですね。
(私は第三宇宙推しです)
あと、ラッキーマンとか。

ただマーベル映画におけるマルチバースは、「外宇宙」のような空間的な広がりというより、パラレルワールドの連なりを想像してもらうとよいかもしれません。

つまり、スパイディ(スパイダーマン)は、私たちの宇宙(ユニバース)には一人しかいませんが、「あちら側の宇宙にはあちら側のスパイディが」、「そちら側の宇宙にはそちら側のスパイディが」いる状態。

これを一つの作品内でうまく表したのが、昨年の大ヒット作「スパイダーマン:スパイダーバース」ですね。

このトレイラーのタイトル通り「スパイダーマンは一人じゃない」。この作品の中では、様々な世界のスパイダーマンが集まってきます。

私たちがよく知っている「ピーター・パーカー」のほか、ピーターが死んだ世界のスパイディである主人公マイルス・モラレスや、スパイダー・グウェン(グウェンはアンドリュー版スパイダーマンでのヒロインでしたね!)、「豚に咬まれた蜘蛛(みんなと逆!)」であるスパイダーハムことピーター・ポーカー、日本のアニメキャラのようなペニー・パーカー、スパイダーマン・ノワールこと白黒の世界から来たピーター・パーカーなど。

この映画では、キャラクターの描き方を変えることで「違う世界から来た」ことを表現していましたが、まさにこれがマーベルにおけるマルチバース。

つまり、
・コミックスのリブート(再始動。設定をリセットして新しい話をスタートする)
・コミックスと、そのアニメや実写
によって、実は「宇宙」は増えていっています。

ややこしいのですが、マーベルの世界では、この「ひとつの世界」を「Earth」と呼称します。

例えば、コミックスのマーベル正史はEarth-616。
これをリセットした21世紀版である「アルティメット・ユニバース」はEarth-1610。
そして、このマガジンのメインテーマであるMCUことマーベル・シネマティック・ユニバースはEarth-199999など。

ちなみに、前回紹介したとおり、実写映画版スパイダーマンは2度のリブートをされているわけですが、

最初の「サム・ライミ版」スパイダーマンシリーズはEarth-96283, 「アメイジング・スパイダーマン」シリーズはEarth-120703。そしてもちろんトム・ホランドのスパイダーマンは(今のところ)MCUなのでEarth-199999なわけです。


これ、独特でおもしろいですよね。
「原作」と「アニメ版」「実写版」ではなく、それぞれが並行して別の宇宙を作っている、という状態。

そう言えば、名探偵コナンやサザエさんのような長寿シリーズでは、キャラクターたちが同じ年齢で何回もクリスマスやお正月を「リブート」して経験しているわけですが、その辺をゆるく流してしまうのが、日本らしいのかもしれません。

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