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【感想】テレ東ドラマ『RoOT/ルート』第1話

2021年の春に多くの人を虜にしたアニメ『オッドタクシー』

ユルい動物アニメかと思いきや意外な方向にストーリーが転がっていく秀作でした。

その『オッドタクシー』で描かれた物語を別の視点から語るスピンオフ漫画が『RoOT/ルート オブ オッドタクシー』

本作はその実写ドラマ化。
つまり大前提として「オッドタクシーの実写化」ではない。
『オッドタクシー』の実写化はそりゃ動物キャラクターたちをどう描写すんのよとかハードルが高いが、『RoOT/ルート オブ オッドタクシー』は元から人間が主人公なので(好き嫌いは別として)よくある漫画原作の実写化と同じ試みである。

個人的には『オッドタクシー』がどういうストーリーなのかは全貌を把握してから観た方が楽しめると思うが(そもそもが「あの事件を別視点から語り直す」という趣向の原作なので)主演の河合優実のインタビューによると再構築にはかなり力を注いでいるらしい。
原作未読・未見の人でも楽しめるようにという心意気なのかな。
ドラマ版はタイトルから「オッドタクシー」の冠を外しているし。

アニメ放送当時の考察を読み返すアプローチは面白いw

それにしても映画好きの間では数年前から有名だったところ『不適切にもほどがある!』で遂にドラマ好きにも見つかった感があるなー

先日放送されてたゲームクリエイターの小島秀夫監督とのラジオも面白かった。

閑話休題
第1話は原作のストーリーをテンポよく圧縮した感じで再構築されている。
特に序盤を

  • 佐藤(坂東龍汰)がドブ(三浦誠己)に襲われるのが翌朝ではなくて冒頭の浮気調査の直後

  • その流れでタエ子(吉本菜穂子)の店に偶然入る(原作ではタエ子が事務所に依頼をしに訪ねてくる)

と改変することで小戸川(篠原篤)の身辺調査という本題に入るまでサクサク進む。
この辺りは30分ドラマの掴みとして良い。

そこからの小戸川の身辺調査のシークエンスは編集の巧さで魅せる。
原作漫画のこのコマ割りを実写映像表現に落とし込んだようなテンポ感。

©️Shogakukan Inc.

原作では早々に遠隔監視用の改造ドラレコが登場するが、その登場を少し遅らせて小戸川と大門兄(富川一人)のやり取りを聴く場面はサスペンスフルに脚色。
玲奈(河合優実)と佐藤のバディの躍動感による映像的な面白さを追求している。
一方で「警察には行くな」の台詞は原作よりも早めの出番に。

本作の監督・脚本はMV畑で活躍してきた土屋貴史。
映画やドラマの演出経験はそこまで豊富ではなかったと思うが、映像のルックが良い!

始まっていきなり驚いたのが画角。
テレビ画面の上下一杯まで映像が広がらず、アスペクト比が普通の作品より横長。
テレビドラマではなく映画のそれ。
質感もシネマライクに仕上がっており、不穏でダークな空気感の物語にぴったり。
とにかくルックがめちゃくちゃ良いんですよね。
映像作品を観る快楽。
悪い意味でテレビドラマ的な、つるん or のっぺりとした映像とは一線を画している。

男女バディものということもあってオープニングシークエンスは大根仁監督の『SCOOP!』の序盤を彷彿。
「週刊誌の記者」って台詞もあったしw

福山雅治×二階堂ふみに負けず劣らず河合優実と坂東龍汰のバディも良かった。
どうやら素の関係性が役にも反映されているっぽい。

しかし撮影が全て終わった後に自分がダブル主演の1人だと知ったとか坂東龍汰は大物なのかヤバい人なのかw
そしてアキヒロはいいヤツw

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