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障害児通所事業所の「支援の質」をどのように評価するか(1) 自己評価編

児発・放デイなどの障害児通所事業所は増加傾向が続いています

一方でこのような事業所の増加は福祉予算を圧迫し始めており、厚労省ではガイドラインを策定することで質的向上を促そうとしています。

児童発達支援のガイドライン
放課後児童デイサービスのガイドライン

平成31年度より、各事業所はこのガイドラインをもとに「自己評価」を実施し、それをホームページで公開することが義務付けられ、していなければ報酬を減算されることになりました。

放課後等デイサービス及び児童発達支援事業所における自己評価結果等未公表減算

この制度によりほとんどの事業所は形式的には評価を公開するようになりました。しかし、あくまでこれは事業所としての「自己評価」であり、客観性や具体性は高いとは言えないのが現状です。

例えば事業者向け自己評価表では「適切な支援の提供」のカテゴリーには「活動プログラムの立案をチームで行っているか 」などの項目がありますが、口頭でしているところも、文書で残しているところも同じ「はい」になりますし、頻度も不明です。またすべての事例でこれを行っていることを示すわけではありません。

事業所の質の評価がここまで進んだことは評価に値します。しかし、事業所の評価がこのような「自己評価」レベルに留まっていてよいわけではありません。「書いてるだけ」であればいかようにもできるからです。

例えば、次の段階としては「行っている」ことに対して「根拠資料の提出」が義務付けられるとよいと思います。

大学では文部科学省から評価を受けてる際にこのような根拠資料の提出は必須となっています。単純に文科省から受けている大学の評価と一緒にはできないのですが、ホームページで根拠資料の書式などを公開することは可能なのではと思います。

また各事業所が公開しているものの中で、客観的な評価に近いものとして「保護者等向け放課後等デイサービス評価表」は、よいシステムかと思います。

ホームページに公開したとしても、閲覧されなければ意味はありませんし、それが新たな利用者の事業者選択の基準にならなければ、各事業者が質を高める自助努力は生じにくくなります。

また利用者の「サービスの質」に対する意識を高めることも重要かもしれません。

各事業所はこれらの自己評価から得られた課題を利用者とともに改善していくシステムをぜひ作っていただきたいと思います。




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