日本で無名の僕が海外クラブの契約を勝ちとった戦略公開
こんにちは。つい先日、オーストラリア3部(NPL2)のクラブと契約することができたMasaです。
今回は
・海外でのトライアウトでどういうプレーをしたら評価されやすいのかを知りたい。
・海外でトライアウトを受けて、海外のサッカークラブに所属したい。
・海外でトライアウトを受ける時の注意点、気をつけるべきことを知りたい。
このような人向けに「無名の日本人サッカー選手が海外のクラブで契約を勝ちとったトライアウトでの戦略5つ」を解説していきたいと思います。
海外サッカークラブのトライアウトだけではなく国内のサッカーチームのセレクションなどでも使える内容となっているので、そういう方も是非お読みください。
***前編の「海外サッカークラブにエージェント無しで練習参加する戦略まとめ5つ」もご覧ください。
(僕が実際にエージェントを通さず、知り合いもコネも全く無いなかでどうやってオーストラリア3部のチームの練習に参加できたかを解説しています。)
無名の日本人サッカー選手が海外のサッカークラブで契約を勝ちとった戦略5つ
日本では全くの無名だった僕が、トライアウトで気をつけたことは以下の5つです。
・プレーするポジションを賢く選ぶ。
・日本とは違う環境に素早く適応する。
・ジェスチャーをする。
・成功確率が低くてもなるべく印象に残るプレーを選択する。
・監督の求めるプレー>自分のプレー。
では、これから実際に詳しく解説していきたいと思います。
■プレーするポジションを賢く選ぶ
プレーするポジションを選びましょう。(と言われても...と思わずに最後まで是非お読みください笑)
たった一回の、たった1時間か2時間程度の練習で監督から気に入られるためには、プレーするポジションを賢く選ぶ必要があります。
先に結論を言うと、評価されやすいポジションは以下の3つです。
・トップ
・ウイング
・トップ下
これらのポジションができる人はこれらのポジションをやりましょう。
(そのポジションをやりたくないとしても、契約を勝ち取るまでの我慢だと思ってやりましょう。契約した後に交渉すればどうにでもなると思うので笑)
・枠の少ないVISAプレーヤー(外国人選手)に求められるのは勝利(ゴール)に直結するプレー
・得点能力やDFを剥がせるドリブルスキルなどの、圧倒的な個の能力。
などが求められるので、やはり前線の個の能力が高い選手が評価されやすい傾向にあります。
しかし、これらのポジションができない選手でも大丈夫です。
(実際僕もサイドバックが本職なのですが、センターバックをやれと監督に言われてセンターバックで契約を勝ち取ることができました。)
しかし、それらのポジションでプレーする選手は、ただ淡々とプレーしているだけでは見せ場もなくあっという間に練習が終わり「もう来なくていいよ」と言われる可能性が高いということを十分に意識するべきです。
下で詳しく書きますが、「印象に残る」ために何をすべきかを事前に深く考え、それを実行しましょう。
■「印象に残るプレー」を選択する
トライアウトにおいて、一番重要なのは言わずもがな監督やコーチの「印象に残る」ということです。
「印象に残る」ことができればまた次の練習に呼ばれることができますし、それを繰り返すうちに契約を勝ち取ることができます。
では「印象に残る」プレーとは実際はどんなプレーでしょうか?僕は「印象に残る」プレーは2種類あると思います。
・圧倒的に&強烈に「印象に残る」プレー
・継続してやっとなんとなく「印象に残る」プレー
圧倒的に&強烈に&一回で「印象に残る」プレーは、例えばこんな感じです。(監督の頭の中に強烈な驚きを与えるイメージ)
・ゴール
・スーパーなアシスト
・ドリブルで相手をぶち抜く
・スーパーセーブ
・決定機の阻止
・圧倒的な高さのヘディング
・圧倒的な速さのドリブル
・圧倒的な力で相手を弾き飛ばす
一方、複数回継続してやっとなんとなく「印象に残る」プレーの例はこんな感じです。(監督の頭の中に繰り返し刷り込んでいくイメージ)
・ヘディングで毎回競り勝ち続ける
・良いクロスを上げ続ける
・しっかり当たったシュートを枠に飛ばし続ける
・落ち着いて周りを見てプレーして絶対にボールを失わない
・少し難易度の高いロングボールや縦パスを通し続ける
・ボランチで相手の攻撃の芽を潰し続ける
・正しいポジションを取り続ける
・声を出し続ける
圧倒的に&強烈に&一回で「印象に残る」プレーができる人は、たとえその成功確率が低いとしてもそのプレーを狙っていきましょう。そのプレーに成功すれば一発で「こいつ欲しいな」と思わせることができるからです。
一方、継続してやっとなんとなく「印象に残る」プレーが得意な人は、そのプレーを一回の練習の中でミスなく複数回繰り返せるようにしましょう。
僕は後者のタイプだったので、トライアウトの時には以下のようにプレーしました。
(ちなみに僕のポジションはサイドバックかセンバで、トライアウトではセンターバックをやりました。プレースタイルはフィジカル的に優れてはいませんが、危機察知や冷静な状況判断を両足使ってできる技巧派タイプ(笑)です。)
ポゼッションの練習
・ミスをせずに冷静に周りを見てプレーできることをアピールするため簡単にボールをはたいてボールロストしないようにプレー。
・少し難易度が高い長距離パスや間へのくさびのパスも機会があれば狙い、複数回成功。
試合形式の練習
・少し難易度の高いがチャンスに繋がるロングパスを高確率で複数回成功させる。
・カバーリングで複数回相手の攻撃の芽を摘むプレー
・サッカー英語その時はまだよく分からなかったけどとりあえず知っている単語と他のチームメイトが使っている英語を使って喋りまくる。ジェスチャーも然り。
・ディフェンスラインでのポゼッションにおいて絶対にボールロストしない。
・一対一の守備も、リスクを侵してまでは取りにいかないが抜かれもしないしシュートブロックもしっかり入る。
・試合の間の休憩時間にはチームメイトとつたない英語ながら会話して、監督にコミュニケーションが取れることをアピール。
僕のチームメイトの日本人選手やトライアウトで出会って他のチームと契約した日本人の選手は、ウイングのポジションでドリブルとシュートがめちゃくちゃ上手いので、前者の圧倒的に&強烈に&一回で「印象に残る」プレーを選択していました。
ドリブルやシュートは何回かは失敗していましたが、それでもやはり果敢にトライし続けて成功もしていたので契約を勝ち取れたんだと思います。
■日本とは違う環境に素早く適応する
僕は、海外で初めてプレーした時にその「環境」に衝撃を受けました。
その衝撃を受けた「環境」は色々ありますが、主なものは9以下の4つです。
・ボールの軽さ
・グラウンドのデコボコ具合
・トレーニングメニューの日本との違い
・日本で勉強する英語&日常会話では全く使われない英語
第一に、ボールの軽さです。
これはオーストラリアだけ、僕の受けたクラブだけかもしれませんが、今まで経験した事がないほどボールが軽くて、本当に少し蹴っただけでもよく飛んでいきました。
すぐに慣れる事ができなかった僕は、試合でロングボールを蹴った時に大きく見方を超えてラインを割ってしまい、ミスにつながりました。
練習前にできるだけ早くピッチに出てボールを触り、短いパスからロングパス、シュートまで一通り試してみるべきだと思います。
第二に、グラウンドです。
ほとんどの海外の練習環境は幸か不幸か「天然芝」です。
状態が良ければ全く問題なくむしろ素晴らしい環境のですが、そんなことは稀で状態が悪いことの方が多いです。
これも早めに練習前にピッチに出てボールを触り、できるだけグラウンドの状態を確認しておくべきだと思います。
体感上、海外は日本よりプレッシャーにくるスピードが速く迫力もあるので、グラウンドに慣れきれずファーストタッチをずらしてしまうと致命傷になる可能性が高い、ということも付け加えておきます。
第三に、トレーニングメニューです。
トレーニングメニューはもちろん日本と全然違います。
僕の経験では、
・コート一周ランニング
👇
・ストレッチ or アジリティ5分くらい
👇
・ポゼッション10分くらい
👇
・試合
みたいな感じで、練習とはいえほぼ試合形式のトレーニングを行います。(シーズン中はどうなるか分かりませんが、少なくともトライアウトはこのような形で行われると思います。)
なので日本の練習に慣れてしまっている人は、十分なストレッチやウォームアップをチーム全体で取る時間が限られているので事前に自分で済ましておきましょう!
第四に、英語(言語)です。
僕は大学である程度英語を勉強して日常会話程度なら不自由なくこなせるレベルだったので、正直なところ英語に関してはなんとなくいけるだろうという自信がありました。
しかし、本当に全くもってダメでした。理由は3つあります。
・外国人の若いサッカー選手が若者同士で話す英語は、えげつなく早くて訛っててなかなか聞き取れない
・「サッカー英語」と「日常会話の英語」や「日本で習う英語」は全くの別物である
・試合や練習中は聞き返したり質問する時間が無いので、英語を聞き取れないor英語で伝えられない瞬間にもはやコミュニケーションが成立しない
この点は現地に行ってもちろん慣れることも重要ですが、日本でも十分に勉強して対策できます。
*詳しくは「海外のサッカー選手が本当に使っているサッカー英語120選」をご覧ください!
■ジェスチャーする
日本人は、圧倒的に感情を表に出さない民族です。
海外においてそれは時に美徳としても扱われますが、サッカーにおいてはほぼ無いでしょう。(審判や相手への暴言など過激なものを除いて)
むしろ、その様子を初めて見るであろうチームメイトや監督からは「あいつは何を考えているんだ?」という怪奇の目で見られることが多いと思います。
なので、言葉が分からなくても声を出してとりあえず声を出したり、ジェスチャーしましょう(笑)
また、そもそも論としてサッカー中にサッカー選手は喋ったりジェスチャーをしてコミュニケーションを取ったり自分やチームメイトを鼓舞するべきです。
外国人ながらも必死に喋ってジェスチャーをしてなんとかコミュニケーションを取ったりチームを鼓舞しようとしている選手と、何も喋らず淡々とプレーしている選手では、圧倒的に前者の方が評価されやすいのは言うまでもないことだと思います。
なので、とりあえず声を出して、ジェスチャーしましょう(笑)
上で少し「サッカー英語」について述べましたが、英語に限らず現地の言葉を日本にいる間や短いトライアウト期間で100%習得するのは不可能です。
なので、「海外のサッカー選手が本当に使っているサッカー英語120選」に書いてある言葉をとりあえず覚えて、試合中に喋りまくりましょう。(英語圏以外でも多分通じると思います)
ここで重要なのは「伝わっているかどうか」ではなく「物理的に声を出して喋っているかどうか」「物理的にジェスチャーでコミュニケーションをとったり感情を露わにしているか」です。
言葉やジェスチャーが伝わっていなくとも、伝えようとしていることが監督に伝われば「こいつは将来的にコミュニケーションを取れるだろう」「こいつはチームに対してポジティブな影響を与えられるだろう」という予想を与えられるからです。
■監督やチームの求めるプレー>自分のプレー
これは意見が分かれるところですし、正直プレースタイルにもよるとは思います。
しかし、僕の意見は監督の求めるプレーを自分のプレーより優先させた方がいいと思います。
たった一回の練習で結果を残すためには、とにかく監督に気に入られることが大事だからです。
圧倒的なプレーができれば別だとは思いますが、ポゼッション主体のチームにめちゃくちゃロングボール蹴る選手はあまり必要ないでしょうし、ハードワークを好む監督は守備しなかったり切り替えが遅い選手は使わないと思います。
なので、できれば事前に監督やコーチと話したりメールで連絡をとって
・どこのポジションの選手が欲しいのか
・そのポジションにどのような選手が欲しいのか
・どのようなプレースタイルのチームなのか
というような情報を仕入れておくべきです。
これはやはり言語ができなければなかなか難しいことではあると思いますが、事前にGoogle翻訳などを使って質問などをすれば全ては実現可能です。
ちなみに僕は事前にメールでどこのポジションを探しているのかを聞きそのポジションでプレーしましたし、どんなプレースタイルでどんな選手が好みなのかを当日になんとなく聞いてみたり練習中の監督の表情やジェスチャーを伺いながら自分なりに予想してプレーしました。
*
これで、「無名の日本人サッカー選手が海外のクラブで契約を勝ちとった戦略5つ」は以上になります。
質問などありましたら、是非Twitterでもnoteのコメントでもブログでもいいので連絡をください!
***前編の「海外のサッカークラブにエージェント(代理人)無しで練習参加する戦略まとめ5つ」もぜひご覧ください!
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