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デジタルスワイプ社会は私たちの積み上げを少なくさせている。

スマホのスワイプ一つで世界中の情報にアクセスできる現代。しかし、その便利さの裏に潜む危険性とは? 日々の経験から紐解く「積み上げ」の重要性と、デジタル社会における知識の定着について考察します。果たして、私たちは真の意味で情報を「読んでいる」のでしょうか?

今日は、現代社会における「積み上げの少なさ」について、じっくりとお話ししていきたいと思います。この問題は、私たちの日常生活や学習プロセスに大きな影響を及ぼしているんです。でも、その前に少しだけお知らせをさせてください。

さて、本題に入りましょう。「積み上げが少ない状況」とは一体何なのでしょうか。ここでいう「積み上げ」とは、一つ一つの事柄や知識のことを指します。例えば、今私がお話ししていることも、10分間で一つのテーマについて話していますよね。これが「積み上げ」の一つのパーツになるわけです。


積み上げの本質:知識の階段を上る

積み上げというのは、そのパーツを一つずつ重ねていくプロセスのことです。一つの議論から次の段階に進み、そこでまた深く考える。そうやって、自分の思考や考えが螺旋階段のように上昇していく。時には相手の思考も含めて、どんどんブラッシュアップされたり改良されたりしていくんです。分断のない状態で、一つの話題が展開していく。そんなイメージを持っていただけると良いでしょう。

この「積み上げ」の概念は、大学のゼミや定期的な授業の内容に近いものがあります。多くの大学では、セメスター制を採用していて、半期で14回か15回ほどの授業を行います。その中で一つのテーマを深掘りしていくわけですが、第1回、第2回、第3回と進むにつれて、内容が構造的に深まっていくんです。これが「積み上げ」の典型的な例と言えるでしょう。

このような方法は、深い思考や試行錯誤につながっていきます。しかし、現代社会では「スワイプ社会」と呼ばれる状況が生まれています。スマートフォンで新しい話題を見る際、指を下から上にスッとスライドさせますよね。これが「スワイプ」です。デジタル世代のメディアは、このスワイプ操作を中心にUX(ユーザーエクスペリエンス)やUI(ユーザーインターフェース)をデザインしています。

デジタル時代の落とし穴:スワイプ文化の功罪

一見便利で、大量のデータを一度に閲覧できるこのスワイプ操作。しかし、ここに大きな危険が潜んでいるのではないでしょうか。紙の本を読むときのように、一つ一つのページをめくりながら内容を吟味する時間が失われているんです。

紙の本を読んでいると、前のページの内容が脳に「残像」として残りますよね。「あれ、さっき読んだことを忘れちゃった」と思ったときも、すぐに前のページに戻って確認することができます。しかし、デジタルコンテンツの場合、特に電子書籍などでは、前に戻るのが少し面倒くさく感じることがあります。

デジタルの画面上では物理的な質感がないため、どれだけ戻ったのかという感覚がつかみにくいんです。紙の本なら、「3ページ前に載っていたな」と思えば、手の感触で大体の位置を把握できます。でも、デジタルだとそれが難しい。結果として、一回きりで完結してしまうような読み方になりがちなんです。

情報の海で溺れないために:知識の定着を目指して

例えば、Yahooニュースなどのウェブ記事を見てみましょう。広告の部分も含めて、一度見ただけでだいたいの内容が把握できるような分量になっていることが多いですよね。大体150字から400字程度で、長くてもスワイプ1、2回で読み終わるぐらいの量です。

こういった構造が、「読んだ」という実感や、ある種の充足感を与えてしまいます。そして次のページを見たくなる...。このサイクルが繰り返されるわけです。しかし、このような読み方では、情報が脳に定着しにくいんです。

同じ文字情報を目で追っているはずなのに、紙の本を読むときとは明らかに違う感覚があります。情報の断片はたくさん得られるけれど、それらを整理して知恵に変えていく過程が欠けているように感じるんです。

半日もネットサーフィンしていると、最初の10分間に何を読んでいたのかさえ思い出せなくなることがあります。TwitterやInstagramなどのSNSでも同じことが言えます。情報を「見た」という事実はあっても、それが単なる反応でしかなく、本当の意味での「理解」や「定着」には至っていないんです。

そうなると、同じ時間を使っても得られる成果が少なく、疲れだけが残るという状況に陥ってしまいます。これは決して良い状態とは言えません。

デジタルと紙の共存:知識を「我がもの」にする方法

だからこそ、私は専門書や何度も読み返したい本については、紙の本を買うようにしています。ボロボロになるまで読み込みたい本は、やはり紙媒体が最適なんです。

一方で、今すぐ読みたい、あるいは一度は目を通しておきたいという本については、Amazonの電子書籍を利用することもあります。Kindleのサブスクリプションサービスも活用していますが、ここにも限界があります。

例えば、Kindle Unlimitedでは一度に20冊程度しかダウンロードできません。21冊目を読もうとすると、これまで読んだ本のどれかを「返却」しなければならないんです。こういった制約も、知識の定着を妨げる要因の一つかもしれません。

結局のところ、自分が本当に大切にしたい知識、しっかりと定着させたい情報については、紙の本で読むことが重要だと感じています。 デジタルコンテンツは便利ですが、一回きりの閲覧で終わってしまいがちです。それでは本当の意味での「積み上げ」にはなりません。

私たちは、知らず知らずのうちにメディアから影響を受けています。特定のメディアだけに頼ってしまうと、重要な視点や考え方が欠落してしまう可能性があるんです。それを避けるためにも、デジタルと紙、それぞれの良さを活かしながら、バランスの取れた情報収集と知識の定着を心がけることが大切だと思います。

もちろん、私自身もついついスワイプばかりしてしまうことがあります。完璧を求めるのではなく、こういった現状を意識しながら、少しずつでも改善していければいいんですよね。

今回のお話が、皆さんの日々の学習や情報収集に少しでも役立てば幸いです。これからも、音楽や教育の現場で得た気づきを皆さんと共有していきたいと思います。今日も最後まで聞いていただき、ありがとうございました。良い音の一日をお過ごしください。

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