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[東京戦]復調の兆しを見せる富山 -第2節-

第2節。富山vs東京。
結果は71-96、81-114で東京の2連勝となった。
富山グラウジーズは4連敗となったがGAME1では3Qに2分間で10得点、GAME2では1Q開始から2分半で14得点の連打を決めるなど復調の兆しが見えている。

今節では前節を踏まえた富山の修正、今節への準備が各所に見られ、チームが間の5日間をどのように過ごしてきたのかが伝わってくる試合内容だった。
それと同時にいくつかの課題も見えた。

今回の記事ではこれらについて解説していきたい。


前節の修正

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1、PG問題

前節で起こった41得点の悲劇の発端は"PG問題"である。

PGのボール運びとエントリーが安定せず、それがクリエイトの足を引っ張り、各所へ悪影響を及ぼして最終的にはフィニッシャーのシュート確率低下へと繋がった。

この点をまずは宇都が改善した。
PGを彼が担い、ゲームメイクをしてマブンガを本来の役割に専念させる。
しかし、ボール運びとクリエイトに関してはマブンガと負担を折半することでTOを0に抑えつつ二人のツーメンゲームで効果的な攻撃を行った。(ドライブのキレも少し戻っていた)

また、DF面では田中大貴へタイトについてリズムを狂わせ、1Qで2Fをつけるなど東京のP&Rの精度を落として失点を防ぐ効果も出していた。

1Q、彼の個人スタッツの数字に関しては5分・0得点・1アシスト・1FD・0TOとまだ物足りないが、この間に富山は10得点・8失点とまずまずの立ち上がりを見せた。



2、松井と晴山をスタートにする理由

富山はここまで全ての試合で元京都ハンナリーズの4人をスタートに固定している。

【信州戦】
GAME1
宇都・松井・晴山・マブンガ・スミス
GAME2
小野・松井・晴山・マブンガ・スミス

【東京戦】
GAME1
宇都・松井・晴山・マブンガ・スミス
GAME2
宇都・松井・晴山・マブンガ・スミス

私はクリエイターを担えないシューター2枚(松井・晴山)の同時起用はイマイチ機能していないように思っていた。

しかし今節、この布陣の意図がようやくわかった。
それが宇都・マブンガ・スミスにスペースを与えるというものである。

特に松井はGAME1の前半で8:50のプレータイムながら試投数0本であり、松井を空けるためのセットもあまり仕掛けていなかった。
これは松井が機能していないという印象を与えるかもしれないが、実は機能している。

というもの、
・スミスのポストアップへの山なりの裏パス
・マブンガと宇都のツーメンゲーム
・マブンガとブライスのP&R
これらがヘルプディフェンスに干渉されずに綺麗に決まっていた。

GAME1前半
スミスの被アシスト 4本
ブライスの被アシスト 2本

これは東京の選手が松井を空けられないためである。

彼がスリーポイントの名手であることは既にリーグ中に知れている。
そのため彼を意図的にフリーにするのは困難だが、適切なスペーシングで選手を配置し、逆手にとれば3Pライン上に置くだけでこのような効果を発揮する。

こうしてインサイドが影響力を持ち、いよいよ相手が我慢できなくなったときに完成するのが3Qに見せた松井のオンファイヤーである。

とはいえ、これは口で語るほど簡単なことではない。
浜口HCと松井の信頼関係。そして長時間ボールに触れていなくてもフリーになればいつでもシュートを決められる”KJ”だからこそ成立するシステムである。(シューターでもこれを持っている選手はかなり少ない)

今節の準備

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3、"富山ハンナリーズ"のオフェンスシステム

しかし、元ハンナリーズ4人と併用している宇都はノンシューターである。
そのため、5人の配置が適切でなければ『宇都のマッチアップがペイントのヘルプに行く』というDFルール一つで富山のオフェンスは守れてしまう。
(実は19-20シーズンの対戦ではこれで守られている)

そこで行ったのがGAME2、1Qの配置である。

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