[第24節_富山vs東京] ‐ DF崩壊とリバウンド取れない問題の理由 -[21/3/3]
3月3日。第24節の富山vs東京の試合は87-114で富山の惨敗となった。
この試合後には『この試合は2度と観るまい』と苛立つ気持ちがあったわけだが、やはり原因追及へ気持ちが向いて2度目の視聴をしてしまうのが私、岩沢の性分である。
そして次節の千葉戦を観戦するにあたり、少しだけ前向きになれる要素を見つけた。
それが、この日のDFの崩壊はこの日だけのものかもしれないというものだ。
これによって「こんな試合をしていては千葉に勝つなど無理だろう」と思っていた筆者も、「千葉戦は違う試合になる可能性が高い」と思えている。
今日はそれをグラブーの方々に共有したい。
DF崩壊とリバウンド取れない問題の理由
先日私がツイートで上げた映像のように、富山は東京のP&Rに慣れつつあった。
(動画引用元:バスケットLIVE)
東京のP&Rは前節と特に大きな変化はない。
ではなぜ富山が得意としていたP&Rディフェンスがこの日は機能しなかったのか?
その理由は2つある。
・以前と異なるスミス周辺のローテーション
1つ目がスミス選手のディフェンスだ。
信州戦以降、スミス選手はP&Rの対応が上達しており、スイッチ、ドロップ、ショウを使い分け完璧に対応していた。
つまり、P&Rディフェンスの処理の多くが、スクリーンを掛けられたガードとスミス選手の2人だけで完結していた。
しかしこの日は違った。
スミス選手が対応する守備範囲が以前より狭まっていたのだ。
これによってスクリーンを掛けられたガードがケアしなければならないアウトサイドの範囲は広がり、富山が3Pシュートに遅れてチェックに行くケースが頻発した。
東京のP&Rを2人だけで捌けなくなった富山は3人目がカバーに参加し、その後のローテーションはスミス以外がスライドしていくという、以前とは明らかに異なる煩雑なルールでDFをしていた。
それでも筆者が見る限り、富山はこれで半分程度は凌げていた。
しかし残りの半分では、ボールマンを一人で守れているのに中途半端にヘルプに寄って自らノーマークを作ってしまったり、ボールマン1人に3人寄ってしまうなどの "過剰ヘルプ" が生じていた。
不必要に1人に対して2人、3人と寄ってしまえばシュートはもちろんリバウンドもノーマークが生まれる。
富山はエナジーが無かったわけではない。
エナジーの使い方が嚙み合っていなかったのだ。
(実際DFを見てみると、宇都・水戸・松脇・前田の運動量は結構ある。が、頑張る所と任せる所のすれ違いが非常に多く起こっていた。)
ではなぜスミス選手は守備範囲を狭めてしまったのか?
これは筆者の推測だが、スミス選手はこの日、体調が優れなかったのではないかと思うのだ。
というのも、スミス選手は接触の部分でジョーンズやトーマスに対し、前回の対戦ほど圧倒できていなかった。
さらにリバウンド勝負の場面を見ても、いつもより跳べていなかった。(ダンクを見るとわかるが、彼は意外とジャンプ力がある)
またディフェンスに関しても、ミスマッチを解消するスイッチを不用心にもボールマンの近くで行ってしまったり、自分が次にローテーションするターゲットを見失ったり、スクリーンアウトを忘れるなどの "気付きの遅れ" があった。
これは寝不足やメンタル面の不調を抱える選手によく見られる事象である。
(睡眠やメンタル面の状態は人間の認知力や判断力、身体能力に思いのほか大きな影響がある。)
実際に公式のtwitterでも試合の2日前、スミス選手が寝不足であるというツイートがあった。
もしくはまた別の何か試合に集中できないメンタル的な要因があったのかもしれない。
ここに関しては推測の域を出ないが、少なくともスミス選手とその周辺のローテーションDFがいつも通りでなかったことだけは確かだ。
・ソロモン選手の不在
2つ目の理由がこれだ。
多くの人が「ソロモン選手云々の問題ではなくチームの問題だ」という印象を持ったかもしれない。
しかし、先ほど挙げたスミス選手の不調を踏まえると、彼をベンチに下げられなくなるソロモン選手の不在は意外と大きな要素だったように思う。
さらに言えば、富山が対東京のディフェンスに自信を持ったであろう1月の対戦。
その試合をマブンガ選手は経験していない。
これらのことから今節の東京戦、富山は最近の勝利パターンのフォーマットを使えない状況に置かれていたとわかる。
前回の対戦とは全く異なるゲームプランが必要で、同じやり方で東京のオフェンスを止めることが難しい状況だったのだ。
ここまでが現段階で筆者が理解している富山のDF崩壊の理由である。
今回の記事で言いたいのは、富山がそういう中でのDFの仕方やゲームプラン等をこの試合から新たに作る事であったり、
もしくはスミス選手の体調回復、ソロモン選手の復帰によっていつも通りのルールでDFが出来れば、この24節と同じような崩壊は起こらないという事である。
また、この試合ではエナジーが無かったのではなく、各々のエナジーが結果に結びつく形ではなかった。(これに関してはオフェンスも含め)
もちろんこれはコミュニケーション不足によるものなのでどちらにせよ改めなくてはならない事だが、"そもそもエナジーが無い" というほど深刻な状況でもなく、意外と修正点は中2日でも手に負える数だということだ。
この記事を読んで「千葉戦も同じように惨敗するのではないか?」というグラウジーズブースターの不安が和らげば嬉しく思う。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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岩沢マサフミ@富山解説
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