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君と私とサングラス

翼状片と診断された。初めて聞いた病名だった。鏡を見ている時に右目と左目の違いに気づきすぐに眼科へ行ってみた。
先生からの説明だけでは納得できず、すぐにネットで調べてみる。

手術をしても再発の可能性が高いとのことだった。そして、私はこれから紫外線を極力避けて生きていかなければならない。女子大生でサングラス生活。納得できるはずがない。



1か月が経ち、周りの友だちや家族、そして彼も症状を理解してくれてサングラス生活にも慣れてくれた。本当に私はいい人たちに恵まれたと思う。ただ、彼女たちがこの病気になりサングラス生活になったのが私だったからバカにすることなく理解してくれたのか、翼状片という病気があり、それにより生活に悩んでいる人がいるということを理解した上でそれがたまたま私だっただけだと考えているのかは分からない。後者であってくれればいいなあ、ふとそう思った。
私自身、サングラスをかけた人を見かけるとそれはファッション以外の理由もあるしあの人はなんでサングラスをかけているのだろうかと想像するようになった。もしかしたら私と同じ悩みを抱えているかもしれない。
きっとこんな感じで私たちの生活の中は、どこかで身につけてしまった固定観念による偏見や軽蔑の眼差しを向けることしかできず、本当の理由など想像しようとすらしていないことで溢れているのだろう。




※※※

「なにあのカップル〜。2人してサングラスなんてかけちゃってるよ。」

「えーほんとだ。あれが似合ってると思ってるのかな。ないわ〜。あんな彼氏とか絶対嫌だよね。」

「ムリムリ。どっちが先にサングラスかけようって言い出したのかな。あの彼氏の方かな。」

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