見出し画像

そうか。「適度な、ぼんやり」が大事なんだなぁ。

Tシャツはいつも無地のものを着ていた。文字があるとまるで自分が意図してるみたいだから避けていた。だけど、今は売っているものと同じくらいの値段で自分で作れてしまう。これは良いなと思って早速作って着ている。

このデザインにすることはすぐに決まった。以前に書いたが人はロゴに惹かれて着るのではなく、その先に思想を見るから着る。だからは僕も自分の思想を着ようと思った。

それでデザインについて考えていたら、はっきり理解できることより「ぼんやり」がポイントなのかもなぁと思った。今日はこのことについて頭の整理に書いてみたいと思う。

デザインには思想がある

デザインには色んなものがある。優れたものをみるとその中で共通しているのはそこに思想があるということだと思う。例えばマルタン・マルジェラは既存の価値観をあえて壊してそこに別のやり方で作る脱構築といわれる手法で有名だ。

あえて服を既存のデザインと逆に作ったりする手法は文字で文章を読まなくてもデザイン自体にその人のメッセージや思想を感じることができる。マルタンマルジェラレベルではあれば良いが、メッセージをデザインで出すには大変高度であるから僕はデザインを文字にすることは最初から決めていた。

わかりやすいものは飽きやすい

メッセージが書かれているTシャツは昔からも多い。沖縄だと「海人」や、ツイートネタみたいな「働きたくない」といったデザインなど。しかしわかりやすいために一瞬共感した以上のことは起きづらい。旅行先だと買いやすいかもしれないが、近所のスーパーでは買わなそうだ。

わかりやすいメッセージは一瞬の共感は高いがすぐに用無しになってしまうので、残りづらい。かといって作った本人にしかわからないデザインも理解ができないためメッセージが伝わらない。

「ぼんやりこんな雰囲気かな」そう思うようなものが一番長く付き合えそうな気がした。

単純なメッセージではいけない

メッセージを伝えるのは文字列はわかりやすい、だからといって「朝が弱い」だとツイートになる。これはこれで悪くないし、300円Tシャツ、みたいな感じで意外と売れるかもしれないが、すぐに飽きると思う。「朝が弱い」意外に何も感じないからだ。次のメッセージの服がないときつい。

広すぎてもわかりづらい。「夢」としか書いてなくても広すぎて分かりづらい。どう捉えれば良いかわからなく、手数が多すぎてどこから考えれば良いかわからない。もう少し限定したい。

かといって「ユークリッド空間」と限定して書いてもさっぱりわからない。もちろんユークリッド空間自体には考え方はあるのだか、それに関連付けて説明されてもなんだか難しい。

だから最適なのは文字でありロゴであるデザイン。それはキャッチコピーではと考えた。デザイン初心者にはぴったりだと考えた。

キャッチコピーはその人を説明しているのとメッセージを同時に伝える。そして文字だけだと理解しきった感じが強くなるのでイメージも足して少しだけ抽象的に緩和するのも大事。だが、イメージはデザインが難しいので諦めてる…。

文字でありロゴであるデザイン

「I♡NY」というロゴがある。1970年代のものらしい。昔は何がすごいかわからなかったが、ぼんやり考えていたら文字列と記号を合わせてメッセージ性を出したロゴになっているのが天才的なのでは?と思った。

文字列だけでは意味がわからない。「INY」。謎。♡は記号だからイメージはできるが広すぎる。しかしこの二つを合わせた瞬間に意味が伝わる。程よく限定される。しかも横一列ではなく4分割された空間に一つずつ配置されるイメージが文章である印象をなくし不思議なメッセージをぼんやり出す。

最近亡くなったミルトン・グレイサーさんだが、なんと素敵な天才的なデザインだろう。わかりやすくしない、難しくしない、広すぎない、イメージさせる、すべて満たしていて、感じる印象はぼんやり。僕はこのデザインにとても感動した。

ここにもう一つデザインセンスが混じっていると分析するはそれは「わかった気にさせる」というもの。

わかった気にさせる、そんなデザイン。

僕は自分のことすらよくわかってない。だからこうやって頭の整理をして間接的にこんなやつなのかな、と仮定を立てて動いている。ましてや他人もわかるとは思っていない。でもわかった気になった瞬間、「理解の奴隷」となって満足感が出る。しかし本当はまだわかってないから興味が残る。

この「わかった気になる」のは大切なことのように感じる。デザインを相手に完全に理解されると、用がなくなってしまう。「朝が弱い」のように。しかし「I♡NY」はなんだか理解できているような気がしてしまう。なんだか理解できていて、完全に理解できてない感じ。そこに興味が続く。

なんだかんだ自分で分析して閃いた感じはしているが、僕はミルトン・グレイサーの手の上なような気がしている。

理想的なデザイン

まとめると理想的なデザインは「イメージと文字列を合わせた文字でもイメージでもないロゴ」が最適だ、という結論になった。そこには、分かりやすくなく、難しくなく、広すぎず、狭すぎず、メッセージがあり、イメージで抽象化してあり、わかった気になる、デザイン。

一言でこの理想のデザインを合わすと「適度なぼんやりしたデザイン」だと思う。

そう思った瞬間、マクドナルドやナイキってそんなデザインを昔からやっていたんだなぁと思った。アップルはリンゴだから文字列がいらない。

むしろ最近は文字列をイメージ含めたようなものが多くなってる。これはトレンドもあると思う。

さてさて結論はでたが、そんなイメージが特に作れないのでデザインできないので、結局キャッチコピーをそのまま載せることにした。。

イメージはないけど、おおよそ要素を満たせたものを作れたようには思っていて自分のメッセージである「好きなことを集中して楽しむの良い」というのをぼんやりだせてるのかなぁと思っている。伝わってるといいなぁ。

今日もこのTシャツとエプロンを着て生配信をした。なんだか服を着るのが楽しくなった。

画像1

「ただジャズが好きなだけ」な毎日ジャズピアニストの金子将昭。毎朝6:30〜コーヒーとジャズと演奏生配信。演奏動画にテキスト解説。みてるだけで音楽教養かも。かねこのジャズチャンネル。チャンネル登録よろしくね(✿︎´ ꒳ ` )↓

日々のつぶやきは、

毎日ジャズピアニストかねこ





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?