![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/55336222/rectangle_large_type_2_2e03dd97f698a0d46c2409a427eb3b37.png?width=800)
SaaSヘビーユーザーになってみて気づいた、SaaSベンダーの皆さんが気づいてなさそうなこと
元々いろいろとツールを使ってましたが、独立して個人事業主になってから、さらにたくさんのSaaSを使っています。
これまでも使っていたAsana、Evernote、Canvaの使用頻度はさらに増えましたし、Premiere Pro、Photoshop、Adobe Stock、freee、Slack、Spirなどなど。もちろんLINE WORKSも。あ、Google系の利用頻度も増えました。
すると、SaaSベンダーにいたときには気づかなかったこと、そこまで気にしてなかったことが、ユーザーになってみるとよく分かるようになりました。
立場が変わり、視点が変わると、新鮮な発見がたくさんありますね。
この記事では、気づいたこと、とても気になることを2つ、取り上げてみます。おもにSaaSベンダーにお勤めの方へのメッセージです。
1つめは、新規顧客向けのイベントやコンテンツ(たぶんマーケティングチームの管轄)と、既存顧客向けのイベントやコンテンツ(たぶんカスタマーサクセスチームの管轄)が、とてもとても分断されている。
これはベンダーの皆さんがどこまで気にしているか分かりませんが、ユーザーになってみて、よく分かりました。メチャクチャ違和感があります。
特に、とにかく成長モードで新規獲得に力を入れている企業だと(たいていそうだと思いますが)、マーケティング系のイベントやコンテンツをバンバン展開していても、それが既存ユーザーに全然伝わってきません。
いや、チラッと見えますよ。でも、もっとちゃんと伝えてほしいです。
具体例を挙げてみましょう。
皆さんの会社では、マーケティングリードと既存顧客は、別のデータベース/リストで管理されていると思います。それがゆえに、とても気合いを入れて作ったであろうマーケティングイベントが、既存顧客にはちょろっとしか知らされていない。また、続々と制作しているマーケティングコンテンツが、既存顧客には全然送られていない。
こんな風になっていませんか?
これ、すごくもったいないです。
とりあえず送った方がいいですよ。
『いやいや、既存顧客には、新規向けのコンテンツは刺さらないんだよ』という方。
だとしても、送らないよりは、送った方がいいです。ユーザー側で取捨選択しますから。それよりも機会損失の方を心配した方がいいです。
これは身をもって体験しましたが、カスタマーサクセス用のコンテンツを作るのは、むしろ大変だと思うんです。だったら、せっかく作った新規獲得向けのマーケティングコンテンツをもっと活用しましょう。
せっかくネタがあるのに、既存顧客向けにうまく加工できていないからという理由で送るのを躊躇したり、加工に多大な労力を掛けるくらいなら、ひとまず無加工でもいいので送ってしまった方が良いです。
それがなかったから、それに気づかなかったから、利用が停滞している顧客は早く救った方がいいです。何がきっかけで活用が促進されるか分からないなら、ひとまず送っておけば、どこかで誰かの役に立ちます。
細かいことを言えば、複数のアドレスからメールが送られてくるのも、なんか変です。こっちから見れば、使っているツールを提供している会社は1つなので。
2つめは、機能を伝える努力がうまくない。
いや、努力してるのは分かりますが、伝え方の工夫が足りないです。
皆さん、コンテンツはたくさん作ってます。ヘルプもあるし、ガイドもあるし、動画もあるし、トレーニングもある。
でもね、知ってるでしょ?
たいていのユーザーはそれらを読まないし、コンテンツがたくさんありすぎると、むしろ見つけづらくなるだけです。
『知ってるよ、それに機能ベースのコンテンツを作っても読まれないことも(涙) でもユースケース中心のコンテンツ作るのは大変なんだよ』という方。
ひとまず、事例作ったら、それを既存顧客にも知らせてください。
事例の中には、必ずユースケースが描かれていますよね?
どの業種の、どんな職種の人が、何のために、どのように使っているのか。
既存ユーザーであれば、多少言葉足らずでも、それをヒントに新たな活用方法を思い受けべることもできます。なにせ、すでに目の前にツールがあるわけですから。
でも、もっと良い方法は、プロダクトの中に埋め込むことです。
プロダクトの中で機能を説明する。または、ちゃんとプロダクトの中からコンテンツへの導線をつくってください。
なんで、わざわざ別のブラウザ開いて、コンテンツサイトに行って、検索しなきゃいけないんですか?今、それを使おうと思って分からなかったら、そこからスッと知りたいんですよ。
皆さんの会社の中は、ビジネスと開発がクッキリ分かれてるかもしれませんが、そんなことは知ったこっちゃないので、プロダクト内からビジネスサイドが作ったコンテンツがスムーズに参照できるよう、開発チームと連携してください。というか、開発チームとデザイナーの方はそこまで考えて機能を開発し実装してください。でないと、せっかく開発したその機能、存在すら知られてませんから。
というわけで、SaaSベンダーの皆さん
マーケティングコンテンツ、特に事例を作ったら、もっと既存ユーザーにも知らせてください。
そして、ビジネスサイドが作ったコンテンツをもっとプロダクトに埋め込むようにしてください。
なにとぞよろしくお願いいたします。
SaaSを愛するひとりのユーザーより
いただいたサポートはありがたく次の記事制作に役立てたり、他のクリエイターさんの記事購入に使わせていただきます。