セラピストが考える介助の本質とは?
あなたは「介助」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべますか?
・寝返りの介助
・起き上がりの介助
・立ち上がりの介助
・歩行の介助
などがあるのではないでしょうか。
では、それぞれの動作介助をする際にあなたが意識していることはありますか?
今回は介助をする際に私が意識していることを中心に書いていきます。
介助の本質とは
表題にもありますように、私が考える介助の本質は下図のようになっています。
結論から言うと
足りない要素をサポートする
ということです。
どういうことか?
足りない要素とは、ある運動を行う際にどの部分を介助することで、その方の残存能力を活かすことが出来るかということです。
例えば、あなたが下図のように骨盤後傾から中間位までを介助で行う際に、どの部分を介助しますか?
多くの方が腋窩や肩甲骨、骨盤から介助をするって方が多いのではないでしょうか。
ではさらに。
なぜその部分(腋窩や肩甲骨)を介助するのですか?
なぜ????
普段何気なくやっていることを聞かれると・・・???となってしまいますよね。
今回の例からいうと、骨盤後傾位から中間位になるための運動特に胸椎伸展(足りない要素)をサポートするために腋窩から介助するというのが1つの考えになります。
足りない要素をサポートするポイントは
先ほども書きましたが、足りない要素とはある運動を行う際にどの部分を介助することで、その方の残存能力を活かすことが出来るかということです。
「どの部分」かを感じるポイントして、介助した際の対象者の重さ(誘導する動きに追従してくるか)になります。
この重さを自分自身の体や手で感じ取ることができるか。
腋窩から介助した方が動きが軽いか(追従してくるか)?
はたまた
胸郭から介助した方が動きが軽いか(追従してくるか)?
それぞれ誘導してみます。
相手の反応を見て、どちらを介助した方がいいかを判断していきます。
私たちに出来ることは
私たちセラピスト(特にPT?)は動作を診る専門家と言われます。
この動作を診るという視点において、他職種とは違いがあります。
どういうことかというと、介護士や看護師の方が考える介助は下図ではないでしょうか?
(別に他職種の方々を批判している訳ではありません。上記の職種の方が読まれていたらすいません)。
看護・介護としてはとりあえず相手の邪魔をせず安全に介助する。
セラピストは残存能力を活かしながら円滑に(足りない要素をサポート)介助する。
この視点の違いにより、リハ職種と看護・介護サイドで介助量の差異が出てきてしまうのではないかと考えています。
どちらが良い悪いではなく、お互いの捉え方の違いを知ることで、私たちセラピストが他職種の方に何をアドバイスできるのかを考えなくてはなりません。
まとめ
今回は私が考える介助の本質について書いていきました。
患者さんの残存能力を活かすために足りない要素をサポートする。
そこを判断するために私たちセラピストは、それぞれの動きのメカニズムからそれを構成する解剖学や運動学・バイオメカニクスなどの知識を使いながら評価を行なっていきます。
皆さんが考える介助とは何ですか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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