マネーフォワードビジネスカンパニーの新ミッションを策定しました
マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。
マネーフォワードビジネスカンパニー(以下、MFBC)では、カンパニーミッションを改定し、先日公開した「株式会社マネーフォワード統合報告書 2022」にも掲載させていただきました。
今回は、ミッション改定に至った背景や、新ミッションに込めた思いについて書いていきます。
改定の背景
マネーフォワードでは、全社で定義しているMVVCがあり、加えて、MFBCとして定義したミッションや事業指針等があります。
今までのMFBCミッションは、「ビジネスの成長を加速させる」でした。
これも、MFBCが目指す方向性として非常に的を射ていますし、誇れるミッションだと思っています。
MFBCは、企業のバックオフィスを、ビジネスの基礎であり土台だと捉え、バックオフィスの効率化を力強くサポートすることで、企業の事業成長を加速させるお手伝いができるのだと、私自身説明してきました。
ただ一方で、このミッションではいま一歩言い切れていない、もどかしさのような引っ掛かりがあったことも事実です。
私たちが実現したいことやこれまで意識してきたことを考えると、もっと広く言い表わすことができるのではないかと思うようになりました。
また、マネーフォワード全体のミッションである「お金を前へ。人生をもっと前へ。」との繋がりという点でもアップデートの必要性を感じていました。
というのも、マネーフォワードはもちろんのこと、MFBCも「人」へのフォーカスがなによりも大事なポイントだと思っているからです。
マネーフォワードのカルチャーの一つに、「Respect」という言葉があります。
私は4年半前にグループジョインした時から、このカルチャーがとてもマネーフォワードらしさを表していると思ってきました。
私のこれまでの経験からすると、多くのベンチャー企業は、高い成長性にチャレンジする宿命からなのか、どちらかと言うと「強さ」とか「ロジカルさ」が重視され、社内の関係性もガツガツしている環境が一般的なように感じていました。
ところが、マネーフォワード はまったく違う。
お互いの理解を深めながら、多様性を認め合って、肩肘張らずに学び合える関係性が自然にある環境でした。
この風土が根付いていることに、会社や事業としての根本的な強さがあると思っています。
そういった「人」に対する姿勢やまなざしを、MFBCのミッションに込められないか。そう思ったわけです。
私たちは、どんな世界観を実現したいのか?
「MFBCミッション改定」に向けた取り組みは昨年秋頃から始めました。
デザインチームが中心になって、私や役員とのディスカッションやヒアリングから構造整理を進めていきました。
また、これは後から聞いたのですが、デザインチームは私や役員のこれまでの発信記事の内容に全部目をとおして、見ている世界観をトレースすることまでしてくれていたそうです。
少し話は逸れますが、デザインの仕事をする方たちは傾聴力と抽象化力がとても優れているなといつも思います。
力のあるデザイナーさんと話をすると、自分でも気付いていなかったことを引き出してくれたり、考えていることを整理して、みんなとうまく共有ができるように見える化してくれます。
今回のミッション改定でもデザインチームはとても大きな働きをしてくれました。
さて、この構造整理を進めるにあたって、まず立ち返ったのは、やはりユーザーの声です。
お客様のストーリーは、こちらのサイトにも掲載させていただいているのですが、
例えば、りんごベンチャーの経営者の方から、
という言葉をいただいたり、伝統工芸「南部鉄器」職人さんが
と語ってくださったり、ほかにも、
という方がいらっしゃったり。私たちにとっては、思わずジーンとくる、本当にうれしいお話です。
ビジネスには、必ずそこで働く人がいます。
そして、働く一人一人が、素晴らしい技術や知見を持ち、そして何より想いを持って、唯一無二の価値をつくっています。
そういったビジネスの成長において、経理財務や人事労務、法務といった私たちが直接関与させていただいているバックオフィスは基礎であり土台であり、同時に会社や組織全体にとても大きなインパクトを与える"根幹"だと改めて思います。
新ミッションに込めた思い
そうしてつくり上げた新ミッションがこちらです。
ステートメントもぜひご覧いただきたいのですが、
「仕事はもっと自由に、もっと面白くなれる。」
という部分は、手前味噌になってしまいますが、力をもらえるパワーワードだなと感じて、特に気に入っている部分です。
マネーフォワードのカルチャーには「FUN」という言葉もあるのですが、まさにその要素を含んだ内容になっています。
「努力する人は夢中な人に勝てない」という言葉があります。
多くの人は子供時代を思い出すと思い当たることがあるかもしれませんが、夢中で取り組んでいるときは、それこそ寝食も忘れてのめり込み、ずっとやり続けてしまったりするものではないでしょうか。
もし、いろいろな仕事における何ごとに対しても、そんなふうに夢中になって取り組めたら、きっととてつもなく大きな成果が生めるのだと思います。
そう考えると、優秀だなぁと思う人はみな、仕事を楽しんでいる人だと感じます。
当然、そういう人たちにも、時によっては苦手なことがあったり、辛いときがあったり、意に沿わない仕事をする時もあると思うのですが、それでも成果を出し続けているのは、多くのことをおもしろいことに変換しているからではないかと。
いろんな出来事や仕事を「楽しむ」力は本来誰もが持っているものです。
子供の頃に夢中になったことのように、「仕事はもっと自由に、もっと面白くなれる。」
そのために、私たちはバックオフィスの複雑な業務から無駄な作業をなくし、誰もがワクワクしながら働ける社会を実現していきたいと思っています。
プロジェクトの要を果たしてくれたデザインチーム
前述のとおり、今回のミッション改定は、デザインチームと進めたのですが、改めて「デザインの力」を感じたプロジェクトでした。
プロジェクトを始める段階では、社内の情報は各所に散らばっていたのですが、あらゆる情報の構造を可視化し、同時に、様々な関係メンバーの意見をまとめていってくれました。
また、今回のミッション改定にあたって、最も重要なことはMFBCの全員が新ミッションを自分たちのミッションだと捉えることです。
社内向けに実施した「MFBC Special Session」と題したオンラインセッションでは、このプロジェクトに深く関わった、坂上さんと稲毛さん2名のデザイナーと検討の背景やプロセスについて、振り返りながら話をしました。
最後に
外部の方からよく「マネーフォワードは、どうやってMVVCをそこまで浸透させているんですか?」とご質問いただくことがあります。
とてもありがたいご質問なのですが、ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー浸透にはこれをやっておけば大丈夫と言ったような、処方箋のようなものはありません。
「これが自分たちのMVVCだ」と一人一人が捉えて体現者になり、そして浸透の担い手になっていくこと、そうなるように時々で議論したり、みんなの知恵を絞って考え、丁寧に、地道に行動し続けていくしかないものだと思っています。
一人一人がミッションの体現者として行動し、ユーザーのみなさんとも一丸となって、「ビジネスを前へ。働く人をもっと前へ。」進めていきたいと思います。
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