「失敗」を経験にするために
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「失敗」を経験にするために

竹田正信 Masanobu Takeda

マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。

マネーフォワードは、11月を決算期としているため、今月がFY21の期末となります。このタイミングで、メンバーのみんなに伝えているのは、ありきたりですが、「しっかり振り返りをしましょう」ということです。

振り返りのススメ

期末は「評価」のタイミングでもあり、また来期に向けた「目標設定」のシーズンでもあります。

それが必要なのはもちろんなのですが、会社の制度としてやらなくてはいけないからという理由ではなく、今後の自分のナレッジ蓄積のための振り返りをしてほしいのです。

働いている期間、あるいは大きく人生と捉えてもいいのですが、「一ヶ月」「半期」もしくは「一年」という節目ごとに振り返った時に、大なり小なり、何かしらの成長があるはずです。

そして、ときにその成長のきっかけには「失敗の経験」があり、失敗をしたときに、振り返っておくか、おかないかでその後の成長には大きな差が出ます。

「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉がありますが、「苦労」や「失敗」は、しただけでは何の経験にもなりません。ただ経験したこととしてやり過ごすのではなく、振り返りをすることで、今後の自分、または同じ経験をする未来の誰かのためになるのではないかと思うのです。

私の感覚では「自分のどこが足りなかったから起こった失敗なんだろうか」とか、「次はどういったアクションをすれば同じ失敗をしないだろうか」といった、自分自身の意識や行動についての振り返りを一度しておけば十分です。

言うまでもないですが、「あの失敗はあの時の環境のせい」「一緒に対応したメンバーに恵まれなかった」という他責思考では、せっかくの失敗の価値は全くなくなってしまいます。

経験知としての定着がある限り、多くの失敗の経験は、その人にとっての大きな財産になります。

ということで、四半期ごとや期末、年末といった節目では、是非振り返りをすることをおすすめします。

ラクスル福島さんからの学び

話は変わりますが、先日、ラクスル福島さんとお話をさせていただく機会があり、そこであらためて「振り返り」の重要性を実感しました。

「スタートアップのCxO・経営幹部に求められる役割、資質とは何か?~CxOを目指すキャリアに必要な経験、スキル、マインドとは~」というテーマのセッションで、レポートも公開されていますので、よろしければご覧ください。


「COO」は「Chief Other Officer」

私はいま、マネーフォワードビジネスカンパニーのCOOという役割なのですが、当初から、COOって凄く曖昧な立場で定義が難しいなという感覚がありました。

「CMO」は、「Chief Marketing Officer」、「CFO」は「Chief Financial Officer」、「Chief Technology Officer」の「CTO」もそうですが、いずれも専門性や、領域などの点で意味合いが比較的明示されています。

一方、「COO」は「Chief Operating Officer」です。「オペレーション」て何でしょうか。

今回の対談の中でも、「COO」って何なんだろうね?というテーマで話をしたのですが、ここで福島さんが「COO」を「Chief Other Officer」だと、とても明快な整理をしてくださったんです。

誰にも評価されないけど解決しないといけないものが会社にはある。誰もやりたくないけど事業価値のためには必要なので、チームや組織の三遊間を埋めるロールを「Chief Other Officer」と私は呼んでいて、皆が走り切るために誰も持てない時間軸や役割として浮いているものをカバーする

とても納得感がありました。今まで、とにかく課題を解決することを日々やっている感覚で、時には調整をしたり、誰かの話を翻訳したり、ファシリテートしてみたりと、自分でもいったい何をしてるんだろうと思うことも、しょっちゅうあります。

ちなみに、面接や面談でされて一番困る質問は「いつも何をしているんですか?」です(笑)。本当に、自分はいったい何をやっているんだろうかと。

しかし、福島さんが「COOはChief Other Officer」と言い切って下さったことで、手段を問わず、事業のビジョンや計画の具現化にコミットするのが自分の役割だと、改めて明確に意識することができ、同時に、自分の日々を少し肯定することができたような気がしました。

他にもこのセッションではたくさんの気づきをいただき、本当に勉強になりました。「理想のCOOはサグラダ・ファミリアをつくりあげられる人」というお話も素晴らしかったです。

私自身、ときに代表の辻が話す理想や想いと比べると、とても現実的で細かい部分にこだわったりすることがあります。そしてたまに、自分がまるで目先の小さなことに終始しているつまらない人間のような感覚を抱き、悩むことがあります。

でも振り返ってみてやはり、これは理想に向かうために必要な、それぞれが見るべき時間軸と役割分担なんだ、と思い直すことがあります。

福島さんのサグラダ・ファミリアの例えは、そんな私の葛藤や悩みに対して、担う役割の分担を非常に明確でわかりやすく表現してくださり、同時に自信を与えてくれるものでした。

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失敗や悩みから逃げなければ、学びはついてくる

このような福島さんがなさっている、ミッションや役割の言語化、定義化がいかに重要かということも、痛感する機会になりました。

と同時に、抱いていたモヤモヤや悩みに対して、背中を押していただき、実際に私自身が経験知として消化させていただく機会でした。

ただ、これだけ有益な機会となったのは、お話が素晴らしかったことと同時にもう一つ、このテーマに自分自身が日々悩み、考えていることだったからでもあると思っています。

失敗して、悩んで、軌道修正して、再び失敗して悩み続ける・・・。手触り感のある体験をして、それを振り返って教訓にしつつ、とにかく悩みと向き合うことから逃げ出さないでいること

この姿勢でいることが、大きな学びを得る必須の条件なのではないでしょうか。

まとめ

マネーフォワードは、もうすぐFY21を終えます。

この一年もマネーフォワードは、たくさんのプロダクトをリリースし、仲間もたくさん増えて、大きくパワーアップしました。

私個人としては、「マネーフォワードが一人でも多くの人を少しでも幸せにできたのか」そして「みんなが一丸となった、一枚岩のチームで、最高の感動を共有し合う準備はできているか」という2つの点を、大切な振り返りのポイントにしています。

私自身は、自分が何をやっているか分からないと言われても、実は特に気にしていません。

それよりもなによりも、「大きな夢の実現に向かっていく、一枚岩の最高のチームであること」が、私にとっての一番です。

来月からは、新しい期、FY22のスタートです。

今期の振り返りを未来の糧として、失敗や悩みもすべてプラスのエネルギーに変えて、新たな一年もみんなで前に進んでいきましょう!

Work illustrations by Storyset

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竹田正信 Masanobu Takeda
株式会社マネーフォワード 取締役執行役員 マネーフォワードビジネスカンパニーCOO/株式会社クラビス 取締役CFO。一貫してITベンチャー畑を約20年。経験領域はセールス/マーケ、事業戦略、人事企画、M&AにおけるPMI等。長野県出身、早稲田大学卒。愛犬の名前はむーたん。