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マネーフォワードビジネスカンパニーは、今おもしろいフェーズに一段上がってきていますという話

マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。

先日クラウド公式noteで公開した、カンパニーCSO山田さんとの対談で、

今まさにフェーズの転換点にきている感触を持っていて、2022年からはフェーズ4という意識で臨んでいます。

というお話をしました。

今日は改めて、フェーズの転換点において、マネーフォワードビジネスカンパニー(MFBC)ではどんな変化が起こっているのかについて、私が感じていることを書いていきたいと思います。

組織拡大に伴うマネジメントの変化

まずはなんと言っても組織の急拡大に伴って、必要とされるマネジメントが変化していることです。

MFBCは複数の「本部」の集合体ですが、「本部」は、製販一体の事業部組織を基本として運営されています。その一つひとつの「本部」の規模が100人を超え、さらに多機能を包含した組織になってきました。

組織構造は以下のとおり一般的なものです。本部長配下に複数の「部」が設置され、「部」の配下にいくつかの「グループ」が存在しています。

MFBCで運営される「本部」組織

少し補足すると、各本部とも、責任者である本部長と共に運営する副本部長がおり、いくつかの部を跨いで管掌を分担したりもしています。

わかりやすい例でいうと、ビジネスサイドを担当する副本部長とプロダクトサイドを管掌する副本部長がいる形です。従って、実際の組織の階層はこのイメージ図よりも多くなっていると捉える必要があります。

MFBC発足時の組織構成

MFBCが発足した2019年は、最大の本部でも50〜60名程度で、階層構造もシンプルでした。

本部の中に設置する部(戦略、マーケ、セールス、カスタマーサクセスなどのように機能別の部)も5つ以下、各部長が見る人数は5〜10名。部長は基本的にプレイングマネージャーでしたし、本部長とメンバーの接点も特別に意識せずとも近い関係でした。

また、いざとなればマネジメントレイヤーは直接キーパーソンと話をしたり、案件や事案を自分で担当するなども容易にできますので、多くのことをハンズオンで進めることができました。

従って、自本部の中のさまざまな事柄すべてに手触り感を持ち、現場状況の把握も、その上で行う判断も適切にしやすい。もちろんマネージャーの力量によるところはあれど、各組織内の上司部下の関係も含めた人間関係は「フラット」で一体感も醸成しやすい状況でした。

100名を超えた組織で何が起こるか

一方、本部の人数が優に100名を超えてくると、同じやり方ではまったく時間が足りなくなります。

中にはそれでも責任感強く、ハードワークでやり切ろうとする人が居たりしますが、大抵のケースではそうすればするほど、事態は悪化していくように思います。

それは、マネージャーの処理能力を超えてしまうことで、適切なアクションが取れず、マネージャー自身が推進のボトルネックになってしまうということもあるのですが、それ以上に、採用や育成が進まないことによるダウンサイドが大きいと思います。

というのも、採用も育成もすぐに結果を出すことはできない打ち手だからです。

1)採用

採用は結構頑張っていろいろ整えても、決して100発100中にはならないものです。

さらにこれは私見ですが、100名を超えてきた組織には、必ずと言っていいほど何かしらの"癖のようなもの"ができてくるように思います。それは良い意味では「カルチャー」でもあるのですが、ここで言う"癖のようなもの"というのは、明文化され、皆が体現者であろうと意識しているカルチャーとは少し違うものです。

うまく言えないのですが、カルチャーのさらに根幹にある行動様式とかオペレーションシステムのようなものといえば良いでしょうか。

例えばマネーフォワードには「役職はあくまで役割である」という考え方があります。なので、日々の業務の中で役職者がメンバーに対して「これは職務命令です!」といった、一方的に指令をするようなコミュニケーションはまずありません。

さらにいうと、マネーフォワードは役職や年齢、社歴に関係なく、一人ひとりが当事者意識を持ってリーダーシップを発揮し、互いに影響をし合う「シェアド・リーダーシップ」スタイルの会社です。

なので、役職者として権限を持っていても、周囲のフォロワーシップを引き出せないと、物事を動かすことはなかなか困難ですし、良いアウトプットには繋がりにくいわけです。これが、私の言う"癖のようなもの"です。

話を元に戻すと、採用という手段によってチームの強化を図るには、そういった"癖のようなもの"を捉えた上で、その認識を共通化し、採用人物像の整理や、オンボーディングのあり方を構築しなければ実現できないのです。

なので一定失敗して気付きを得る「学習期間」が必要になること含めて、時間がかかるのです。

2)育成

次に育成ですが、育成には「機会」が必須です。

大きくなっていく組織の中でマネージャーが以前と変わらず1人で遂行しようと仕事を抱え込むことは、そのままメンバーから「自らの手で経験する失敗や成功の機会」を取り上げてしまっている状態になるわけです。

かくして一定規模を超えた組織では、権限移譲を進めた結果、複数の機能別の部ができあがり、組織が多階層構造になっていきます。

すると、本部長は自分がプレイヤーとして現場に入ることはもちろんのこと、任せた部長の頭越しに関与することもよろしくない、などの構造になるので、急激にこれまでの現場との距離感ではなくなります。

こうなると本部長は、二次情報を中心とした少ない情報をもとに、発生した事象を類推し、自分の頭の中で全体像を立体的にイメージして組織を運営していくしかなくなり、これが非常に難しいわけです。

以前のように自分が直接関与したり、手を動かして実現した上で把握したりしていない事柄が圧倒的に多くなっていくので、当然判断を下す難しさは飛躍的に上がります。

以前は大活躍していたマネージャーのアウトプットやパフォーマンスが「最近鈍ったな」と感じるケースは、この手の構造変化が生じた結果であるケースは多いのではないでしょうか。

構造が変わった組織に必要なマネジメント

この局面の責任者は、広い視野で業績推移や業界、市場環境の変化や状況などを捉えるマクロのスコープと、メンバー一人ひとりのコンディションや特性、関係性のような些細な情報やちょっとした変化などといったミクロのスコープを持ちながら、さまざまなことに対して常に仮説を持って臨む必要が出てきます。

また、足元の課題解決に対しても、先ほど記載した採用や育成のような中期的に作用する打ち手も、両輪で動かすことが必要になります。

そしてなにより「会社と自分はどうありたいのか」というリーダーシップがより問われるようになります。

簡単に言うと、マネジメントが「組織に対して如何にテコの原理を働かせられるか」というテーマに変化するフェーズであり、MFBCは今はまさにここなのではないかと感じています。

プロダクトラインナップ拡大に伴うマネジメントの変化

もう一つ、必要とされるマネジメント手法が変わってきたと感じる要素は、更なるプロダクトラインナップの拡大です。

マネーフォワードは、創業初期から事業領域を拡大し続けてきました。2012年の創業時より、個人向けサービスを提供していますが、翌年2013年には個人事業主や中小企業に向けた「確定申告・会計ソフト」の提供をスタート。その後も、いわゆるBtoBサービスとして、事業者を対象としたラインナップを拡大し続け、今では25を超えるバックオフィス向けプロダクトを提供しています。

単一プロダクトを提供、または一つの領域に特化してプロダクトを提供する組織であれば、戦略・戦術もシンプルですが、MFBCのように、プロダクトも事業領域も複数ということになると、戦略が重複的に絡み合って、複雑化しています。

さきほど示した「本部」は、事業領域ごとに設置した、ある意味「縦」のラインを意識した組織になるのですが、これからは個々の領域における事業拡大だけでなく、複数の領域がシナジーを及ぼし合うことによる事業拡大が求められるフェーズになってきます。

そうすると、「縦」のラインだけで戦略を描くのではなく、「横」「斜め」の視点での戦略が必要となります。圧倒的に増えた情報量、複雑な構造の中で、勝ち筋を描き、戦術を落とし込んでいくことが求められ始めているのです。

いまのフェーズで活躍するマネージャー

このフェーズの変わり目で活躍し続けているマネージャーは、特殊な能力がある方とか、取り立てて優秀な方(もいるのですが)というよりは、結局、このような組織の複雑化や変化を楽しんでいる人たちです。

ここまでの複雑な状況に関して、先人の事例もあまりなく、最初から正解を選ぶという考え方で臨むことは困難です。

そして規模がコンパクトだった頃よりも明らかに面倒なことや頭を使わないと解きほぐせないことも多い状況です。なので、悩み出したら止まらないし、自信を失うこともたくさん起きるわけです。

しかしそこで、「さまざまな新しい学びを得るこの環境が楽しい」とか「誰も経験したことがないからこそ、挑戦する意味がある」とか「この先にある景色を見たい」と考える人にとっては、この上なくエキサイティングなフェーズであることは間違いありません。

それと、活躍するマネージャーが共通して持っているのは、課題を設定する力「アジェンダセッティング」だと思います。誰も経験したことがない複雑さと多くの課題がある状況下では課題を解決する力だけでは足りません。

そもそも何を課題と捉えるのか。課題の捉え方次第でその後のアクションはまったく変わってきます。

たとえばいつも「課題は全部これから先のアップサイド(伸びしろ)だ」という前提で捉えて「こうなったらめちゃくちゃすごいじゃん!」と思うことをアジェンダにセットすると、自ずとワクワクしてきます(笑)

これからは、今まで以上に「これまで培ってきた経験を活かそう」とするのではなく、目の前の人、事象にまっすぐに向き合って、ありのままを理解し、そして、シンプルに理想に向かっていくスタンスが結局は一番モノを言うのかもしれないと感じています。

なにしろここからのフェーズは未知なわけですから、過去に自分が獲得してきた強みを活かして対応していくのではなく、如何に「いつも新鮮な気持ちで学び続ける組織でいられるかのチャレンジ」なようにも思います。

強みは「活かす」ものではなく、「気付いたら勝手に活きていた」くらいが理想です。

こんな感じのフェーズを迎えた今が旬のマネーフォワードで、この先を一緒に楽しんでいただける方からのご応募をお待ちしています!




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