社内の情報連携の課題に直面して、1年半続けてきた社内向け配信のこと
マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。
マネーフォワードビジネスカンパニー(以下、MFBC)では、毎月1〜2回、「MFBC Park Session」という社内向けのウェビナー配信をしています。
毎回1〜2組のゲストを招き、私がファシリテーターを務めながら対談します。リアルタイムでZoom配信しますので、視聴者からもチャットで質問や意見を受け付けてインタラクティブなディスカッションも行う形式です。
2020年の9月にスタートし、これまでの約1年半で、計21回の配信を行ってきました。
今回のnoteでは、「MFBC Park Session」の立ち上げから、1年半実施してきた内容や工夫、そしていま感じていることを書いていきたいと思います。
「MFBC Park Session」を始めた経緯
「MFBC Park Session」の実施を思い立ったのは、2020年の9月、MFBCのメンバーが400名ほどになった頃です。
急速な組織拡大に伴って、社内の情報連携の面で、小さいけれど確実にひずみと呼ぶべき状態が生じ始めたと感じていました。
具体的な現象としては、
といったことが起き始めている感触がありました。
更に、コロナ禍でのリモートワークを開始して半年ほど経過した時期ということもあり、リアルな接点が少ない環境におけるチームビルディングの課題にも直面していたタイミングだったように思います。
いわば、組織の拡大と、定着したWFH(ワークフロムホーム)環境における「あるあるにして、悩ましい課題」のトンネルに突入していたわけです。
この状況を打開するために、まずこれはやろうと思ったのが、「私自身の発信量を増やす」ということでした。
「なぜそうなったのか」「どう考えているのか」、その時々の課題に対する方針や、みんなのモヤモヤに対する私の考えを、まずは私自身の言葉で直接伝える機会を増やすことが大事だと思ったわけです。
実際の配信内容や運営方法
こうして始めることになった「MFBC Park Session」配信の運営は、COO室 室長の高橋さん(@mfyt41)、自ら協力を名乗り出てくれたデザイナーの猪爪さん(@inotashikeshike)、そして、秘書の松下さんの3名の事務局メンバーが担ってくれることになりました。
各回のテーマは、MFBC全体や各本部の戦略の背景や、そこに至る経緯だったり、新組織や新ポジション設置の真の狙い、各組織の具体的な役割や、向き合ってきた課題と解決の取り組み、プロダクトのビジョンなどです。
時には、現場でまさに足元の課題となっている事柄も扱うなどして、できるだけ赤裸々な状況や、今そこにある課題や危機、それにどう向き合おうと考えているのか、その決定に至ったぶっちゃけの経緯や背景、未来に向けた想いなど、等身大で本音の議論をするのがコアコンセプトです。
また、登壇者一人一人の仕事に対する価値観や想いなどを知ってもらうことも重視して、冒頭の自己紹介にも時間を割いています。
そして、なるべく試聴しているメンバーみんなが参加している状態を創り出せるよう、インタラクティブなセッションも心がけています。
こちらはZoomチャットで積極的にコメントをしてもらい、適宜ファシリテーターの私が拾って、議論の場にあげています。
そしてなにより、みなさんに見続けていただき、積極的に参加していただけるクオリティにもこだわっています。
例えばセッション開始までの間に流れるBGM(≒テーマソング)は、元プロミュージシャンでもある高橋さんにこのために書き下ろしていただき、デザインチームのみなさんには番組の世界観のデザインをしていただいています。
撮影機材にもできる限り工夫を凝らしています。
初めは1台の定点カメラやスマートフォンでやっていたのですが、「顔が遠くて表情が分からない」というフィードバックを受けて、今ではカメラ3台をスイッチャーで切り替えて、1人1人の出演者の表情が伝わるようにしています。
もうスタジオつくった方がいいんじゃないかと本気で思ってます(笑)
開催後のアンケートからは、次回のテーマ設定や、運営の改善のヒントをもらってどんどん生かしています。
もちろんアーカイブして、いつでもみんなが見ることができるようにし、配信中に回答しきれなかった質問は、後日まとめて回答を共有したりもしています。
結局、効果はあったのか?
こうして1年半の間、配信を続けてきたわけですが、気になるのは、効果があったのか?というところだと思います。
結論から言うと「MFBC Park Session」をやってなかったらどうしていたんだろうと思うくらいに、圧倒的に必要な施策だったと思っています。
正直なところ、「社内の情報連携」という課題はまだまだ解決できていません。というか、そもそもこの課題は事業や組織が進化し続ける限りはなくならない課題なのだとも思います。
しかし、「MFBC Park Session」という手段がもしなかったら、日々発生するさまざまな課題や情報を今ほど適切に共有できていただろうか。各所で発生する認識のズレ埋めをここまで極小化できていただろうか。そう強く感じることは確かです。
それだけ組織運営、もっと言えばチームビルディングのために、なくてはならない取り組みになっています。
想定外の効果も
この取り組みを続けてきた中で、当初は想定していなかった大きな効果も得られています。
それは、取り上げたテーマや内容のことを、ファシリテーターである私がとてもよく理解することができる機会になっているということです。
ファシリテーターの役割としては、出演者への適切な投げかけや、リアルタイムにチャットで投稿される質問の取捨選択もしなくてはいけません。
なので、テーマに対して、強い興味を持ち、解像度を高める努力をしないと務められないのです。実は毎回自分が一番勉強できているんじゃないか、と思っています。
そんな効果もあるので、最近はあえて自分の解像度が低い分野のテーマを取り上げたりすることもあります。
それともう一つは、あらゆるレイヤーのメンバーと自然な形で、フラットに関わる機会になっていることも大きいです。
自分ではあまり気付いていなかったのですが、メンバーからしたら、私から突然Slackが送られてきたり、1on1を依頼したりしたら、「何事か」と思ってしまうケースがあるんですよね。
例えば新卒のメンバーって、私とはもう20個以上歳が違うんです。私が新卒のとき、確かに45歳の上司は遠過ぎて、なにかで絡む対象とは想像すらしていなかったですね。
今、自分がそういう立場なんだなと(笑)
そんな中、「MFBC Park Session」で取り上げたり、自然なディスカッションの中で質問に答えたりすることで、そういう普段なら気を遣ってしまってあまり絡めないメンバーとも自然と接点を持って関わる機会になるわけです。
今度こんな企画やるから出演してよ、なんていう流れから、実際に出演したメンバーとの人間関係もできあがる。自分の理解度も深まるし、みんなからのフィードバックをもとに、さまざまな事柄や組織全体を多角的に見ることもできます。
これは、マネジメントとかチームビルディングの手段として、めちゃくちゃ有効だし、非常に効率的な、現場キャッチアップの機会になっているんです。
1年半経って、いま思うこと
当初、スタートしたころよりも、さらに組織の規模は大きくなりました。
単純に人数規模が拡大したということもありますし、大勢がコロナ禍で入社いただいているので、リアルでお会いできてない方もたくさんいます。
「MFBC Park Session」も少し変化してきていて、始めたころよりもぶっちゃけ本音トーク感は落ち着いてきているかもしれません。
深夜番組からゴールデンに昇格したというほどではありませんが、ちょっとそろそろ壊さないといけないかなと、思っていたりします(笑)
ただ、定着していくと、どうしても徐々にゴールデン的にはならざるを得ない部分はあるのだと思います。
そういう意味でも、これからは各本部や部のリーダーが、「MFBC Park Session」のような機会をそれぞれ実施してくれたら良いなと思っています。
実際、事業推進本部では「若手のためのキャリアセッション」をスタートしています。メンバーのパーソナリティーを知るためのコンテンツとして配信され、とても盛り上がっています。
ウェビナー配信でなくとも、横斜めの関係性で、互いの課題や悩みを共有し合うような機会をつくっているリーダーもいます。
今後はそういった、各所の取組支援もしていけたらと思っています。
マネーフォワードのカルチャーがあるからこそできること
今日は「MFBC Park Session」をメインにお伝えしたのですが、マネーフォワードには、ほかにも社員向けの配信が数多くあります。
必須参加の会議としては、
がありますし、任意参加の会としては、
なども開催されています。
それらの配信、どれもが、マネーフォワードのMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・カルチャー)を体感できるマネーフォワードらしい内容になっていると感じています。
また、朝会や半期総会では、司会も運営チームも社員が有志で参加してつくり上げていたり、視聴する社員のみなさんも、チャットで大いに盛り上がっているなど、役員などから一方的に伝える場ではなく、みんなで一体となって創り上げていくスタイル(=共創)になっています。
前回のnote
でも書きましたが、真に一丸の組織を、みんなでつくり上げていくためには、1人1人がバリュー浸透の体現者として行動することが必要です。
その行動のきっかけづくりができるように、ウェビナー配信やその他いろいろな工夫を、今後も続けていきたいと思います。
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