マネーフォワードの「つよく/しなやかな組織づくり」
マネーフォワード取締役執行役員、マネーフォワードビジネスカンパニー COOの竹田です。
マネーフォワードでは、半期に一度、「マネーフォワードグループ半期総会」を行っています。
毎回、有志で集まった運営メンバーが、「Let’s make it! Together!」のコンセプトのもとつくりあげる、とてもマネーフォワードらしい会で、私も毎回楽しみにしています。
半期総会については、運営メンバーの花岡さんがnoteを書いていますので、是非ご覧ください。
さて、昨年12月に開催した半期総会では、「つよく/しなやかな組織をつくろう!」と題した対談セッションに、私も登壇者として参加しました。
今回は、このセッションを通じて感じたこと、考えたことをnoteにしたいと思います。
セッション実施の背景
マネーフォワードでは、積極的に採用を行っています。これはもちろん、更に事業成長を加速していくためです。
事業領域を拡大し、かつ、各プロダクトの質も高めていくためには、もっと多くの仲間が必要です。
先日の決算発表でもお伝えしていますが、17年11月末に241人だった正社員数は、20年11月末には865人、21年11月末には1,259人になりました。
4年で約5倍です。そして、この1年で約1.5倍。
つまり、社員の3人に1人は、1年以内に入社した方ということになります。
このような組織の急拡大・急成長に伴って、「マネーフォワードらしさが薄まってしまうのではないか」「会社や事業に対する距離が遠くなってしまうのではないか」という不安の声が出始めました。
そんな社員の皆さんの気持ちを汲み取って、半期総会運営メンバーが今回のセッションを企画してくれました。
急激な組織拡大に伴って、変化していくことはあるでしょうし、一歩間違えば組織崩壊のリスクもあります。
ただ、その変化やリスクを正しく理解したうえで、マネーフォワードらしい「つよく/しなやかな組織」であるためにはどうしたらいいのか。
それをグループのみなさんと一緒に考える場にしようということで、石原さん(People Forward本部 本部長)がファシリテーターとなり、中出さん(取締役執行役員CTO D&I担当)、セルジオさん(執行役員CDO (Chief Design Officer))とともに対談セッションを行いました。
キーワード1:「問う力」
セッションの中で、印象に残ったキーワードがいくつかあるのですが、その一つが「問う力」です。
「コミュニケーションの密度を高めるためにはどのような工夫が必要だろうか?」という議論の中で、セルジオさんからの話をヒントに深めていったテーマで、
セルジオさんは、
という話をしてくれました。
その話を聞いて、たしかに!と私も共感しました。
ちなみに、当社のVP of Cultureの金井さんはこの「問う力」が高いと思います。
私の経験談ですが、金井さんて、エレベーターでたまたま一緒になったような時にも「竹田さんって、●●なとこありますよね、なんでそれできるんですか?」みたいにボソッと鋭いことを言うんですよね。
ものの数分程度だと思いますが、金井さんからの一つの問いかけによって、相互理解が深まったり、私自身の気づきにもなって、これを密度の高いコミュニケーションというのだろうと。
そういった「問う力」を1人1人が鍛えたら、日々各所で行われている30分の1on1もだいぶ質が変わってくるはずです。
そして「問う」前提として、「相手を知ろうとする気持ち」が大事だということもセルジオさんが教えてくれました。
「相手を知ろうとする気持ち」を持つ。そのうえで、相手が何を感じているか何を考えているかを丁寧に観察していくことが大事、ということです。
「相手を知ろうとする気持ち」は、マネーフォワードが掲げるMVVC(Mission/Vision/Value/Culture) のCulture の一つである「Respect」にも通じる考え方で、改めてその重要性にも気づくことができたテーマでした。
キーワード2:「任せる」
次に印象に残っているキーワードが「任せる」です。
マネーフォワードは、創業以来、スモールチーム&権限委譲しているチーム作りを意識しています。
これは、ユーザーの課題を的確に把握した少数精鋭が、チーム内でできる限りの高いレベルの意思決定を行い、とにかくスピードを上げて、質の高いプロダクトを世の中に出していくという思想から来ているものです。
今後、さらに従業員数が増えていったとしても、スモールチームの考えは変えないつもりです。
ただそうすると必然的に、経営者やマネージャーの数を増やさないといけないことになり、「権限移譲」が、とても重要になってきます。
しかし、権限移譲はとても難しいものでもあります。任せた人が力不足だったりするとそのチームの多くのメンバーが不幸になってしまいます。
では、どんな人にお任せをしていけばいいのか。
それは、チームメンバーの段階から、常に一つ二つ上の視点(すなわちメンバーならマネージャーの視点、マネージャーなら経営者の視点)で考え、行動している人です。
たとえば、一つの例を言えば、CSO(Chief Strategy Officer)が立てた戦略に対して、
みたいに壁打ちしてくる人とかですね。もちろん戦略面だけじゃなく、チームづくりや決断のシーン、目標設定のシーンだったりでもそうですけど、総じて既に準備ができている人です。
そういう人には、どんどん任せて、挑戦の機会を提供していきたいと思っています。
マネーフォワードではこれから、多くの新任マネージャーが誕生してくることになるのですが、その際に気を付けたいポイントとして、中出さん・セルジオさんからのお話も印象的でした。
まさに、マネーフォワードのCultureにある、「Respect」と「Teamwork」ですね。お互いの「Respect」を忘れずに、支えあって、共通の目標に進んでいくチームは強いです!
キーワード3:「レンズの獲得」
一般的に、従業員数が増えて組織が拡大してくると、ポジションがなくなって成長機会が少なくなってくる、と捉える方もいるかもしれません。
が、マネーフォワードは全く違います。
プロダクトラインナップをどんどん拡充してマルチプロダクト戦略を展開していますので、さまざまなフェーズの事業が同時並行で動いていますし、売上の伸びに伴って事業運営の難易度も上がっています。
なので、ポジションが詰まっているなんてことは全くなくて、全方位で今後も多くの空席が生まれる予定です。
また、中出さんも言っていましたが、今のマネーフォワードは、「人の成長スピードよりも会社の成長スピードが大きいので、自分自身をストレッチしようと思えば、いくらでもその機会が手に入る環境」です。
「ひとりひとりの目の前には、様々な機会が転がっている。」そんな環境が、いまのマネーフォワードなんだと思います。
そんな状況について、セルジオさんからは、こんなお話が。
「レンズを獲得する」という表現、とてもいいなと思いました。
新しい環境にチャレンジしようとするとき、「そのレンズ自分にはないな」なんて思いがちですが、今からやればいいんですよね。そして、やってみたら大概のことはできる。
欲しいレンズは、できると思ってやれば、手に入るんですよね。
まさに「できるかできないかではなく、やるかやらないか。」ですね。
急激に仲間を増やしながら、さらに強い組織になっていくために
半期総会当日は、50分にわたってセッションを行ったのですが、4人で話していると、全く準備していなかったような話が膨らんでいくし、自分としても非常に学びの多い機会になりました。
いま、マネーフォワードではありがたいことに、毎月数十人という新しい仲間が加わってくれています。
多くの新しい仲間を迎えながら、さらに強い組織になっていくために重要だと思っていることを、最後に整理して書いておこうと思います。
それは二つあります。
一つは社員一人一人の”Will”と会社のミッションの紐づきを大事にすることです。
マネーフォワードでは、入社までの採用プロセスの中で、応募者の方の"Will"とマネーフォワードのミッション・ビジョンの擦り合わせをとても大切にしています。
また、それはM&Aによるグループジョインの際も全く同じです。「グループジョインしてくださる社員や経営者のみなさんと思いや志を共にしていけるかどうか」これは常に一番大事にしているポイントです。
会社のミッションと自分のやりたいことが紐づいていると、単純に力がみなぎってきますし、会社全体の成長力という意味でも、非常に大きなパワーになってくると思います。
二つ目は、MVVCのバリューの浸透と、カルチャーとしての定着です。
私個人としては「Respect」というカルチャーがマネーフォワードらしさを特によく表しているんじゃないかと、ジョインした頃から今に至るまでずっと思っています。
もう4年経過して、社員数はその時の5倍になっているわけですが、まったく揺らぐことなく、むしろより強く浸透し、定着しているようにも感じています。
組織やチームというのは、社長とか、人事とか、役員の誰かみたいな、特定の誰かや担当ひとりがつくり上げているものではありませんし、また、誰かひとりによって壊れるものでもありません。
仲間を増やしながら強い組織をつくるのは、ここに集まったひとりひとりの思いと行動に尽きます。
秘訣などはおそらくなく、ひとりひとりが自分の思いを大切に、会社のミッション、ビジョン実現のために一丸であろうと意識して行動すること、そしてバリュー浸透の体現者であろうと、意識して行動をすること。それ以外にはありません。
たくさんの仲間を迎えながら、ひとりひとりの持つ力を大いに活かしあって、人数を軽く超える大きなパワーを出す、真に一丸の組織を、みんなでつくり上げていきたいと思います。
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