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とりあえず動くことでやる気を高める

〇アセチルコリンとは


アセチルコリンは側坐核が刺激されることにより分泌される神経物質です。側坐核を刺激するためにはとりあえず作業を始めることです。作業を続けると側坐核が刺激されることにより自己興奮して「アセチルコリン」を分泌されます。アセチルコリンは「交感神経の抑制」と「副交感神経の活性化」の機能があります。要するにモチベーションを高めるドーパミンをアクセルとするとアセチルコリンはブレーキの役割を担っています。それ以外の機能は大脳辺縁系や海馬、視床などにも投射します。その結果、認知機能(記憶、集中力、注意など)や覚醒と睡眠、ひらめきなどの機能を担っています。また、メラトニンと同様に睡眠にも作用していますので、午後から眠たくなるときはアセチルコリンが分泌されてシータ波というものがでているのです。

〇好奇心を刺激する

アセチルコリンを分泌するためには新しい場所にいったり、新しい道を通ったりすることで好奇心を刺激することが大切です。その結果、シータ波が出て新しいひらめきが出てきやすくなります。午後からはクリエイティブな仕事が適しているとの事です。新奇場面というのは自閉症スペクトラム障害の子供たちにとってはとても不安が高くなる場所なので、上手くいかないかもしれませんが、通級のなかでは新しい課題に取り組むことで好奇心に刺激を与えることができるかもしれません。

〇有酸素運動の有効性

歩行などの有酸素運動により「コリン作動性神経(アセチルコリンを伝達物質として使用する神経)」が働き、大脳皮質や海馬でアセチルコリンの放出量が増加します。また、ドーパミンの分泌も促進されて、脳が活性化するそうです。適度な運動は健康のためにももちろんいいのですが、脳の力をうまく活用して仕事を効率的に行うための土台づくりにも有効です。

〇やる気がでないときもとりあえず始めることでやる気を出す方法が正しい

側坐核への刺激が「アセチルコリン」の分泌につながりやる気を高めることにつながるので、とりあえず始めることがいいようです。通級で携わる生徒でも手を付けだすとやる気が出てできるという生徒がいます。まさに理論通りです。しかし、手を付ける頻度が少ないためになかなか物事が進みません。通級の中では強制的にでも手をつけることができる環境です。その環境を上手く活用してやる気のでないこともとりあえず手を付けて集中力が高まる経験と物事が進む喜びを感じてもらい、日常生活でも汎化できるようにつなげていきたいと思います。家庭での支援においても保護者が一緒に始めるなど導入の部分は介入が必要になってきます。主体的に動くようになるまでには回数を重ねる中で承認したり成功体験を積んでもらったりして報酬系であるドーパミンをうまく活用することが大切だと考えています。行動に伴う報酬を設定することとリフレーミングによる『不快』から『快』への転換をしていき行動への強化に努めたいと思います。

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