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【読書録22】才能を強みにすべく行動せよ!!~トム・ラス「さあ才能に目覚めよう」を読んで~

  昨年、職場の仲間と市販の性格テストのようなものをやった。
その際に、「仕事をする中で、何に喜びを感じるか」という項目があって、人によって何に喜びを感じるかが大きく変わるものだと改めて実感した。
 私は、仕事の中で新しいことを学んだり達成したりすることに喜びを感じて、周囲の多くは、仲間と一緒に働くことや(接客業という業種を反映してか)人に喜びを感じてもらうことに喜びを感じるというような結果が出た。

 仲間のレポートを見ていると、「確かに」「当たっている」というような点が多かったので私のレポートも的を得ていたのであろう。

 そんな話を知人にしていたら、「ストレングス・ファインダー」の紹介を受けた。年末年始、自分を振り返る良い機会かなと思い、本書を購入して試してみる。

才能 x 投資=強み

 人の短所ではなく、長所を伸ばすことにエネルギーを注いだ方が、人は何倍もの成長を手にすることができる。

本書の主要なメッセージである。 

その長所を「才能」・「資質」として34に分類する。

「才能」を電子辞書で調べると、「物事を巧みになしうる生まれつきの能力」と出てくるが、本書で分類する34の「才能」は、本書の中でも、言い換えているように、「資質」、「頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン」と言った方が、しっくりとくる。

 本書のタイトルでも「才能」を「じぶん」と読ませているが、まさに、自分が素の状態のときに「頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン」というイメージである。

  そして「才能」を磨き上げることによって、強みになり、その強みによってこそ、人は何かを成し遂げられるとする。

 それを強みの方程式として、以下の通り示す。 

才能(頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン)
     x
投資(練習やスキル開発、知識を身に付けるために欠ける時間)

= 強み(常に完璧に近い成果を生み出す能力)

私の5つの資質

やってみたところ私の上位5つの資質は、以下の通りであった。

1.学習欲(learning)
2.収集心(Input)
3.内省(Intellection)
4.原点思考(Context)
5.最上思考(Maximizer)

  結果については、たしかにその通りと思えた。また、本書の中では、34の資質ごとに、「行動アイデア」として、どのように行動すべきかや、注意点(落とし穴)が記載されているが、考えさせられることが多かった。

 また直接関係ないが、コロナ禍にあって、実は、幸福感が上がっているというレポートを最近読んだ。
 私も同じような実感で、夜の会食等の付き合いが減り、自分や家族との時間が持て、「自分らしく」時間を使えているのがその要因だと思っている。
 今回、自分の資質をみて、そう思えるのも自分の持っている資質によるのかなと思えた。
 資質を伸ばしていくのは、強みを発揮するという面でも重要だが、自分らしく生きるという面でも大切であろう。

 以下、いつにもまして自分へのメモ的な内容となるが、私が持つと診断された資質のレポートを読んで感じたことなどを2022年年初の想いとして記載していく。

第1位 学習欲 

学習意欲が旺盛で、常に向上を望んでいます。特に結果よりも学習すること自体に意義を見出す。

  私は、確かに、何かを学ぶことが好きなのだと思う。
学習の成果は、プロセス程重要でないと感じているとのことだが、それもその通りと思えた。

 そもそもこの読書録をつけようと思ったのも、本を読むことで満足してしまって、内容の咀嚼が不十分で頭に残らなかったり、行動につながらなかったからである。

 行動アイデアより

・変化を起こす人になりましょう。他の人たちは新しい規制や技術を導入したり、環境を整備したりすること尻込みするかもしれません。新しいことを吸収したいというあなたの意欲は、他の人たちの懸念を和らげ、彼らを行動へと促します。真剣にこの責任を担いましょう。

・できる限り、技術や規則が常に変化する分野にキャリアを変更しましょう。これに対応しようと挑戦し続けることであなたはいきいきとします。

 今までのキャリアを振り返っても、確かに新しいことに取り組んでいるときが楽しい。何かに取り組んでも一定期間過ぎると飽きが来てしまうのもこういう資質ならではなのかなと感じる。 

・学びたいという気持ちを行動に移しましょう。住んでいる地域の社会人講座などを活用しましょう。毎年少なくともひとつは新しい科目や講座をとることを自らに課しましょう。

 今年は、何をしよう。
シナリオプランニングの講座を受けているが、その他、キャリア・コンサルタントにも興味あるし、いつか茶道も学びたいと思っている。自分が学びたいことに素直に取り組んでいきたい。

第2位 収集心

より多くの知識を求める知りたがり屋です。ものを集めたり、あらゆる種類の情報を蓄積したりするのが好きな人が、このタイプに多くみられます。

 これも学習欲と並んで「確かにそうだな」と思える項目である。

行動アイデアより
この項目の行動アイデアはグサグサと心に刺さるものが多い。

・単に情報を収集するだけにならないように肝に命じてください。時期がきたらあなたはその情報から得た知識を活用して行動に移さなければなりません

  これは、本当にその通り。私の一番の落とし穴である。
先日ある方から、「学んだことは、すぐに使わないと、一生使わない。」と言われたが、確かにその通り。 

・あなたの専門分野は何でしょうか。その分野について、さらに情報を集めましょう。
 ・あなたを刺激する本や記事を読む時間をスケジュールに入れてください。
 ・集めた情報を皆で共有できる場を見つけましょう。また、友人や同僚からの質問に答えるのは、楽しいということを予め彼らにアピールしておきましょう。

 朝、早起きして読書する時間を確保しているが、この習慣は私にマッチしていると思うので続けたい。
 そして情報共有の場は、読書会など、参加するのみならず今後は自分でも主催してやっていきたい。

第3位 内省

内省という資質を持つ人は、頭脳活動に多くの時間を費やします。内省的で、自分の頭の中で考えるのが好きで、知的な討論が好きです。

 行動アイデアより

・考えたことを日誌や日記に箇条書きで書き留めていきましょう。そこでのアイデアが、あなたの思考を生み出すための糧となり、価値ある洞察へと発展していくでしょう。
・考える時間をスケジュールに入れましょう。それがあなたをいきいきとさせます。こうした機会には考えることに没頭しましょう。
・書くための時間をつくりましょう。書くことはあなたにとって、考えをまとめて具現化する最善の方法かもしれません。

  これらは、比較的自分でも自発的に行っていることであり、情報のインプット時間を持つこととともにこれからも続けていきたい。この読書録も週1回を目標としているが、書くための時間を持つことでもある。

 そして、この項目の行動アイデアで私の中で、一番ハッとなったのは以下の項目である。

・計画の最初から最後までじっくり考えをめぐらせる時間があるときに、あなたは最高の力を発揮します。プロジェクトの実行段階で加わるより、初期段階からかかわりましょう。最終段階で加わると、すでに決定済みの事項を狂わせたり、あなた自身の洞察が手遅れとなったりする恐れがあります。

 仕事の中で、一番フラストレーションを感じるのが、「決まったこと」を押しつけられることである。もう少し良いやり方あるのではとか、なぜこれを行うのか、など疑問を感じることが多い。今後の、自分のキャリアを考える上では、参考になった。

第4位 原点思考

 原点思考という資質を持つ人は、過去や原型について考えるのが好きです。過去を調べることにより、現在を理解し ます。

 昔から歴史が好きである。そして、「そもそも」という原点とかについて考えるのも好きである。

行動アイデアより

・変化を受けいれましょう。(中略)積極的な変化を担う人として知られることができます。その背景にあった出来事に対する鋭い感覚によって、切り捨てることができる過去と永続的な未来を築くために保持されなければあんらない過去を区別できるはずです。

・将来の行動を予測するための最高の判断材料は過去の行動である、とあなたは認識しています。友人や同僚たちのどんな行動が今の彼らの成功をもたらしたのかを調べることで、彼らが将来よりよい選択をするのを助けることができます。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」ということ。引き続き歴史小説・ノンフィクションなどは、読んでいこう。

第5位 最上思考

 最上志向という資質を持つ人は、強みを利用して、平均的ではなく最高の水準を、個人ないしは集団において追求 します。単なる強みを最高レベルのものに変えようとします。

 この項目が、いまいちピンとこなかった項目である。
レポートにあった以下の言葉は参考にはなった。

自分の才能を発揮できる分野で仕事をしているときは、急激に成長したり、短期間で習得したりすること があります。 生まれながらにして、あなたは、 自分が得意とする事を行うときに、より多くの身体的または精神的なエ ネルギーを注ぐことがあります。 おそらく選択して見極めることのできる力があなたの成功の鍵でしょう。

行動を起こしたときに真の力が発揮される

 訳者あとがきの言葉である。
ストレングス・ファインダーを受けた人は、1,500万人を超えるという。これをやってみて単に面白かったで終わらせては意味がなく、またもったいないという。

才能を強みにしようと行動を起こしたときにこそ真の力が発揮される。

才能というダイヤモンドの原石を磨き上げて、強みというダイヤモンドにせよ!!

2022年も「行動」がキーワードになりそうである。


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