【読書録85】リーダーとは「人間成長という山の頂に向かって登り続ける人間」のこと~田坂広志「なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか」を読んで~
何とも直球なタイトルである。
そして、ちょうど今置かれている状況で読みたくなった本である。
巡り合うことができて良かった。
本書を読み「なぜ、我々はマネジメント」の道を歩むのか?と言う問いは、私にとっては、こう言い換える事もできると感じた。
「私が仕事をする意味は何なのか?」
本書は、マネジメントの最高の報酬は「人間としての成長」と結論づけるが、私に取っては、それは、仕事をすることの意味そのものである。
マネジメントこそ「成長への意欲」を持つべし
著者は、こう言う。
著者が紹介する、昔の上司の言葉は、本当に素晴らしいなあと感じさせる。
私もこういう感覚で生きていきたい。
こういう上司の姿から、著者はこう言う。
「リーダー」という言葉の真の意味
そして続いて、こう展開する。
「人間としての成長」とは、「心の世界」が見えるようになること
人間としての成長の意欲を持って、仕事に臨むのであればマネジメントではなくとも良いとも感じるが、その点について、マネジメントこそ、人間として成長できるとして、本書の前半でこう展開する。
では、心のマネジメントとは何か。本書では、「三つの心」が見えるようになることであるとする。
➁の「集団の心」が見えるようになることとは、「場の空気」が読めるようになることであるという。
MBWA(Management By Walking Around)の有用性に触れるが、これは本当にその通りであると思う。WAすることで感じ取れることはたくさんある。
そして、③の「自分の心」が見えるようになることは更に深い。
河合隼雄氏の言葉を引用する。
また、「心の中の劣等感が悪さをする。」とするが、これも思い当たる。
劣等感とは、その存在に気がついているだけで、あまり悪い作用をしなくなるという指摘も興味深い。
人に対する嫉妬心から生じる感情から行動するとろくなことにならないことは身につまされる。
自分の心を見つめ、「自分の心」を知る。
大切である。
「困難」において最初に語るべき言葉
最後に著者が、「困難」において最初に語るべき言葉を紹介したい。
事業などで困難に遭遇した時、その困難を切りぬけ「成功」できるかわからないが、その困難と相対することで、「成長」できることは確実なのだ。
そう考えると、ポジティブな気持ちで毎日人生に挑むことができる。
特に仕事では命を取られるわけではない。
でも全力で何事にも挑み「成長」を勝ち取りたいものである。
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