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日本一嫌われた審判が、美しきフットボールを実現するまで 【vol.3】

シーズン序盤(5月前半〜5月中盤)

開幕後の数試合でうまく勢いに乗れたところと乗利きれないところが見えてくるのがこの時期であり、選手も肩の力が抜けたり試合感が戻ってきて、いよいよ全力前進という状態になることに加え、季節的にも活動しやすい時期なので、魅力的な試合がたくさん見られる時期だ。

一方、僕たち審判にとっては、開幕時期の不安や不足がようやく解消されて、「よし、これからだ」とやっと自信をもって試合に臨める時期でもある。

今年はオリンピックが開催される関係で、春先に試合が詰め込まれているので、選手も審判も関係者もファン・サポーターの方も大変だ。

シーズンはまだまだ先が長いので、焦らず、目の前のことに集中していこう。


2021.05.01. J1 仙台 v 柏戦 @VAR

この日の朝の10:30頃に震度5弱の地震があった。

かなり大きな揺れだった。

安全の確認と確保、試合開催の判断、電車の遅延等、試合前からいろいろバタバタすることがあったけど、予定通り行われたことはよかった。

試合が順調に進む中、「仙台の得点シーンをどう判断するか」が、VARとしてめちゃくちゃ難しかった。

何が起きたかというと、
①得点が入る前にゴール前で選手同士が接触した "ような" ことがあった(ポッシブル・ファウル)
②仙台の選手がヘディングシュートを決めたときに上腕にボールが触れた "ような" ことがあった(ポッシブル・ハンド)

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