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日本一嫌われた審判が、美しきフットボールを実現するまで 【vol.6】

シーズン中〜終盤(9−10月)

酷暑のシーズン中盤を乗り切り、いよいよシーズン終盤に差しかかろうとするこの時期は、うだるような暑さがようやく影を潜め、毎日過ごしやすくなってくるので、コンディションも整えやすくなる時期である。

なので、選手のパフォーマンスが再びあがってくる時期だし、選手のパフォーマンスがあがってくるということは、試合の強度も難易度も、必然的に上がってくるということでもある。

さらにいうと、チームにとっては "残り2ヶ月" の前にできるだけ順位を上げておきたい時期でもある。

特に今シーズンは4クラブが「降格する」という条件なので、どのクラブも選手たちも、いつも以上に神経を尖らせている。

審判は、この時期(特に今シーズン)は "そういう状況" である、ということを念頭に置きながら、 "フットボールを守る" ことや反則のことばかり考えるのではなく、選手とチームスタッフとクラブ関係者とファン・サポーターのみなさんと "ちゃんと" 向きあって、 "フットボールを創造(フットボールの魅力や価値を向上)するレフェリング” を目指して最大限努力するようにしたい。


2021.09.05. ルヴァンカップ QF 2nd 川崎 v 浦和

この試合は、浦和の "劇的同点ゴール" で浦和が準決勝へ進出した試合となった。

川崎は選手の移籍やケガ人など "苦しいチーム状況" ながら、途中まで3-1と浦和をリードしていた。

川崎はどういう状況であっても "やっぱり川崎" だし、本当に強い。対する浦和も徐々に良くなってきてるから、この試合は最後の最後までわからないな、なんて思いながらレフェリングしていた。

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