見出し画像

その時主審は何を見てそう判断したのか? #1

みなさんこんにちは。家本です。

現役を卒業してから、「なんであれが退場なの?/ 退場じゃないの?」「なんであれが警告なの?/ 警告じゃないの?」「なんであれが反則なの?/ 反則じゃないの?」「主審は何を見てそう判断したの?」「いえぽん!教えてよ」といったオーダーをよくいただきます。

フットボールは、「出た、出ていない」「入った、入っていない」といった類のものは白黒つけられるのですが、「反則か否か」「警告/退場か否か」は競技規則の特性上、人によって、見るポイントや解釈の違いによって違ってくるのがフットボールの特徴です。要するに、「フットボールは答えが1つのときもあれば、複数存在することもある」ということです。

ですので、「これは〇〇だ」「いや、△△だ」「何いってんの?□□に決まってんじゃん」と、人それぞれ意見が違っていいと思いますし、結論がひとつにまとまらなくてもいいと僕は思っています。一方、「主審がなぜそう判定したのか、その理由が知りたい」「あの時何を見てそう判断したのか知りたい」といった声に対しては、「判定の正誤ではなく、判定に至るプロセスがわかれば、審判に対する見方や捉え方、見る方のフットボールの楽しみ方も変わってくるかも」と思っています。

そこで、新企画「その時主審は何を見てそう判断したのか?」を発信していくことにしました。

この企画は、Jリーグの試合で気になった「判定に対する根拠」を僕なりに分析して解説するものです。「あの判定は〇〇だけど僕の見解は△△だ」を示すと、それが独り歩きしておかしな方向にいくのは防ぎたいですし、絶対解がほぼ存在しないフットボールにおいて、答え合わせをすることにあまり意味がないと僕は考えています。ですので、ここでは「ジャッジリプレイ」のように判定に対する僕の見解を言うのではなく、主審が「なぜそう判断したのか」にフォーカスして発信していきます。説明はこれくらいにして、早速本題に入っていきます。


【ケース1】 浦和 v 京都 58分31秒のシーンについて

7月6日のJ1リーグ「浦和 v 京都」戦 58分31秒のシーン。京都の武富選手が浦和の岩尾選手に対して反則を犯したと判断されましたが、多くの方が「え!逆じゃないの?」と思われたシーンだったのではないでしょうか。まずはこのシーンについて解説していきます。

ここから先は

3,844字

¥ 300

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

サポートありがとうございます。 「サッカーを もっと 面白く」「サッカーで もっと 繋がる」「サッカーで もっと 豊かに」 を実現していくための活動資金にさせていただきます。