おじちゃんは、テクニシャン!
【ラジオ体操252日目】
こんにちは。
昨日あげたnoteのタイトルが「マッチ売りの少女」と掛けたものであるということに気づいてもらえていなくて、ミカンを売ってるおじちゃんの話を書いただけだと思われていることに気づいたコマリストです。
今日は『セールスとテクニック』というテーマで書いていきたいと思います。
皆さん、昨日の記事を読んで頂いたでしょうか
この記事の中で、おじさんが使っていた販売に関するテクニックを羅列しましたが、これらをちゃんと説明してほしいという要望がありました。
#マッチ売りの少女のパロディです
せっかくなので、言葉の説明をするのではなく、おじちゃんがどう使っているのかという視点で説明してみようと思います。
今日は、ミカン売りのおじちゃんが実践している販売のテクニックを解説してしまおう!という回です。
テクニックなんて信用できないと思っている方もいると思いますが、結構使われているテクニックが多いので、騙されたくない!と思っている人は読んでみて下さいね。
テクニックの解説
さて、早速ですがおじちゃんが使っていたテクニックの解説をしていきたいと思います。
解説するテクニックは、
①フットインザドア
②リスクリバーサル
③ゴルディロックス効果
この3つです。他にも使われているものがありましたが、あくまでも昨日の記事に書いたものを説明してほしいというリクエストに応えるものなので、3つだけにしておきますね。
早速ですが、一つ目の「フットインザドア」について。
このテクニックは、かなり有名なので知っているという人も多いと思います。
交渉を上手く進めるために、簡単な要求からスタートして、相手がOKした後にハードルが高い内容を伝えるというテクニックですね。
これは、一度OKを出してしまうと、次の要求も断りにくくなるという人間心理を利用しています。
ミカン売りのおじちゃんの場合、最終的な要求は「ミカンを買ってもらう」というものになりますね。
おじちゃんの使い方については、次の章で説明していくことにしましょう。
次に「リスクリバーサル」について。
聞いたことないという人もいるかもしれませんが、これは、ライ〇ップをイメージするとすぐに理解できるテクニックです。
一言で説明すると、「効果が出なければ返金します!」というアレです。
お金を支払うとか、相手の要求を受ける側というのは、少なからず”リスク”を負うことになりますよね。
この時、そのリスクを負うにあたって、感じている『不安』を消してあげることで、要求を受け入れやすく(断りにくく)するテクニックです。
ライ〇ップで言えば、
”これだけの金額を支払って、痩せなかったらどうしよう”
この不安を消してあげるために、『返金保証』を付ける。
これをされてしまうと、断る理由がなくなってしまいますよね。
もちろん、忙しいので時間が取れないとか、摂取した栄養を自分で管理するのは難しいとか、他の不安もあると思います。
ライ〇ップは、専用アプリを活用することで、これらの不安を消しています。断る理由を取り上げられた「痩せたい人」は、契約する以外の選択肢を取りにくいですよね。
最後に、「ゴルディロックス効果」について。
これは、言葉を知らないという人も、解説すれば”そんなこと知ってるよ”とか、”横文字使いやがって”と思ってしまうと思います。
#横文字が好きなの
一言で説明すると、
『松竹梅』のことです。
少しだけ難しく言うと、多くの人が”ちょうどいい”と思えるものを選択しがちであるという心理効果。
3つの価格帯を用意しておくことで、”真ん中”を選びやすくなるので、売り手が一番売りたい商品価格を真ん中に設定して、廉価版と高級版をそれぞれ用意するテクニックです。
これをすることで、ほとんどの人が『売り手が一番買ってほしい商品』を無意識に選択してしまうことになります。
はい。
テクニックの一つ一つを解説するとこんな感じ。
解説を読んでみると、もともと知っているものや、目にしたことがあるものが多いと思います。
そうなんです。実際のセールスの場面で、たくさん使われているテクニックだからこそ、「これはテクニックだ」ということを理解した上で、”自分の頭で”買うか買わないかを選択してほしい。
そんな思いで今回の解説をしています。
テクニシャン?ミカンおじちゃんの使い方
お待たせしました。テクニックの一つ一つを何となく理解して頂いた上で、ミカン売りのおじちゃんがどう使っていたのかという説明をしていきます。
1つ目のフットインザドアについて。
思い出してほしいんですが、このおじちゃんは、ミカン1個丸ごと試食させてくれています。
試食するという行為は、特にリスクがあるわけでもないので、とても受け入れやすい要求ですよね。
しかも、このおじちゃんのすごいところは、試食なら1粒だけで十分なのに、丸ごと1個を試食させているところです。
”試食”という受け入れやすい要求に、「丸ごと1個”も”」無料で試食させてくれたという付加価値を乗せて提案している。
これをされてしまうと、「丸ごと1個無料でくれた」という事実が、無意識で借りを感じてしまう状態になる。
これ、フットインザドアに加えて、人がお返しをしたくなるという”返報性の法則”を掛け合わせて使われているんですよね。
おじちゃん、恐るべしですw
次の、リスクリバーサルについて。
おじちゃんは、一番最初に「ごめんな。うちのミカンは甘すぎるんよ」という声掛けをしています。
これに対して、私が”甘い分には構わない”と返したことで、すでに購入することが決まっています。
自然な会話のようですが、この短い会話の中で「甘かったら購入する」というこちらのウォンツを聞き出されているんです。
逆に言うと、「甘くなかったら買いたくない」という不安をわざと表面化させ”られて”います。
その上で、次の段階にあたる”丸ごと一個の試食”に進み、「間違いなく甘いミカン」という認識をこちらに与えます。
こちらが抱えている不安を消したうえで、クロージングに向けて手順を進めているわけですね。
ホントにあざといおじちゃんですww
最後のゴルディロックス効果について。
これは、説明不要かもしれませんね。
おじちゃんは「1,000円、1,500円、2,000円」のミカンを提示していました。
これに対して私が選択したのは1,500円のミカンなので、おじちゃんの狙い通りと言わざるを得ません。
でね、このおじちゃんのすごいのは、こちらがどれを買うか迷っているタイミングで掛けた言葉なんです。
なんて言ったかというと、
「今食べてもらったのは、この1,500円のやつじぇけ」
これ言われた瞬間に、1,000円のミカンを買うという選択肢が消されているんですよね。
で、1,500円か2,000 円の二択から選ぶことになる。
ここまでくれば、どちらを購入しても、おじちゃんからしたら"売りたい商品"なので、どっちでもいいんですよね。
そして、最後のおまけに1,500円のミカンを500円値引きして販売したわけです。
最後の最後に、”もう一つの借り”を作ってきたわけですね。
この先は付き合いませんでしたが、もう少し話したら「2つで2,000円でいい」というアップセルを仕掛けられたかもしれません(笑)
これに付き合わなかったとはいえ、借りがある状態で店を後にしたわけなので、他の人に紹介したり、再来店しようかなと思ってしまったりする。
どこまでもえげつないおじちゃんです。
なんだか、おじちゃんを詐欺師みたいに紹介してしまいましたが、おじちゃんは、長年の経験の中で最も良い方法にたどり着いただけだと思います。
#そう信じたい
とはいえ、これらのテクニックを使った詐欺商品が横行しているのも事実です。
昨日も書きましたが、皆さんはテクニックを多用してくる詐欺師に騙されることなく、正しい選択をしてほしいです。
じゃ、またね!
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